2015年1月16日
今年も17日から大学入試センター試験が始まり、受験が本格化する。受験生にとって試練の季節到来だ。予備校「河合塾」(本部・名古屋市千種区)は、「汝自らを求めよ」を塾訓に80年余にわたり、自らの手で未来を切り開いていく若者を受験を通じて支援してきた。千種校の奥村高志校舎長は「一人ひとりの生徒に無限の可能性がある。民間の立場だからこそ、その可能性を引き出す本音の教育を追求しながら、今後も社会の要請、期待に応えていきたい」と語る。
——文部科学省が「ゆとり教育」からの転換を目指して高校の学習指導要領を改正し、2012年4月から理科と数学、その他の教科は13年4月から実施された。今年のセンター試験はどのように変わるのか。
奥村 今年は理科と数学が新課程に対応した初めての試験になる。旧課程に比べると学習量や難易度が上がっており、受験生にとっては負担感が大きいと思うが、本塾ではそれに対応した授業を進めている。
——旧課程で卒業した既卒者、いわゆる浪人生が不利になるのでは。
奥村 経過措置として今年に限り、既卒者は旧課程、新課程のどちらでも受験できる。数学の問題は試験当日、その場で新旧いずれかを選択することができる。その反面として、問題と、それに対応する解答用紙のマーク欄を間違えないようにしてほしい。一方、今年の卒業見込み者(現役)は新課程のみの受験となる。新、旧課程の教科間で原則20点以上の平均点差が生じた場合、得点調整するが、実施するかどうかは23日に発表される予定だ。
——センター試験で受験が本格化する。アドバイスを。
奥村 大学のホームページなどで情報を入手し、今後の試験日程、試験科目を把握することが大切だ。本塾では塾生に受験予定カレンダーを配布して、自分で管理できるように指導している。ただ、連続して受験するのは3日までにした方がよい。それ以上だとベストコンディションで受験に臨むことが難しくなることもある。体調面では、流行しているインフルエンザや風邪をひかないよう、手洗い、うがいを忘れないこと。保護者はこの時期、受験生が安心して勉強に集中できる環境づくり、精神面の支えになってほしいと思っている。
——今年のセンター試験の志願者は55万9132人で、参加大学は過去最高の849になった。受験生はどのようにして志望校を決めればよいか。
奥村 国公立大学はセンター試験の受験が必須で、私立も利用している大学が多い。まずはセンター試験に全力で臨むことだ。その後、センター試験の結果で判断することになるが、私立大学では独自試験も実施している。塾生には最後まで強い意志で第1志望を目指し、乗り切ってほしいと願っている。
また、新課程をにらみ、昨年は浪人を選択する学生が少なく、今年の既卒者のセンター試験志願者は前年に比べて約1万3000人減った。志望を貫くことのできるチャンスの年だ。本塾では志望校別の直前講習を3月まで開講しており、塾生以外の受験生も最後まで支援する。
——最後に、河合塾はどのような存在でありたいと考えているのか。
奥村 塾という民間の教育機関であることにこだわり続けてきた。民間の立場だからこそ、自ら信じる教育サービスが追求できる。河合塾の使命「私たちは『自らを求め、学びつづける人』を支援し、一人ひとりの未来に貢献します。」にのっとり、無限の可能性がある生徒たち一人ひとりを支援していきたいと考えている。
河合塾(本部・名古屋市千種区)
1933年(昭和8年)11月、河合逸治氏が名古屋市昭和区の自宅で、大学進学を目指す生徒に英語を教える「河合英学塾」を開いたのが始まりだ。塾訓は自主性を高め、自己啓発に努めよと呼びかける「汝自らを求めよ」。河合塾グループ全体の生徒数は高卒生約2万5000人、高校生約6万人(2013年度)で、拠点は全国に高卒生対象校33、高校生対象校279(14年11月30日現在)を展開する。
ホームページ(http://www.kawai-juku.ac.jp/)。