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ナイアガラの滝
~景観を守り、自然との共生を実現した大瀑布~

上空から見たナイアガラの滝 ©Niagara Parks
上空から見たナイアガラの滝 ©Niagara Parks

 カナダでも屈指の人気を誇るナイアガラの滝は、周囲にカジノや高層ホテルが立ち並ぶ一大観光地ですが、同時に景観を守り、自然と共生しながら観光を成立させてきたサステナブルな観光地でもあります。
 巨大な水しぶきを上げる大瀑布の水は、本来流れるはずの半分にすぎません。あまりに水量が多いため、イグアスの滝、ビクトリアの滝と並ぶ世界三大瀑布の1つであるナイアガラは、放っておけば滝の縁が水に削られて毎年3センチも後退してしまうのです。カナダ、アメリカ両国は景観を守り、長くこの国境の滝を楽しんでもらうため、協力して滝の水量を調節することにしました。

かつての水力発電所内で繰り広げられるプロジェクションマッピング ©Niagara Parks
かつての水力発電所内で繰り広げられるプロジェクションマッピング ©Niagara Parks

 ナイアガラの豊富な水は水力発電にも利用され、周辺に暮らす両国の人たちの暮らしと経済を支えてきました。そんな発電所の1つが2021年7月、新型コロナウイルス感染症後のカナダ旅行再開を待っていたかのように新アトラクション「ナイアガラパークス水力発電所」として生まれ変わりました。
 2006年まで稼働していたかつての発電所に足を踏み入れれば、3Dプロジェクションマッピングが太古の滝の誕生秘話から発電所としての100年を超える歩み、そして地域のランドマークとして再生するまでの物語を伝えてくれます。

ナイアガラ地域に広がるぶどう畑 ©Destination Ontario
ナイアガラ地域に広がるぶどう畑 ©Destination Ontario

 およそ18,000年前、北米大陸は厚さ3,000メートルもの氷に覆われていました。「氷のカナディアン・ロッキー」が大地にドンと居座っていたようなものです。巨大な氷河は少しずつ移動しながら大地をえぐり、やがて急激な気温上昇で一気に溶け、その激流は大地を削りながら五大湖やナイアガラの滝を生み出しました。
 その五大湖の1つ、オンタリオ湖の南側に続く高さ200メートルの崖「ナイアガラ・エスカープメント」も大瀑布と同様、地球の活動がつくり上げた奇跡と言えるでしょう。湖の上の比較的暖かい空気が崖にぶつかり周囲の空気をかき混ぜることで、湖畔一帯に冬は温暖で夏は涼しいというワインづくりに格好の気候をもたらしてくれるのです。

   
世界的にも高い評価を受けるナイアガラ地域のワイン ©Destination Ontario
世界的にも高い評価を受けるナイアガラ地域のワイン ©Destination Ontario

 人々は奇跡の地形を生かし、ナイアガラエリアで世界的に高い評価を受けるワインをつくり、そのワインは上質な「食」を引き寄せました。カワカマスをはじめ、この地ならではの食材と極上のワインをあわせるのは至福のひとときです。「Feast On®(フィーストオン)」というプログラムの認定を受けたレストランは、ナイアガラの滝があるオンタリオ州内でとれた食材や飲料を提供する店であることを示してくれています。
 自然を生かし、自然と共生しながら人気の観光地であり続ける。それがナイアガラの本当の魅力なのです。  
(文・ジャーナリスト平間俊行)

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