2018年1月31日
基調講演2
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また特定実験試験局制度という特区の制度もあります。無線デバイスは、いかに省電力で安定した通信が出来るかが大切ですが、非常に厳しい電波法の規制があり、OKをとるのに時間がかかってしまうことがスタートアップにとっては非常に大きな課題でしたが、この支援制度で解決しました。
この会場のすぐ近くにあるスタートアップ支援施設「FUKUOKA Growth Next」にはマッチングできるイベントスペースや雇用労働相談センター、DIYのスタジオ、夜にはバーでお酒の力を借りて隣の人と、自分たちはどんなことができるのか、どんな課題があるのかなど色々な話をすることで、ここで化学反応が生まれます。目標投資額5億円でしたが、1年早く20億円に達し、約130社が起業しています。
福岡市は東京、大阪ではないのでロット数での競争には向きません。先進性や、街としての「ちょうどいい感」、大きいんだけれども目が届くギリギリの規模であることから、行政、大学、民間の垣根が大変低いのが特徴です。行政が加わることで、生まれたばかりのチャレンジングな企業でも一定の信頼感を持ってもらえます。
九州大学伊都キャンパスは、人も車もバスもバイクも通っていて公道に極めて近いという環境です。そこで自動運転バスの実証実験を行っています。ドローンで荷物を島に届ける実験も行っています。「LoRaWANTM」という規格の無線通信網を、今年度中には市内全域に張り巡らせます。徘徊高齢者の見守りなどに活用できますし、実証実験をしたい企業には無料で提供し、エリアのコーディネートも行います。
九州大学箱崎キャンパス跡地は50ヘクタールあって、地権者が国と一部福岡市など、非常に少ないので調整が楽なので、エネルギー、セキュリティ、モビリティ、シェアリングなど新しいイノベーションを重ね合わせた「イノベーションプラットフォーム」をつくり、新たなチャレンジをしたいと考えています。「FUKUOKA SMART EAST」というプロジェクトです。
「福岡100」というプロジェクトがあります。直近90年間で平均寿命は40歳近く伸びています。人生100年時代に、持続可能で個人も健康で幸せな社会をどうつくるかに取り組んでいます。
入院から在宅への流れが高まっていく中で、オンライン診療が必要です。高齢者が増え、生産年齢人口が減っていくため支えられる人と支える人のバランスが変わってきます。これを絶望ととるか、貪欲にビジネスチャンスと見るのか、発想一つで変わってきます。支える人が足りなければロボットで支える。オンラインで状況や患部を診て「早く来て下さい」とか「このまま薬を飲んで、来院しなくて良いです」とか。医療リソースの最適化が出来ます。
このような取り組みについて、今、福岡市で実証実験を行っています。かかりつけ医の機能を強化することでもあり、医療を無駄に使わない、お医者さんにとっても患者さんにとっても最適な医療を受けることにつながります。トイレでおしっこをするだけで様々なデータを採れ、毎日健康診断をするとか、排せつ予知のデバイスなどの実証実験もサポートしています。また、行政や病院、介護施設などが持っているデータをひとつのデータベースにしました。いろんなサービスがすぐに検索、申し込みが出来たり、過去に受けた介護の記録を閲覧したりできます。データを解析することによってエリアごとの特徴をつかみ、健康づくりに活用することもしています。変革期のなかで、具体的にどのような市民サービスの利便性につなげていくかのチャレンジを基礎自治体として考えたいと思います。
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