カナダ三菱~バンクーバーで働くアツい日本人
最終日、最後にして最大のイベント。僕の中には緊張感よりも寂しさの方が大きかった。この5日間、すごく短く感じられたけど、思えばいろんなことがあった。
1泊目は、バンクーバーに行くはずが飛行機の故障で幕張になり、その分2日目から僕たちは超ハードスケジュールを強いられた。さらに、16時間の時差のせいで3時間しか寝られない日も。
金属部門の話
「眠い、辛い」。しかし、これで予定されていたすべての行程が終わってしまうと思うと、本当に寂しい。そんなことを考えているうちにバスが停まる。周りは、高層ビルだらけの都会の景色だった。
アサバスカの景色とのあまりの違いに、半分眠った頭がついていけない。それに、「どうしてアジア人がこんなに多いんだ?!」。アサバスカにはほとんどいなかったのに……(もっとも人自体あまりいなかったが)。
そんなバンクーバーの独特の雰囲気の中にあって、ひときわ目立つ高層ビルの28階にカナダ三菱商事はある。僕たちはそこの会議室で、カナダ三菱商事の各部門の説明を、各部門の担当者の方から受けた。
まずは、金属部門。世界中で資源開発に取り組み、最近はウランにも取り組んでいる。本物の鉄鉱石を見せていただいたほか、原料炭と一般炭の違い、鉄を取り出す方法などを詳しく教えていただいた。
次に、化学部門の方の話を聞いた。今回は、例として塩がどんな製品に変わっていき、どのように流通するかの説明を聞いた。まず、三菱商事が49%を保有するメキシコの塩田から塩を取り、それを水酸化ナトリウムと塩素に分解する。
社長室にて
水酸化ナトリウムはそのまま商品となり、アジアに輸出される。一方の塩素にはエチレンを使い、最後には我々の身近なところでも使われているポリ塩化ビニルとなる。
3つ目の部門は新規事業開発の部門で、主にハイテク関連の開発の話を聞いた。中でも、Alpac社に行ってから興味を持ったバイオ燃料の話には惹きつけられた。この部門に関して「儲けるということよりも開発することが大事」と言い切った小和瀬社長の格好良さはすごい!!
あらためて、三菱商事の事業の多彩さを知ることができた。「カップラーメンからロケットまで」という言葉を思い出した。
最後に、社長室の椅子に1人ずつ座らせてもらった。ここに座るまでに、どれだけの苦労があったのだろう。その苦労が計り知れず、まだまだ今の僕には椅子が柔らかすぎたようだった。商社の仕事の幅広さと奥深さを垣間見たことは、本当に良い勉強になった。
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