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トップ>Hakumonちゅうおう【2009年冬季号】>【創立125周年に向けて】中央大学創立125周年記念・商学部創設100周年記念シンポジウム 「商学部教育のこれからを考える」

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創立125周年に向けて 中央大学創立125周年記念・商学部創設100周年記念シンポジウム

「商学部教育のこれからを考える」

 中央大学創立125周年・商学部創設100周年記念シンポジウム「商学部教育のこれからを考える」(主催:商学部、共催:学員会C-Com.21支部)が10月17日、中央大学駿河台記念館で開かれた。シンポジウムには、商学部卒業生はじめ現役の商学部生が数多く参加、パネリストと参加者との活発な意見交換を通じ、これまでの商学部教育を振り返るとともに、今後の進むべき方向について展望した。

 はじめに基調講演に立った石川鉄郎商学部長は、学部教育の目標として、国際的に通用する質の高い教育を行うことを挙げた。そのために教育方針として「何を身につけたか」を重要視する考えを強調し、入試方針はじめ教育内容や大学の社会的説明責任(アカウンタビリティ)を明確化して「21世紀型市民」の育成を目指すことを挙げた。

 また商学部の特徴として専門分野に応じた4つの学科(経営、会計、商業・貿易、金融)の設置学科ごとに2つのコース(フレックス・コース、フレックスPlus1・コース)の開設を挙げるとともに、学科間の垣根が低く、科目履修の自由度が大きい点を紹介した。

 新たな改革の方向性については、学術院方式の導入大学院教育との(タテの)連携を図り、学部教育の充実を目指す各専門分野相互間の(ヨコの)連携教育の充実を目指す―ことなどを掲げた。

 石川商学部長の基調講演に続いて、酒井正三郎商学部教授の司会でシンポジウムに移った。山田治彦さん(1979年卒、公認会計士、あずさ監査法人代表社員、日本公認会計士協会常務理事)、佐藤暢晃さん(1980年卒、凸版印刷(株)金融・証券事業部長)、伊原康裕さん(1986年卒、富士火災海上保険(株)企業部部長)、笠井和人さん(1990年卒、青森県県土整備部河川砂防課主幹)、マヘーマーさん(2002年卒、日本ミャンマー・カルチャーセンター所長)、永山尭之さん(商学部3年)の計6人が討論者となり、「商学部教育について」それぞれの立場から考えを発表した。

商学部教育のこれからを語るパネリストたち

商学部教育のこれからを語るパネリストたち

 山田さんは、日本公認会計士協会で会計プロフェッショナルの教育研修を行っている立場から、「学部での教養教育」の重要性を指摘し、「時間をかけて土台を体系的にやって欲しい」と強調。また「学問は動機付けが必要」との考えを示した。

 佐藤さんは、「自分で考え、自分で行動できる人」が有用な人材であるとしたうえで、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力、コーディネートする能力を養って欲しいと強調。同時に「学ぶ力を刺激する教育を実践して欲しい」と提言した。

 続いて、伊原さんは刊行物(商学部ガイド)にある「会社が倒産しないためにどうしたらいいか、を考えるのが商学部」との学部長メッセージを引用した。また最近、中途退職する社員が多いことが問題になっていることについて触れ、学生に対し「できるだけ早めに行きたい業種を絞って欲しい」と求めた。さらにインターンシップで実社会に触れて、職業について考える時間を持つことが重要だと指摘し、「貪欲さを持って欲しい」と強調した。

 笠井さんは、「対応力、適応力のある人材が求められている」と述べ、県庁の仕事については「民間と接する機会が多く、商学部で修めた学問が役立つ場面もあることから、オールラウンドに学び、興味のあることは深く追求してもらいたい」とアドバイスした。

 また、ミャンマーからの留学生だったマヘーマーさんは、「留学生は余裕がないなかで勉強している。図書館の利用の仕方、履修届の出し方などわからないことが多かった」と振り返った。そのうえで、留学生に対しては「自分から日本人の学生にどうしたらいいかを聞く方がいい」と指摘、日本人の学生に対しては「留学生にできるだけ多く関わって欲しい」と要望。また大学には留学生に対するチューターなどのサポーター制度を設けてほしいと要望した。

 在学生代表として討論に参加した永山さんは、卒業生、教職員、学生の三者が一体となって商学部を盛り上げる機会をつくりたい、と希望した。

 このあと、「商学部教育のこれから」について来場者との質疑応答、意見交換が活発に行われた。

 シンポジウムのあと、会場を移して情報交換会が開かれ、参加した教員、卒業生、現役学生らがパネリストを囲み、和やかに懇談した。

学生記者 梶原麗奈(法学部3年)