薬と薬草のお話vol.25 薄荷葉(はっかよう)とミント
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vol.25 薄荷葉(はっかよう)とミント
薬用基原植物 Mentha arvensis Linné var. piperascens Malinvaud (Labiatae)
青空が見えてもどこか少し息苦しい湿気を含んでいる梅雨の晴れ間、いたんだ庭土を掘っていると、忘れていたミントの葉に腕が触れました。手入れしていなかったのにスーッと涼しい葉の香りを漂わせてきました。ミントにはたくさんの品種がありますが、大きくスペアミント系とペパーミント系に分けることもできるようです。
薬用にするハッカ(薄荷葉)はペパーミント系の方で、夏から秋に主成分のメントールが満量になる頃、葉が多く香りの強い地上部を採取、乾燥させ、低温の場所で保存したものを良品として使用します。
以前この薬用種は全国いたるところに野生していたそうですが、残念ながら現在は中国の河南省や江蘇省からの輸入品を原料としています。
薄荷葉が含まれる漢方は数多く、加味逍遥散(かみしょうようさん)、川芎茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)、等々ありますが、なかでも洗肝明目湯(せんかんめいもくとう)は漢方には珍しい目の薬です。この処方は19味もの生薬で構成されているのですが、薄荷葉が配剤される目的は、薄荷葉と連翹(れんぎょう)の組み合わせで、漢方で上焦=じょうしょう(横隔膜の最下端より上)と呼ばれる部位の熱性の炎症に効くよう使用しています。目の充血、目の痛み、目の乾燥、また夏の強い日差しでおこる角膜・結膜の急性炎症や、パソコンの長時間使用などからくるドライアイに効果が期待できます。
パソコンの画面の前に座り続けても妙案が浮かばない、まぶたのあたりも重くなる、重苦しい時間の連続だなあ。こんなときには薄荷葉の涼しい香りが助けてくれるかもしれません。
パソコンの画面の前に座り続けても妙案が浮かばない、まぶたのあたりも重くなる、重苦しい時間の連続だなあ。こんなときには薄荷葉の涼しい香りが助けてくれるかもしれません。
2018年6月28日
(笹川 悦子/笹川薬局社長/薬剤師)