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持続可能なまちづくり
持続可能なまちづくり

第3回 防災まちづくり 編

防災性向上による 安全・安心なまちづくり
防災性向上による 安全・安心なまちづくり

社会課題の解決に取り組むUR都市機構(以下、UR)は、国連の掲げるSDGs(持続可能な開発目標)に貢献しています。今回は、住宅が密集する市街地を抱える東京都豊島区・東池袋地区の防災公園「IKE・SUNPARK(イケ・サンパーク)」の事例を紹介します。

都心にありながら空が広々と開けた憩いの場「イケ・サンパーク」

防災公園としての多様な機能とは

手塚
東池袋地区は、緊急車両が入りにくい狭小な道路に木造住宅が密集する、木造住宅密集地域です。かつて造幣局が立地していた数十年前から、周辺の住民から地震や火事などの災害時に備えた公園整備を求める声があったと聞いています。造幣局が移転することとなり、URもお手伝いして、豊島区が造幣局跡地でのまちづくり計画の策定を始め、2020年7月に防災公園「イケ・サンパーク」が誕生しました。
木佐
地震などの災害は時を選ばずに発生するので、住民の不安は大きかったのではないでしょうか。防災公園とは、どのような機能を持っているのですか。
手塚
この公園は、約1.7ha(17,000m2)の面積の半分程度は芝生等のオープンスペースにしてあります。ひとたび災害が起こったら、周辺の皆さんがまずはこの公園に逃げてきていただくことを想定しています。
木佐
災害時には家族が離ればなれになってしまうことも考えられます。私たちの家族も「非常時にはここに集合しよう」という約束事があるのですが、身近な場所に防災公園があれば大きな安心要因になりますね。
池袋駅周辺MAP
手塚
また、災害発生直後から少し落ち着いた段階で、救援物資の搬送拠点へと役割を変えていく想定です。芝生はヘリコプターの着陸や大型トラックの出入りに耐えられるよう地盤を固めてあり、物資の集配拠点となります。
木佐
芝生がヘリポートに変わるのですね。ほかにはどんな仕組みがあるのですか。
手塚
公園内には木造密集市街地からの延焼を防止するため、東側に防火樹林帯を配置し、防災倉庫や災害時に利用するトイレを設置しています。また、飲料水や生活用水のための応急給水槽や、消火活動用に地下200メートルまで掘った深井戸も設置されています。
木佐
芝生の美しい公園ですので、日常的にも利用する人が多いでしょうね。今日も、思いきり駆け回る子どもたちや、ペットを連れてくつろぐ人たちの姿が見られます。ノートパソコンを広げてお仕事中の方もいるみたい。
手塚
災害時だけではなく、日頃から皆さんに親しまれる公園を目指してきたので、非常に嬉しいです。
木佐
「イケ・サンパーク」は地域ににぎわいを生み、さらに防災のための機能がしっかり組み込まれていて、住民の暮らしが豊かになりますね。SDGsにもつながる取り組みではないでしょうか。
手塚
結果として、SDGsとURの事業方針は親和性があると感じています。日本は災害大国とも言われています。特に木造家屋が密集した地域では、「住み続けられるまち」にしていくということは重要なテーマだと思います。土地資源を有効活用し、地域一体となった開発を行うことで、これからも安全・安心なまちづくりに貢献していきたいと考えています。
救援物資の搬送拠点となるヘリポート機能の防災訓練
公園を彩るイチョウ並木と真っ赤なバス「IKEBUS(イケバス)」

地域のつながりを紡ぐ交流の場へ

豊島区の担当者に
話を聞きました

豊島区都市整備部
小堤正己 さん
木佐
豊島区が公園を整備する上でURに期待していたことはありますか。
小堤
まちづくりの技術者集団として、その経験に期待しました。また、URの協力により、初期投資の負担を減らし、長期間にわたって費用負担を平準化でき、事業が進めやすくなりました。
木佐
「イケ・サンパーク」開園後の区民からの反響はいかがですか。
小堤
7月にオープンした時は、開園時間前から地域の方々が待っていてくださり、公園への期待の大きさを実感しました。今では週末は混み合うほどに、来園者でにぎわっています。
木佐
園内のイチョウ並木の間を色鮮やかなバスが通り抜け、楽しげな雰囲気を作り出しています。散歩に来たらつい立ち寄りたくなるような、おしゃれな軽食店もありますね。
小堤
起業して間もない事業者やスタートアップを中心に出店してもらっています。ここで成果を上げて、ぜひ、豊島区の消費者に親しまれる事業者として、根付いてほしいという願いがあります。12月からは毎週末に野菜や果物などの市場「ファーマーズ・マーケット」を始めるとともに、カフェも開業する予定です。
木佐
これだけの開放的な空間は、コロナ禍の中では大変貴重で、住民の人も待ち望んでいたのだと思います。広大な芝生に引き寄せられて、人が集まるのも納得です。
小堤
豊島区は現在、4か所の公園を核にまちづくりを展開しており、まちの魅力を面的に広げていこうとしています。「イケ・サンパーク」はその中で最大の面積があり、様々な活動の場として期待されています。2023年には隣接地に大学が完成する予定で、防災機能だけでなく、文化交流機能もあわせ持つにぎわい拠点として、更なる発展を目指し取り組んでいきたいと思います。
カラフルな遊具で子どもが元気に遊ぶ
軽食やドリンクなどを購入できる移動式キャビン

URの取り組むSDGs「まちを守る防災公園」

災害に対して脆弱(ぜいじゃく)な構造となっている市街地で、UR都市機構は地元自治体の要請に応じ、周辺のまちづくりと併せて防災公園を整備している。これまでURが支援した実績は全国で二十数件に上る。

なかでも住宅が密集する市街地の防災性向上については、避難や復旧活動拠点となる広大なオープンスペースを確保することが重要で、工場の移転などの機会をとらえ、まとまった土地を利用転換する場合が多い。防災公園は、貯水槽や防災倉庫などを設置し地域の防災性を高めると同時に、緑豊かでにぎわいのある「憩いの場」として設計することも、「住み続けられるまちづくり」において重要と考えている。

災害に備え飲み水や生活用水を蓄えた応急給水槽を完備
UR都市機構 UR都市機構は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。