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トップ>Hakumonちゅうおう【2010年125周年記念号】>【創立125周年記念行事】硬式野球部が早稲田大学と交流戦 学生が企画し、実現した期待の対戦

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【創立125周年記念行事】

硬式野球部が早稲田大学と交流戦
学生が企画し、実現した期待の対戦

 鋭い日差しが、肌に突き刺さるような猛暑の8月31日。中央大学創立125周年記念行事として、中央大学対早稲田大学の硬式野球部交流戦が神宮球場で行われ、多くの本学OBや学生達が応援に駆けつけ、スタンドは約6000人の観客で埋まった。

ファンが待ちわびた試合

 この交流戦は、中央大学学友会・体育連盟の学生有志が発案・企画して実現した。東都一部リーグの本学と、東京六大学リーグの強豪、早稲田大学との伝統校同士の対戦を神宮球場で観戦できる機会は滅多にないだけに、多くの学生野球ファンがこの日を待ちわびていた。

 開会式では、交流戦を企画した実行委員長の関良子さん(法学部4年)が、「スポーツは人と人とをつなぐもの。実績を積み重ねてきた両校から、大学野球の面白さを知ってもらいたい」とあいさつ。

 続いて本学の永井和之学長が「学生が主体となってこのような企画が行われることを誇りに思う。快く対戦を引き受けてくれた早稲田大学野球部のみなさん、ありがとうございます」と述べると、スタンドの中大関係者から早大野球部へ向けて大きな拍手が送られた。始球式では、久野修慈理事長がマウンドに立ち、見事な投球を披露して、喝采をあびた。

学生3名が一から企画

交流戦を企画した左から佐藤さん、関さん、山本さん

 記者は試合が行われている間に、関さんに交流戦を企画した理由などについて話を聞いた。関さんは「125周年企画で、早稲田大学と試合ができたら面白いね、と話していた」のがきっかけという。中大には大学No.1の剛速球を誇る澤村拓一投手や主将の鮫島哲新捕手、早大には人気と実力のある斎藤佑樹投手や大石達也投手など、両校チームには将来が期待される有望選手が多いため、「対戦を実現させたいという思いがあった」と関さん。

 早大野球部との交渉を行ったのは、山本竜平さん(総合政策学部5年)。企画を練った後、まず中大野球部の高橋善正監督を訪ね、了承をもらった。高橋監督は、早大野球部の應武篤良監督と懇意であることから、今春、早大とのオープン戦が行われた際に、高橋監督と一緒にお願いに行き、快く承諾を得たという。

 中心となって企画した実行委員は、関さんと山本さんに、佐藤詩織さん(文学部4年)を加えた3人だけ。3人でポスターやチラシの準備、両校との打ち合わせ、日程調整、式次第の準備などを分担した。

 「一から企画を作り上げたという経験は、社会人になる上でも、自信になると思います」と関さんは胸を張った。

そろいの法被の応援団OB

この日のためにつくった法被を着て応援する応援団OB

 中大の応援スタンドには猛暑にもかかわらず、多くのOBが駆け付けた。「澤村投手と斎藤投手の投げ合いが見たいと思って来た」と話すのは、山田太一さん(昭和37年法学部卒)と芦村俊徳さん(昭和45年経済学部卒)。東都と六大学でリーグが違う両校の対戦を楽しみにやってきたという。

 そろいの法被姿が目立ったのは、応援団OB。元応援団副団長の高橋駿介さん(昭和41年法学部卒)は、「OB達もみんな歳をとってきているから、もう一度青春をしよう、ということになったんです」と言って、125周年記念に合わせてつくったという揃いの法被を紹介してくれた。

 応援団OBらは、現役の応援団やブラスコアー、チアリーディングの学生達と一緒になって、猛暑を吹き飛ばさんばかりに声を張り上げるなど応援を盛り上げていた。

早大・斎藤投手は登板せず

澤村投手(右)と早大の斎藤投手(左)

 試合は0対4で中大が敗れ、お目当ての早大の斎藤投手は登板しなかった。それでも観客は最後まで交流戦を楽しんでいた。

 閉会式では、中大の高橋監督、鮫島主将、早大の應武監督、斎藤主将があいさつし、秋のリーグ戦への抱負などを語った。最後に本学の久野修慈理事長が「素晴らしい試合をありがとう。中大と早大の新たな交流の道が開き、嬉しく思う。今後もこの交流を保ち、さらなる発展へつなげて欲しい」とあいさつした。

 試合後のインタビューで、多くの報道陣に囲まれた澤村投手は「中大の代表として125周年記念の交流戦に先発できて光栄です」と語った。高橋監督は「澤村ほど自己管理がしっかりできる選手は他にいない。走りこみの量も半端じゃない。彼は何か持っているものがある」と語り、澤村投手の今後の伸び代に、大きな期待を寄せた。

ゴミ片づけをする応援団

猛暑のなか熱心な中大ファンが応援に駆けつけた

 試合後、神宮球場を後にする記者が目にしたのは、球場のゴミを片づける中大応援団員の姿だった。猛暑の中、真っ黒の学ラン(学生服)を着て、スタンドで声を張り上げるのは、並大抵のことではないはずだが、最後まで手を抜かない姿に頭が下がる思いがした。

 副団長の清澤要さん(法学部4年)は、「8月21日から、この日のために、毎日第一体育館前の広場で練習を重ねてきた」という。「暑くないのか?」と記者が尋ねると、「暑いですよ。でももう慣れました。練習中はこまめに水分補給をして、熱中症に気をつけています。どんなに汗をかいても、そのまま電車に乗って帰りますよ」と清澤さんは笑った。

(学生記者 石川可南子=法学部3年)