2016年12月2日

体操インストラクター
佐藤弘道さんトークショー

NHKの「体操のお兄さん」を12年間務め、現在は体操インストラクターとして活躍している佐藤弘道さん。全種目を測定しての感想や、体を動かすことと健康にまつわるお話をしてくれました。

悔しい50mの7秒台、瞬発力高めたい

―スポーツテストをやってみての感想はいかがですか?

何の準備もしないで、どこまでできるかが今回のテーマでした。急歩はやり方がよくわからなくて苦戦しました。得意な長座体前屈は、もう一回チャレンジしたい。50m走の7秒台は残念です。もっと瞬発力を高めないといけないと反省しました。握力は現役の頃は62キロくらいあったんですよ。鉄棒とかやってましたから。

※佐藤さんの結果 総合評価A 20~24歳

早寝早起き朝ごはん、生活習慣は大切

―学生時代は体操をやっていたそうですね。

高校3年間は体操競技をやっていましたが、高1のときにつり輪で頭から落下して、首の骨を折りました。それもあって大学では体操は体操でも、競技ではない、マスゲームや組体操などをやる体操部に入り、4年間活動しました。その後、オーディションに合格して、NHKの体操のお兄さんになりました。

思うのは、運動とスポーツの区別です。日頃からするのが運動。人と競うのがスポーツです。スポーツのしすぎでケガをするかもしれませんし、運動しないと健康障害につながります。運動とスポーツの境目に気をつければ、ケガもなく健康障害もなく、いい生活がおくれるのではないでしょうか。

―日頃の生活で気にされていることはありますか。

食べ物には気をつけています。油っぽいものは食べないようにしていますし、夜中のつまみ食いもしません。生活習慣は大切です。早寝早起き朝ごはん。そこが崩れると、健康障害にあらわれます。

健康なうちに健康に気づく幸せ

―(会場の参加者からの質問)運動が苦手な子が増えている気がするのですが。

体を動かす環境が減っているということはいえるかもしれません。公園の遊具も昔から比べると変わってきています。子どもたちの運動神経をよくするには経験と体験しかないと思っています。その経験と体験をさせてあげられるのは私たち親や大人です。大人が、子どもが体を動かせる場所に、積極的に連れていってあげなければいけないのでしょう。

―最後に一言お願いします。

健康なうちに“健康”に気がつくことが一番大事です。たいてい、ケガをしたり病気をしたときに初めて健康っていいなって気づくんです。健康なみなさんが手を広げて、健康の輪を広げてもらえれば、日本もいっそう元気になるのではないでしょうか。体に気をつけて、自分たちの健康を他の人にわけてあげられるような人材であってもらいたいですね。

ロンドン五輪出場 元・体操選手
田中理恵さんトークショー

体操選手としてロンドンオリンピックに出場し、現在は日本体育大学で後進の指導にあたる田中理恵さんがステージに登場。大学の先輩・佐藤弘道さんも加わり、息のあったお話を披露してくれました。

長座体前屈の記録、68.5センチ!

―ひさしぶりのスポーツテスト、いかがでしたか?

田中 腹筋ひさしぶりにやりましたね。

佐藤 僕たちは今教える立場で、自分ではあまりやらないですからね。

田中 見ていて、みなさん元気だなと思いました。

佐藤 こういうイベントに来るくらいだから、健康意識が高い人たちなのかもしれませんね。

舞台で長座体前屈を披露
記録は68.5センチ!

佐藤 携帯電話のガラケーよりくっついてたよ!

田中 私、あの格好でよく寝てしまうんです(笑)。

物心ついた頃には家にトランポリン

―引退されて3年くらい経ちますけれども、現役時代のトレーニングは?

田中 体操選手はトレーニングというと、自分の体しか使わないんです。腹筋をずっとやったり、ロープを手だけでのぼったり。練習時間は、平日は学校が終わった夕方から夜9時くらいまで、土日は朝10時から夜7時まで、ほとんど体育館にいるような感じでした。

佐藤 体操選手って体重が1キロ違うと、踏み切る力が1トンくらい変わってくる。着地の衝撃も全然違ってきます。

田中 食事には気を使っていて、母が作る料理は、酢豚が酢鶏だったり、自分のトンカツだけ衣がなかったり。ウチは両親ともにオリンピック選手で、物心ついた頃には、家に小さいトランポリンや鉄棒がありました。あと、家では体操の話をしないというルールを作ってくれていて、おかげで一日のなかでのオンオフをうまく作れました。

子供の指導で心がけているのは“話を聞く”

―現在は大学で後進の指導をされています。

田中 そこは日々勉強中です。幼稚園生を教えることが多いのですけど、子供たちの話を聞いてあげるようにしています。でも、どういう教え方がいいのか、弘道お兄さんに聞きたいですね。

佐藤 教える立場ですけど、子供と一緒にいるときは教わる立場でもあるんです。子供たちの振り幅にあわせて、自分も柔軟に対応するよう心がけています。

―最後に一言お願いします。

田中 こういうスポーツテストは健康にいいことだと思います。運動は今日だけではなく、毎日コツコツと続けてほしいですね。自分の体を知ることも大事です。楽しみながら体調管理を大事にしてもらいたいですね。

イベントMC:ザ・ギース 尾関高文さん

尾関さんにもスポーツテストに挑戦してもらいました!

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