女性が活躍できる 環境づくりを推進

多様な人材が企業などで能力を発揮し、社会・経済の持続的発展を目指す「ダイバーシティ＆インクルージョン」。長谷工コーポレーションでは、女性活躍推進のため、働きやすい環境の整備や女性の積極登用を進めている。4月から東海営業部門名古屋支店支店長を務める間瀬さゆりさんに取り組みなどを聞いた。（聞き手・経済部 梶多恵子）

――現在の仕事は？

　当社は分譲マンションの設計施工が中心の会社です。現在94人が所属する支店全体の運営はもちろん、営業部隊の統括も任されています。名古屋市内では今、リニア中央新幹線開業に向け、再開発が進んでおり、マンション販売は順調です。当社が名古屋駅南側で進めてきたビッグプロジェクトの超高層マンション「NAGOYA the TOWER」（42階建て）は今年度から販売しています。

――なぜ建設業界に？

　これまでは主に土地の仕入れや開発など不動産部門で働いてきました。技術系ではないのですが、街づくりなどに興味があり入社しました。海外展開や不動産開発など様々な事業を手がける元気な会社で、入社した頃は多くの女性がバリバリ働いていた記憶があります。

――女性社員を取り巻く環境は変化した？

　50歳代の私の世代は、結婚や出産といったタイミングでほとんどの女性社員が辞めていくという時代でした。私は独身で子どももいません。そうでなければ続けられなかったというのが実情です。ただ、現在は、部長以上の女性管理職は18人います。30～40歳代は共働きが当たり前。20歳代の若い世代では、男女関係なく仕事をしていて、「ジェンダー・バイアス（性差に基づく固定観念）」も少ないと感じます。

――女性活躍推進の取り組みを。

　長谷工グループで活躍する女性社員たちを「ハセジョ」と呼んで、グループを挙げて応援しています。建設現場においては、協力業者にも女性の職人が増えており、現場の事務所に女性専用のトイレや更衣室を整備しました。また、女性活躍推進室を設置し、女性社員たちの情報交換会や勉強会を開いて、長く働ける環境を整えています。

　当社は、愛知県が女性活躍の推進に積極的に取り組む企業を認証する「あいち女性輝きカンパニー」に選ばれており、今年度、取引先企業などへのPR活動をする「あいち女性の活躍プロモーションリーダー」に任命されました。

　働く環境で言えば、結婚・育児だけではなく、介護や健康の問題もあります。女性に限らず、当社では年齢の近い先輩が仕事や人間関係などの相談に気軽に応じられるよう、新入社員ら若い社員に所属部署を限定せず先輩社員をつける「ブラザー・シスター制度」を数年前から導入しています。性別問わず、職場で理解し合いながら、一人ひとりのパフォーマンスを最大限に上げられるような環境を目指しています。

――これからの事業展開を。

　全社的に取り組んでいるのは都心部の超高層物件、中心市街地の駅前再開発事業、そして老朽化マンションの建て替え事業です。ほかにもオフィスや物流センターといった非住宅にも積極的に取り組んでいきます。

　名古屋支店としても事業領域の拡大を目指していきます。私自身は、支店メンバーがそれぞれの目標を達成できるような環境を作っていくと同時に、常に進化し、新しいことにチャレンジしていきたいと思います。

株式会社 長谷工コーポレーション 関西
〒541-0046 大阪市中央区平野町一丁目5番7号
TEL：06-6203-5661（総合案内）
https://www.haseko.co.jp/

SDGsとは

　「Sustainable Development Goals（持続可能な開発目標）」の略称です。2015年9月の国連サミットで採択されたもので、2030年までに達成すべき17の国際目標を掲げています。

SDGs目標