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社員の成長こそが会社の原動力 大阪の100年企業に迫る

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 人材こそが最大の財産という指針を掲げ、社員一人ひとりの成長や働きがいを最優先にする老舗企業がある。ベアリングリテーナーで世界トップレベルのシェアを誇る「中西金属工業」(大阪市北区)だ。100年企業でありながら、ベンチャーにも負けない大胆な試みで組織の変革に挑み続ける。その実務を担う人事総務部の高橋恵子グループ長、小野智也さん、古家絵里さんの3人に会社の魅力について語り合ってもらった。

人事総務部 人事グループ長 高橋恵子さん(中央)、人事グループ 小野智也さん(左)、同 古家絵里さん(右)

生みの親はかんざし職人 ベアリングリテーナーでトップ企業に

 同社は2024年6月、前身の「中西製作所」創業から100年の節目を迎える。かんざし職人だった創業者が金属加工の強みを武器に、自動車など機械の動作に欠かせないベアリングリテーナーの製造に乗り出し、現在では新幹線や飛行機、洋上風力発電にも採用されるなど業績を拡大。ほかにもコンベア、窓サッシの戸車(ローラー)、電動式フォークリフトなど、これまでに培った生産技術を他分野にも応用し、モノづくりを追求し続ける優良企業として注目を集めている。

なりたい自分を目指せる仕組みづくりとは

 次々と新しい事業にチャレンジする基盤となっているのが、徹底して個の力を引き出そうとする風土づくりだ。社員一人ひとりが「なりたい自分」に向かって動ける仕組みを常に更新し続けている。

高橋 出る杭は打たれると言いますが、我が社では出る杭は大歓迎。新入りだろうがベテランだろうが、手を挙げた人に仕事を任せます。自発的なアイデアやチャレンジを重要視する姿勢は昔から一貫しています。そのためには、自身を成長させるためのインプットが欠かせません。業務への関連の有無にかかわらず、厚生労働省の教育訓練給付制度の対象を目安にして数百種類の資格や講座の受講費用などをサポートしているほか、副業についても新たなスキルや知識、人脈獲得の機会になるとして積極的に奨励しています。

古家 会社が応援してくれるので、どんどんチャレンジしてみようと前向きになれるんですよね。昨年まで新規事業を開発する部署にいましたが、農場経営に関する事業に携わった時は、興味が高じて農業生産工程管理の指導員資格を取得しました。バリバリの文系ですが、車いすの製造を学んだり、微生物の研究をしたりもしました。モノづくりという軸からぶれなければ背中を押してくれるので、未知の領域に踏み出そうという意欲が涌き、人生が豊かになっています。

小野 2023年度から始まった社内公募制度も社員本人の意思がキャリア形成に明確に反映され、モチベーションアップにつながっていると思います。各部署が欲しい人材を獲得するため、公募のプレゼン資料を練り上げるなどアピールするようになり、魅力的な職場づくりに向けた循環が生まれていくのではないかと期待しています。

高橋 目指すところは、イノベーションのスピードを上げていくため、上下関係なくリーダーになれるフラットな組織です。手始めとして、輸送機事業部で希望する年収を社員が自己申告する取り組みを始めました。給料を自分で決めるとなると、能動的に動く社員が増え、組織の活性化につながります。いまは部長クラスだけですが、段階的に全体に広げていければと考えています。

個々の生活環境に応じて自由な働き方を設計

 子育てや介護などライフイベントに応じて自由な働き方を設計できるような体制も整えている。コアタイムなしのフルフレックスタイム制度やリモートワークを早い段階から導入してきたほか、ワーケーションを活用する社員もいる。3人ともキャリア採用で他の会社での勤務経験があるだけに、その充実ぶりを実感しているという。

小野 入社して驚いたのは、18時には社内が閑散とし、残業している社員がほとんどいないところでしたね。定型業務のシステム化が徹底されているので、社員が創造的な業務に集中できているからだと思います。共働きで4歳の娘がいますが、フレックスタイム制なので娘を幼稚園に送ってから出勤し、日によっては14時半に退勤して迎えに行くなど、当たり前のように子育てに関われます。

古家 私が入社した時は、子どもが1歳と3歳の時でしたから、コアタイムなしのフレックスタイム制はすごく助かりました。いまは小学2年と4年になり、8時に出社し、16時半に退勤しています。コロナ禍でもリモートワークがすでに導入されていたので、フレキシブルに対応できました。日によって労働時間を効率的に配分できるので、個々の事情に応じた働き方を選択できます。

高橋 人事部員でも週2~3回はリモートワークをしていますね。シンガポール出身の社員は、帰省も兼ねてワーケーションをしていました。出社しないとできないことはフォローし合い、どこで働いても成果が出るように助け合っています。

退職後も見据えて人生そのものを豊かに

 約1万5千平方メートルの本社敷地内の中央に位置し、木のぬくもりを感じられる社員交流スペース「クロスパーク」では、いつでも淹れたてのコーヒーが飲め、保護猫が戯れるスペースやサンゴと熱帯魚の水槽、随所に配された植栽が目に優しく、多くの社員の憩いの場になっている。天満本社内にはフィットネスジムもあり、家族を含めて利用できるほか、専属トレーナーの個別指導も受けることができる。

古家 コーヒー片手に、自由気ままな猫の姿を眺めるのが、出社してからのモーニングルーティンなんですよね。今日も1日頑張るぞという気になります。

小野 僕は断然、サンゴですね。出社した日は、よく水槽の前に椅子を置いて、コーヒーを飲みながらサンゴの成長を観察しています。このちょっとした時間が、慌ただしい朝を爽快な気分にしてくれます。

高橋 ジムには鍼灸(しんきゅう)師やボディケア専門の方が来られ、ケアを受けることもできます。私はオイルマッサージを受けるのが何よりの癒しになっています。リフレッシュして仕事に打ち込めます。

小野 「定年までに趣味はつくらなあかんで」。社長がよく言う言葉ですが、趣味に目覚めるきっかけになるようにと、書道や着付けなどの教室も定期的に開催しています。人生100年時代に向けて、新NISA(少額投資非課税制度)の積立金を給与から天引きし、5%を補填する支援制度などもありますが、趣味も資産も一朝一夕に築けるものではなく、退職後も含めて社員の人生そのものが豊かに、幸せになってほしいという思いが根底にあります。そこまで上層部が考えている会社も珍しいかなと思いますね。

高橋 長い歴史がある製造業なので、堅いイメージで見られがちですが、上下の溝や外部への壁がなく、非常に柔軟で風通しのいい会社です。これからも多くの社員に、ここで働いてよかったと思ってもらえるような制度、環境づくりを頑張っていきたいですね。