大学・大学院の通信教育は、社会人の再学習や生涯学習の場として設けられた高等教育機関です。昭和25年に正規の大学教育課程として文部省(現・文部科学省)に認可され、現在では全国でおよそ28万人がそれぞれの目的をめざして学習を続けています。
大学の正規過程においては30歳代、大学院においては40歳代の生徒が約3割を占めており、職業も会社員や教員など実に様々。働きながら学びたい人、地理的に遠くて通学が難しい人などにとって、いつでもどこでも勉強できる通信教育は、非常に大きなメリットがあるといえるでしょう。
昨年の統計では、通信教育を実施しているのは大学が40校、大学院が23校、短期大学が9校(放送大学含む)。特に近年は社会人の学習意欲が高まっていることから、実施校の数は今後も増えていくと予想されています。
大学通信教育では、大学通信教育設置基準によって4つの学習方法が規定されています。その1つ目は、もっとも中心的な学習方法として多くの大学で実施されている「印刷教材等による授業」。これは、大学から送付または指定されたテキストを学習し、与えられた課題に沿って学習成果を報告して添削指導と評価を受ける学習方法です。
2つ目はラジオやテレビを利用する「放送授業」で、主として放送大学で実施されています。3つ目は印刷教材などだけでは不十分な科目・学習内容に対して行われる「面接授業」、そして4つ目がインターネットやテレビ会議式の遠隔授業「メディアを利用して行う授業」です。
履修方法には、学ぶ動機や入学資格などによって下記の4つの種類があります。大学によって名称が異なる場合や募集を行っていないことがあるので、事前に各大学に確認することをおすすめします。
通信教育大学では、様々な資格を取得することができます。その中でも比較的人気が高いのが、教員免許状に関する資格です。通信教育課程で取得できる教員免許状は「普通免許状」で、これは学歴または教職経験年数などに関する基礎資格を有し、所定の単位を修得して、各都道府県教育委員会へ申請することによって授与されます。
そのほか取得が可能なおもな資格としては、保育士、図書館司書、博物館学芸員、測量士補、児童指導員、情報処理士、訪問介護員、認定審理士などが挙げられます。
また通信教育大学では、社会福祉士、建築士(1級・2級)など各種国家試験の受験資格を取得することも可能です。司法試験や公認会計士試験においては、一般教養科目または特定科目を修得することによって、第2次試験受験資格を得ることができます。
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