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読売SDGsフォーラム@CAMPUS ―未来への探究―

読売新聞大阪本社版朝刊

PR SDGs

自然環境を守りながら豊かな暮らしを将来につないでいくために、何ができるのか――。
気候変動が危機的状況にある中、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)について考える「読売SDGsフォーラム@CAMPUS-未来への探求―」が、関西学院大学神戸三田キ ャンパス(兵庫県三田市)で行われました。フォーラムでは地球温暖化やエネルギー問題を自分ごととしてとらえ、課題解決の糸口を探る議論が展開されました。

 

オープニングトーク

はなおでんがん YouTuber

はなお氏
1992年生まれ、滋賀県出身。大阪大学基礎工学部卒業後、就職を決めていたが、YouTuberとして活動することを決意。その後「理系」YouTuberとして学問を楽しく面白くなる動画を中心に活動している。

でんがん氏
1993年生まれ、兵庫県出身。大阪大学基礎工学部卒業後、大阪大学大学院基礎工学研究科を修了。その後一度理系企業へ就職するが、退職しはなおと一緒にYouTubeの道へ。現在に至る。

客席との掛け合いで場を盛り上げる はなお氏(左)とでんがん氏

 僕たちは大学時代は同じ学部学科(大阪大学基礎工学部電子物理科学科)、課外活動も同じウインドサーフィン部でした。現在は教育系YouTuberとして、勉強についての気づきのきっかけを提供したり、SDGsの目標達成に必要な再生可能エネルギーに関する発信をしたりしています。

 日本は消費電力が大きく、僕たちは電気に依存して暮らしています。一方で、日本人の環境意識は先進7か国の中では最下位です。他の国ではおおむね半数以上の人が 環境に関心があるのに対して、日本は25%にとどまるという データがあります。僕たちはこの事実を 認識するところからスタートしなければなりません。

 「日本人あるある」ですが、私たちは社会が変わらないと自分も変わることができないと思いがちです。SDGsそのもののスケールが大きすぎて、自分ごととしてとらえることが 難しいというのが現状です。しかし、ここで気づかなくてはならないのが、「今を生きる僕たちの行動は結局のところ、未来に蓄積される」ということです。解決を先送りにしていると、将来、生まれ来る子どもたちにツケが回っていくのです。いつかはやらなければならない宿題をこの場で一緒に考えようというのが今回のフォーラムのコンセプトです。

 僕たちが、そして現代社会が課題に向き合い、行動を起こすことで、次の世代につなげていくことができると期待しています。

 

トークセッション「エネルギーから考えるカーボンニュートラル​」

◆登壇者
はなお 氏 YouTuber
でんがん 氏 YouTuber
竹内 純子 氏 国際環境経済研究所理事/U3イノベーションズ合同会社共同代表
◆司会
八木 早希 氏 フリーアナウンサー

はなお 氏
1992年生まれ、滋賀県出身。大阪大学基礎工学部卒業後、就職を決めていたが、YouTuberとして活動することを決意。その後「理系」YouTuberとして学問を楽しく面白くなる動画を中心に活動している。

でんがん 氏
1993年生まれ、兵庫県出身。大阪大学基礎工学部卒業後、大阪大学大学院基礎工学研究科を修了。その後一度理系企業へ就職するが、退職しはなおと一緒にYouTubeの道へ。現在に至る。

竹内 純子氏
東京大学大学院工学系研究科にて博士(工学)取得。慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、東京電力株式会社で主に環境部門に従事した後、研究者として独立。複数のシンクタンク、東北大学特任教授(客員)、多数の政府委員等を務める。気候変動に関する国連交渉(COP)にも長く参加し、環境・エネルギー政策の研究・提言を続けている。2018年10月伊藤剛氏とともに、U3イノベーションズ合同会社を創業。スタートアップと協業し、新たな社会システムとしての「Utility3.0」を実現することを目指し、政策提言とビジネス両面から取り組む。

意識改革

八木
SDGsの目標7にある「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」ために私たちができることについて考えます。
竹内
「日本人は環境意識が低い」と言われることもありますが、実は環境の取り組みと思わず、単にモッタイナイという意識でやっていることも多いと思います。ペットボトルの分別などは世界で最も優れていると言われており、過剰に自己否定する必要はありません。SDGsは全体のバランスで考える必要があります。日本ではCO2(二酸化炭素)削減に注目が集まりがちですが、開発途上国では家畜の糞ふ んや木の枝を燃料源にしている人が8億人程度います。煙やススが寿命を短くしています。再生可能エネルギーかどうかは重要ではなく、安定的な電気が届くことが重要なのです。カーボンニュートラル(脱炭素社会)を実現するには、SDGsが掲げる貧困・飢餓の撲滅や教育の機会均等といった課題も含めて考える必要があります。
八木
「すべての人を取り残さない」という「人権」を前提にした広い視野が求められていますね。
はなお
遠い国で起こっていることを自分ごとにするのは難しい一面もあります。
竹内
CO2削減には「電化」と「電源の脱炭素化」がカギです。例えば自動車の燃費が上がればCO2を減らせますが、技術的に限界がありますし、CO2をゼロにはできません。皆さんがガソリン車から電気自動車に乗り換え、そこにCO2を出さずに作った電気を供給することで、運輸部門のカーボンニュートラルを目指すのです。
再生可能エネルギーの主力として、世界的にこれから伸びていくのは太陽光と風力発電と言われています。しかしながら、太陽光は日中、風力も風が吹いている時に限られます。大量に蓄電しておくことは不可能ですし、コストもかかります。やはり人間が発電量をコントロールできる発電所がなければエネルギーの安定供給はできません。私たちは省エネに取り組みつつ、再生可能エネルギーや原子力を活用し、火力発電の低炭素化も進めなければなりません。CO2を出さずに安定的に大量に電力供給できる原子力も視野に入れておきたいですね。
竹内氏

エネルギーミックス

八木
それぞれの発電能力にはメリット、デメリットがあるので、バランスを取りながら合わせ技でやっていくというのが日本の方針となっていますね。
はなお
いわゆる「エネルギーミックス」ですね。ひとつの発電方法に依存するとリスクが大きいため、多様な発電方法を組み合わせていこうということだと理解しています。
でんがん
そのひとつに原子力もありますね。CO2を排出せずに電力を安定供給でき、経済性も高いという利点があります。発電方法それぞれに得意、不得意がありますが、不得意を互いに補い合ってあらゆるリスクに対応していくのが理想だと思います。
八木
太陽光発電はクリーンではあるが安定供給できない。そのバックアップとして原子力や火力発電が必要ですが、火力は燃料を海外に依存しており、ウクライナ情勢などの影響で価格が上昇しています。世界情勢に左右されず、自国でまかなえる電力を持っておく必要があります。
竹内
社会経済が発展するとエネルギーの使用量は増えます。CO2排出量を2030年に今の半分、50年にゼロというのは、特にこれから経済発展していく開発途上国にとっては無理な話でしょう。日本はどうかというと、11年の東日本大震災をきっかけに、ライフスタイルが変わり、省エネがかなり定着しました。電力消費量が減り、CO2排出量も14年をピークに減り続けています。再生可能エネルギーも急速に増加しており、特に太陽光発電の導入量は中国、米国に次いで世界3位です。ただ、再生可能エネルギーを増やそうと急ぐあまり、自然環境を壊してしまったり、補助金が増大して標準世帯で年間1万円を超える負担になったりしています。エネルギーは経済性と安定供給、環境のバランスがとれていることが重要です。原子力発電の安全については、私も日本全国の施設を見てまわりましたが、相当の対策を講じています。安全をないがしろにすることはあり得ませんが、安全性が確保された原子力発電所は今後活用していくことが必要だと考えています。
八木
私たちはエネルギー問題を広い視野で見ていく責任がありますね。
図を描いてエネルギーミックスのイメージを伝えるはなおでんがん
 

トークセッション「SDGsコンシャス~身近なところから始めよう~」

◆登壇者
山口 昌浩 氏 株式会社スノーピーク 執行役員 事業創造本部長
藪内 文彦 氏 JT関西法人営業部 部長
◆司会
八木 早希 氏 フリーアナウンサー

山口 昌浩 氏
株式会社スノーピーク 執行役員 事業創造本部長。

藪内 文彦 氏
兵庫県出身。JTにてフィットネス事業の企画・運営、グローバル財務・ファイナンス業務(M&A、CMS等)を経て、2018年に関西リレーション推進部部長として多方面にリレーションを構築、2022年4月より現職。メディア、デベロッパーおよび鉄道をはじめとするインフラ系企業とのリレーション構築・深化、うめきた2期開発外庭パートナー企業の一員として再開発案件などを担当。「Rethink-視点を変えて考える-」をキーワードとしたJTのRethink PROJECTを軸に、地域社会の課題解決に向けた取り組みへの挑戦を続けている。

企業の取り組み

山口
キャンプ用品の製造販売を事業の中心とする当社は、自然やキャンプ体験を通して「人間性の回復」を実現するべく、様々な取り組みを行っています。関西学院大学とは包括連携協定を交わし、キャンプの手法を教育に取り入れた独創的な取り組みである「キャンピングキャンパス」や「マイボトル開発」などを展開し、① 新しい学びの場の提供 ②SDGs推進となる社会貢献 ③共同研究の推進などに取り組んでいます。我々の製品は永久保証です。自然のフィールドで使える機能を果たすことをコンセプトに、壊れにくい、長く使える、修理可能なモノづくりを使命としており、まさにSDGsの理念と合致しています。マイボトルは1年生の8割近くが所持しており、ペットボトルの削減に寄与できていると思います。
藪内
当社の事業は、たばこ・医薬・加工食品の三つです。たばこ事業における地域社会への貢献活動は、格差是正・災害分野・環境保全が重点領域です。地域社会とのパートナーシップを基盤に、「Rethink」(視点を変えて考える)がキーワードの地域貢献活動「Rethink PROJECT」の一環として、様々な取り組みを行
っています。環境保全の分野では、内視鏡カメラとスマートフォンを連携させた「Rethink トング」を使い、データを蓄積しながらごみ拾いを楽しくする清掃活動や、間伐材で作ったレンズなしのルーペで、普段とは違う視点でものを「視る」ことで、新たな気づきを得てもらうといった活動などをしています。他にも、SDGsに貢献している団体の事業への助成にも注力しています。
山口氏(左)と藪内氏

KSCでの研究

八木
この自然豊かなキャンパスから生まれた二つの研究を紹介していただきます。理工学研究科の柴田和樹さんと樋野雄大さんです。
柴田
新しいエネルギーのアイデアのひとつとして、「海洋インバースダム」があります。海の上に設置したプラットフォーム(基地)であらゆる再生可能エネルギーを駆使して発電し、無線で送電するものです。ここでカギとなるのが窒化ガリウムという新しい半導体を使って送電するシステムです。私たちが普段使っているシリコンより優れた物理的特性がある半導体で、遠い距離まで無線送電が可能な高周波デバイスの開発が最終目標です。
樋野
CO2排出の課題解決に向け、注目されているのが人工光合成による次世代のエネルギー変換システムです。クリーンで高効率なエネルギーを 作るために、私は紅色光合成細菌に着目しました。光合成には細菌が関与しているメカニズムを利用して、酸素を発生させずにエネルギーに変換させることが狙いです。
研究内容を発表する理工学研究科先進エネル ギーナノ工学専攻の柴田和樹さん(右)と同研究科環境・応用化学専攻の樋野雄大さん(中央)

未来へ向けて

山口
SDGsには様々な取り組みがありますが、自然の中での気づき、体験を生かしながらこの先の未来を伝えていきたいです。
藪内
これからも地域の方々や、Z世代とのオープンイノベーションを深めていきます。
八木
自然に囲まれた美しいキャンパス。教室以外でのひらめきを得られる環境が大きな未来を作っていくことに期待しています。

主催:読売新聞社
協賛:関西電力、関西学院大学、JT
後援:関西経済連合会、関西経済同友会、2025年日本国際博覧会協会、関西SDGsプラットフォーム