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トップ>Hakumonちゅうおう【2009年冬季号】>【TOPICS】仲良し4人姉妹の“タスキリレー”そろって中大附属高→中大コースへ

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仲良し4人姉妹の“タスキリレー”

そろって中大附属高→中大コースへ

 4人姉妹がそろって中央大学附属高校(中附)から中大へ―と聞いて、取材を申し込み、待ち合わせ場所の新宿区内のホテルに向かった。待っていてくださったのは、母親に付き添われた次女、徳田佳菜子さん(経済学部4年)と三女、喜久子さん(商学部2年)、それに四女の百々子さん(中大附属高1年)の4人。
 「はじめまして」と挨拶すると、「宜しくお願いします」と気恥ずかしそうに、でも笑顔がかえってきた。花が咲いたように華やかな雰囲気のなか、都市銀行に勤める長女の徳田奈津子さん(2008年経済学部卒)が遅れて加わり、4人姉妹がそろうと、周囲は一層華やいだ。
 早速、話をうかがった。4人姉妹がそろって中附→中大コースというのは、恐らく初めてに違いないので、最も興味のある、どうして“タスキ”がつながれたのか、を中心に聞いた。

学校紹介ビデオで志望決めた長女

徳田4人姉妹

徳田4人姉妹

 “第一走者”の奈津子さんが、中附を選んだのは意外な出会いだった。「高校見学に行くまでは、男子校が初めて男女共学にかわるということや、入学試験の倍率が高いこともあって、あまり興味はなかった」という。

 奈津子さんが高校入試したのは、中附が男子校から男女共学に切り替わった年で、奈津子さんは中附の女子一期生になる。

 ところが、実際に中附を訪れてみると印象が全く変わった。学校紹介のビデオを見て、「自分さがし」をテーマにした映像から、「生徒がのびのびと高校生活を楽しんでいる」様子が強く残ったという。「それからは、もう中附しか見えなくなりました」というほど強いインパクトだった。

 受験勉強が立ち後れていたこともあって、志望校が決まってからは猛勉強したという奈津子さんは、希望通り中附に見事合格。実際の中附は、「自由で明るくて、イメージ通りの高校でした」という。

楽しそうな姉見て、私もと次女

 楽しそうに高校生活をおくる奈津子さんをみていたのが、年齢が2つ違いの次女、佳菜子さんだった。

 「母と姉が学校の話をしているのがなんとなく耳に入ってきて、楽しそうだなと感じました。本当に楽しそうなので、私も行こうかなと思うようになったんです」という佳菜子さんは、受験期には中附への進学を本気で考えるようになっていた。

 決意を固めたのは、中学で頑張っていたソフトボールだった。佳菜子さんは、「中附のソフトボール部を見学して、輝いている先輩方と同じチームに入りたいと思った」という。奈津子さんには中附を受験することは黙っていたという佳菜子さんだが、来春からは姉と同じように金融機関で働く。

バレーボールに魅力感じた三女

 三女の喜久子さんは中学でバレーボールをやっており中附を志望したのは、佳菜子さんの部活動を見学して、「昨日の自分を超える」というチーム目標を掲げて一生懸命に練習に専念する姿に憧れたからだった。

 「二人の姉たちをみていると、中附生活が楽しくて仕方がないイメージだった」と喜久子さん。入学した中附は、「個性的な先生が多く、深く授業をするので、つまらないと感じたことはまったくなかった」というほどで、勉強の楽しさを知った。

 「中附の先生は、専門分野に関していい意味で“オタク”」と姉妹全員が口を揃える。

 さて“第二”、そして“第三走者”までつながれた“タスキ”は、次第に重みをましていった。中附では、徳田姉妹はすでに先生たちに広く知られた名前になっていたからだ。

プレッシャー大きかった四女

 四女の百々子さんは、小学生の頃に、姉たちの通う中附の「白門祭」を見た時から、「中附に入りたいと思った」という。しかし、四女ということもあり、百々子さんは、「姉たちに続けるかどうか、プレッシャーも大きかった」と正直に語る。

 中附受験に失敗したら、一人だけ抜け落ちてしまう。そうはいかないと、百々子さんは必死で受験勉強した。それを支えたのが次女、佳菜子さんと三女、喜久子さんだった。姉二人が家庭教師になって、手取り足取り教えた甲斐もあって、百々子さんは中附に見事合格した。

 合格発表を見に行った父親は、合格を確認した瞬間、思わず涙したという。その日は、家族全員で「おめでとう会」を開き、末っ子の百々子さんの中附合格を祝った。

 奈津子さん、佳菜子さん、喜久子さんの3人は、大学進学の際も、「中大以外の大学へ進学することは少しも考えなかった。高校では、縛られずに好きなことができました」と口をそろえる。その横で百々子さんが、「まだ早いけど、私も中大に行きます」と笑った。

「子供が行きたいから」と母親

左から長女・徳田奈津子さん、次女・佳菜子さん、三女・喜久子さん、四女・百々子さん

左から長女・徳田奈津子さん、次女・佳菜子さん、三女・喜久子さん、四女・百々子さん

 母親が、「子供たちが行きたい、という学校に入れただけです」という通り、中附→中大コースは4人それぞれが自ら望んだ進路だった。姉妹だから感性が似ていて、魅力に感じる部分も似ているのかも知れない。でも、それにしても、と思う。笑顔が絶えない4人姉妹をみていて、徳田ファミリーの仲の良さと温かさが、“タスキリレー”の源になっているように思えた。

学生記者 新部真子(文学部4年)