カナダ観光局
『赤毛のアン』の舞台、プリンス・エドワード島(Prince Edward Island=PEI)は、人を引き寄せる不思議な力を持った島です。一度訪れた人はなぜかまた戻りたくなってしまいます。そうしてPEIに移り住んだ人たちが、いい島にしたいと思いながら暮らすことで、島はますます魅力的になっていきます。もっといい島に、もっと幸せな島に、とみんなが願って暮らしているから、PEIは旅人を惹きつけてやまないのでしょう。
『赤毛のアン』の主人公アン・シャーリーはPEIの隣、ノヴァ・スコシアからやって来ました。初めて見る島の赤い土にびっくりし、美しい島の風景を見て、PEIは世界で一番きれいなところだとアンは語るのです。
そこで生まれた人には当たり前でも、外から来た人にはより素晴らしさが分かるということがあります。もしかすると、初めてPEIの美しさを"発見"し、世に知らしめたのはアンなのかもしれません。
アンに魅せられた日本のファンがPEIを訪れ、アイランダーと呼ばれる島民に島の美しさ、島の暮らしの魅力を語りました。その言葉に心動かされ、故郷の良さを再認識したアイランダーは、古いものを大切にする自分たちの暮らしぶりに自信を深めたり、『赤毛のアン』の作者モンゴメリゆかりの建物を整備したりしてPEIを上質な観光地に育てあげてきました。
『赤毛のアン』には、村のリンゴやチーズが品評会で賞をとったとアンが誇らしげに語る場面があります。PEIではカナダ国内でいち早くオーガニックへの転換が推奨され、安心安全な食材がたくさんつくられるようになりました。オーガニック農場を訪れてオーナーと交流したり、島特産のロブスターの漁を体験できるツアーも用意されています。
農家自慢の野菜やシーフードは、島の外から腕を振るいたいという一流シェフを呼び寄せてくれました。マッチョなボディにタトゥーがトレードマーク、食材を求めてPEIにたどり着いたという人気シェフのゴードンは、何年も島を離れていましたが、また戻ってきておいしい料理をつくってくれるそうです。
島では、家の前いっぱいに広げられた洗濯物がはためいているのを目にするでしょう。5月の終わりには無数のタンポポが丘を埋め尽くします。のんびり草を
PEIでぜひ見てほしいのは、幸せに暮らす人たちの「アイランド・ライフ」です。そんな気持ちで訪れてくれたら、きっと赤い髪の少女が幸せな旅のお手伝いをしてくれることでしょう。
(文・ジャーナリスト平間俊行)
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