Society5.0で変わるあなたの暮らしと仕事 2017年12月2日(日)アクロス福岡

2018年1月31日

基調講演2

福岡市とSociety5.0

チャレンジの場福岡に期待

髙島 宗一郎氏(福岡市長)

 安宅さんからグローバルな大きな流れ、歴史観、座標軸を示していただきました。ではこれをグローバルからローカルにどう行動していくのか、このシンポジウムがなぜ福岡市で開催されたかも含めて考えていきたいと思います。
 安宅さんのお話に、イノベーションを起こしたのはみんな若者だ、とありました。福岡市は15歳から29歳までの若者の割合が日本で一番多い町です。学生数の割合も2位、理系学生が多いという特徴があります。さらにビジネスコストについてですが、ビジネスは一発では成功しません。100回、1万回失敗するなかでひとつすごい成功が起きる。ビジネスコストが高い所では失敗できません。福岡市はオフィス賃料が大変安く、何度でもチャレンジができる都市です。これらを背景に21大都市中の開業率が3年連続1位で特に若者のスタートアップは群を抜く多さです。
 この強みを後押しするために安倍政権でできた国家戦略特区のうち2014年にグローバル創業・雇用創出特区に選ばれました。これまでの既成概念、規制を超えた新しい、これまでの法律が想定していなかった新しいテクノロジー、ビジネスモデルや価値観を社会に実装していく際に、特区制度を使いながらチャレンジが出来る場所が福岡市です。

 例えばスタートアップ法人減税、革新的なチャレンジを特に後押しするためにこうした武器をいただきました。スタートアップビザ制度もあります。これまでいろんな技術を持っていても日本のマーケットでチャレンジしようとするとハードルが高くて入りにくかった。色んな条件があったのですが、この制度によって福岡市がビジネスモデルの審査をすることで、半年間のビザがとれるようになり、世界中の革新的な技術を持った企業や個人が福岡で活躍できる環境を整えています。
 福岡市のど真ん中にあって90年の歴史のある旧大名小学校を、イノベーションの施設に変えました。市内各地に散らばっていたインキュベート施設やスタートアップカフェを集め、アイデアのブラッシュアップ、いろんな人たちをつなぐ話、資金の話、海外展開の話、士業の方への相談などすべてが無料で出来る施設です。
 法人減税では、法人実効税率約30%を国家戦略特区で24%台にし、さらに市独自で2%軽減措置して22%台ですから、周辺のアジア諸国に比べても十分な競争力のある税率になりました。

 例えば、エストニアからスタートアップビザを使って、福岡市で創業した技術者がいて、サウレテクノロジー株式会社という会社ですが、可視光線に取り組んでいます。Wifiの100倍の速度が出ると言われていますが、今は1m~5mぐらいでしか通信できなかったのを、この会社では約1キロ飛ばせるという技術を開発しています。例えばスマート工場、少量多品種生産に対応するためにいちいちラインを変えて配線をつなぎ直すのは労働生産性が悪いですよね。これを無線でできるようになる。農業や防災などでの基礎インフラ整備にも応用できます。
 福岡市は、エストニア、ヘルシンキ、ボルドー、台湾、ニュージーランド、サンフランシスコ、シンガポールとスタートアップに関するMOU(覚書)を締結しており、国境を超えてグローバルにスケールアップができる環境を整備しています。市税の減税措置でも、株式会社スカイディスクという会社を指定しており、同社はセンサーなどデバイスから通信、AI解析までを提供しています。農業分野で、どのタイミングで収穫すると一番糖度が高くなるか、どのタイミングで肥料をやれば良いのかなどの分析や、機械のメンテナンスでは故障の予測なども行っています。

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