トップ>Hakumonちゅうおう【2009年秋季特別号】>【ニュースPlus】多摩市長らが「21世紀の公務員像」を語る 理工学部で第1回都市環境フォーラム開く
第1回都市環境フォーラム
理工学部の新しい「協働(コラボレーション)」づくりを目指す第1回都市環境フォーラムが7月4日、「21世紀の公務員像~中央大学都市環境学科への期待」と題して、後楽園キャンパスで開かれた。
都市環境フォーラムは、09年4月、土木工学科の名称が都市環境学科に改称されたのを機に、学生と卒業生とのネットワーク強化を図ろうと創設されたもので、この日は多摩市の渡辺幸子市長(1972年法学部卒)の基調講演と、公務員として第一線で活躍している卒業生らによるパネルディスカッションが行われ、公務員を志す学生ら約40人が熱心に聞き入った。
渡辺市長は基調講演で、はじめに公務員になった理由について(1)男女平等であること(2)福祉の仕事がしたかったこと―を挙げて、急速に発展する多摩市をとくに選んだと説明。市民課をスタートに、希望していた福祉では障害者や保育園、ボランティア業務に関わり、さらに文化活動に携わってきたことなどを振り返りながら、「市民と共に歩んだ職員時代だった」と述べ、体験を踏まえて「市民目線での政策形成が必要」と強調した。
また、渡辺市長は会場からの質問に答え、「市民パワーをいかに生かすかで自治体の将来が決まってくると思う」などと述べた。
このあと休憩をはさんで、渡辺市長と加藤和博氏(1973年卒)、小山豊氏(1977年卒)、磯田博和氏(1986年卒)、前川亮太氏(1998年卒)が出席して、パネルディスカッションが行われた。
このなかで、加藤氏(千葉県庁勤務)は、公務員のやりがいについて「仕事中に市民の方から労りの声をかけてもらえること」と県民との触れ合いを挙げた。小山氏(相模原市役所勤務)は、「広い視野をもって環境の変化に対応できることが求められる」と指摘。磯田氏(川崎市役所勤務)は、公務員像について「我慢、不満をもつ人をいかに少なくするかだ」との考えを披瀝。また前川氏は(国土交通省勤務)は、「自分が計画・立案したプロジェクトが結果として町や道路になっていく」と公務員の仕事の魅力を語った。
最後に公務員を目指す学生への応援メッセージとして、前川氏は「積極的に人の輪の中に入っていくことが大事」、磯田氏は「現場を大事に」とそれぞれ指摘。小山氏は「心の根底に『土木』を留めていて欲しい」と学科の名称が変わっても『土木』への愛惜を強調。
また加藤氏は「百聞は一見にしかず。コンサルト会社などでアルバイトしたらよい」と提案。渡辺市長は「(仕事に)誇りを持って欲しい」とメッセージを送った。
都市環境学科は、安全・利便・快適そして品格のある都市の生活環境を市民とともに創造し、豊かな環境・文化を次世代につないでいく責任を果たせる技術者を育成することを目標としている。
学生記者 池谷祐宜(商学部3年)