多様な世代が生き生きと暮らす 住まい・まちを目指して

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都市部を中心に核家族化が進み、地域のつながりが希薄化する中、
子育ての不安や負担を一人で抱え込んでしまう人は少なくありません。
子育て世代の孤立化を防ぐには何が必要か――。
「住まい」を切り口に、理想の子育て環境について語り合いました。

初めての子育ては不安でいっぱい

小坂
ご夫婦ともにテレビで活躍するご多忙の渡辺さんは、仕事と子育てをどのようにやりくりされてきたのですか?
渡辺
現在、小学生の子どもが2人います。この春から長男が中学生になるため、また未知のステージに入るなあと感じています。私の場合、長男を出産してから早い時期に仕事復帰したので、家事や育児は、夫婦で「お互いにできる方がする」という形をとってきました。私の母をはじめお互いの両親や家族にも手を貸してもらいました。
小坂
子育てで特に大変だったことはありますか?
渡辺
誰もがそうですが、親になるのは初めてのことで、生活の劇的な変化に気持ちがついていけずにストレスを感じていました。子どもはかわいいと思いながらも、夜は眠れず、甘いものを食べすぎたり、インターネットショッピングで現実逃避をすることもありました。そんな時、話を聞いてくれて精神面でもサポートをしてくれていたのは夫でした。
ミルクのあげ方一つとっても、「これで合っているの?」と不安なことが山ほどあります。日中「大丈夫!」と言ってくれる人がいれば笑い飛ばせることも、一人だと思い詰めてしまいます。私も自信がない時期がありました。
小坂
「こまちカフェ」の様子
家族だけでなく、気軽に話を聞いてもらえる人や場所があるといいですよね。森さんは、地域と親子がつながるカフェ「こまちカフェ」を立ち上げて運営されています。
「こまちカフェ」の様子
「こまちカフェ」は、親を孤立させず、子育てを楽しく、豊かにすることを目指しています。自分自身の経験から、地域の人たちが気軽につどい、それぞれの思いを共有できるコミュニケーションの場を作りたいと考えました。現在、各地で地域コミュニティーが希薄になりつつありますが、若年世代の親が孤立して、育児を一人でがんばらなければとストレスを抱え込んでしまうことが懸念されます。
子どもたちも嬉しそうですが、教えている大人たちの表情も輝いていますね。団地の共用スペースは、子どもたちの居場所としても安心できます。「場所」があるからこそ、人が集まったり、やってみたいことを企画できたりします。場所を自力で作るのは簡単ではないので、こうやって気軽に使えるスペースを確保してもらえるとありがたいです。

豊かな緑と、あたたかな見守りのまなざし

小坂
URの団地では子育て世帯に配慮した居住空間づくりにも注力されているそうですね。
山口
はい。千葉幸町団地は、高度経済成長期の1969年に入居が始まった歴史ある住居ですが、小さいお子さんのいる世帯も住みやすい工夫を施しています。例えば、「子どもの安心・安全」「家事負担の軽減」「子どもの健康と成長」などをコンセプトにリノベーションした、「子育てしやすいお部屋」を作ったり、ベビーカーを持って階段を上り下りするのは大変なので、屋外の階段室部分にエレベーターを設置したり、1階にベビーカー置き場を設置したりしました。東京ドーム11個分の広さの敷地内は緑が豊かで、公園や遊び場も充実しています。
渡辺
日頃から住民同士であいさつを交わしたり、コミュニケーションを密にしていると、子どもたちを遊ばせる時も安心できますね。
小坂
働き方が多様化している中、住む場所も、都心に限らず郊外の環境の良い場所という選択が増えるかもしれませんね。

子どもを見守りながら料理ができる対面キッチン

新設されたエレベーター

室内で場所を取りがちなベビーカー置き場

千葉幸町団地内の緑道

多世代で子育て支えるまちづくり

これからは、家事や育児、仕事といった「やるべきこと」と、趣味や得意分野を生かした「やりたいこと」のバランスを取り、豊かな生き方ができると良いですよね。そのために、地域との連携やコミュニケーションはとても重要だと思います。
渡辺
私は団地のイメージががらりと変わりました。子どもからお年寄りまで、あらゆる世代が孤独にならない場所、すぐそばに頼れる人や場所があるという環境は、すごく素敵だなと思いました。このような取り組みが全国の団地に広がっていくと良いですね。
山口
URでは、多様な世代が生き生きと暮らし続けられる住まい・まち“ミクストコミュニティ”の実現を目指し、全国的に地域医療福祉拠点化の取り組みを進めています。団地に住んでいる人はもちろんのこと、その周りに住む地域の人々も集まってくる、地域の交流拠点になれたらと考えています。団地によって抱える課題は異なりますが、団地が地域に溶け込み、地域にとって欠かせない場所となるにはどうしたらいいか試行錯誤しながら、地元の行政や地域の方々と連携して、様々な取り組みを行ってまいります。
小坂
子どもから高齢者まで、様々な世代が生き生きと暮らせるまちづくりは、子育て世帯を応援することにつながっていきそうですね。今日はありがとうございました。
  • タレント渡辺 満里奈
    おニャン子クラブ解散後、タレントとして多数のメディアで活躍。夫はお笑い人気トリオ・ネプチューンの名倉潤さん。2007年に長男、2010年に長女を出産。
  • OTEKOMACHI編集長小坂 佳子
    1993年、読売新聞社入社。子育てをしながら食や保育、働き方などについて幅広く執筆してきた。2018年より女性向けウェブマガジン「OTEKOMACHI」編集長。
  • 認定特定非営利活動法人「こまちぷらす」理事長森 祐美子
    2006年に長女、2008年に長男を出産。2012年に民間企業を退社し、現職。子育てを応援するためのカフェの運営やまちとの接点を生み出す事業を展開している。
  • UR都市機構 千葉エリア経営部 団地マネージャー山口 和人
    1999年、UR都市機構に入社。2017年より団地マネージャーとして、千葉県内の複数の団地を担当。団地の入居促進とあわせウェルフェア業務を担当。
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