強化への戸惑い 主将の声かけで変化

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4年生 主将 増田駿

9月に行われた記録会では、チームの実力を測る一つのバロメーターとなる5000m走14分台を出す選手が続出。今年の目標である予選会20位以内は、「十分、狙える位置にいます」と4年の主将・増田駿(ますだ・たかし)(経営学部経営学科)は力強く語る。

とはいえ、最初からチームが「一枚岩」だったわけではない。チーム強化のために、以前より練習量が増えることは間違いない。新たに始まる寮生活への不安もぬぐえなかった。

主将の増田は、こう当時を振り返る。
 「僕自身、陸上が大好きなので、わくわくした気持ちでしたが、メンバーそれぞれに様々な思いがあって、場合によっては、チームが割れてしまうのではないかという懸念はありました。僕は主将として、とにかくコミュニケーションをとることで、戸惑っているメンバーに前向きになってもらえるよう、はたらきかけました。全体ミーティングで意見を募っても、なかなか言いづらいでしょうから、『じゃあ、きょうは一緒に走ろう』とか、『ご飯を食べに行こう』とか、個別に声かけして、みんなの考えを聞くことを続けました」

監督とのコミュニケーションもプラスに

主将の増田の「声かけ作戦」は徐々に功を奏し、最初戸惑いを見せていた選手も、次第に前向きになってくる。

「9月の記録会では、最初前向きでなかった選手も何人か自己記録を更新し、中にはゴールの瞬間、ガッツポーズをした選手もいました。それを見ると、『自分の取り組みもむだではなかったんだ』と思えて、とてもうれしかったですね」(増田)

現役ランナーの上野監督はまだ34歳、おそらく日本で一番速く走る駅伝監督だろう。身近なところに、「現役トップランナー」がいることが、選手に好影響を与えていることは間違いない。

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1年生 金城快

1年の金城快(きんじょう・かい)(コミュニティ福祉学部スポーツウエルネス学科)は、小学生の頃から箱根駅伝に憧れ、「立教箱根駅伝2024」のことを知り、立教大学への進学を決めた。

「上野監督の現役時代の走りからは、本能に任せて走っているというイメージが強かったのですが、実際に話を聞くと、とてもち密にいろいろなことを考えて走っていることが、よくわかりました。

監督の方からきさくに話かけてくれて、僕たち選手からも話かけやすい環境を作ってもらい、ありがたく感じています。また、練習のメニューの意図をかみ砕いて説明してくださるので、競技力アップのために、本当に勉強になっています」(金城)

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