WEB併載企画 受けたい医療2023 ＞ 大手町さくらクリニックin豊洲

日常医療と共に高精度な予防医療に尽力する大手町さくらクリニックin豊洲。罹患率が高い乳がんの検診のため、検査機器各種を先進機種に刷新。女性の立場に立った検査とアドバイス、地域の専門医療機関との連携が評判だ。

乳がん検診はＸ線とエコーの併用を推奨

　2010年、東京のベイエリア江東区・豊洲に移転した大手町さくらクリニックin豊洲は、有楽町線・豊洲駅直結のビルにあり、診療科目は内科、婦人科、心療内科、糖尿病外来であり、人間ドックや企業健診、自治体健診、がん検診など予防医療にも力を入れている。
　中でも受診者の信頼を集めるのが乳がん検診である。国が推奨する乳房専用のＸ線撮影（マンモグラフィ）は、乳がんが原因で生じることのある微細な「石灰化」の発見には最適だ。早い段階で見つかれば、根治が望める。
　乳腺密度の高い高濃度乳房の場合は、全体が白っぽく写るため、時に石灰化を見落とすケースがある。特に50歳未満のアジア人は約８割が高濃度乳房という。乳腺濃度が高いと、石灰化も腫瘤も見つけにくい。この弱点を補い、小さな腫瘤を捉えてくれるのが超音波検査（乳腺エコー）だ。日本乳癌検診学会では、２つの検査を併用した総合判定を奨めている。マンモグラフィは石灰化を伴う乳癌の早期発見ができ、超音波は腫瘤を形成する乳癌を早期発見できる。そして、総合判定をすることにより不必要な精密検査（針生検など）を減らすこともできる。

乳腺エコーは２タイプから選択可能に

　西山寿子院長は「当院は技師が行うハンドヘルドエコーに加え、乳房用自動超音波画像診断装置（ABUS エイバス）の新しい機種を導入。この機種は日本でも導入が数少ない高精度の検査が可能です。集団検診でもマンモグラフィやそれまでの超音波の結果に基づき、その方に適したエコーをオプションとして選ぶことができます」と言う。
　ABUSは、乳房の真上・内側・外側の３方向から、やや大判の探触子を押し当て、乳房全体を自動撮影する機器。詳細な立体画像で乳房の全体像を把握できるため、マンモグラフィで特段の問題のなかった方にも推奨。同一条件で撮影した画像を毎回保存できるので、経年変化を観察する上でも役に立つ。
　一方ハンドヘルドエコーは、マンモグラフィで気になる所見があった場合や、以前にエコーで良性腫瘍が指摘されている場合などはその部位を中心に、技師が丁寧にスキャンしていく。必要に応じ、血流を診るカラードプラーやコントラストエコー、組織の硬さを色彩に置き換えて確認できるエラストグラフィーなど悪性度のチェックも行われる。
　ちなみに、検査が受けやすい価格にとどめているのも同院の特徴の一つ。
「当院では原則として、後日無料で検査の結果説明を行い、相談にも応じます。受診者さんの健康意識が高まれば、今後の検診を積極的に受けてもらえますし、体調に異常を感じた時は、早期治療につながるでしょう」
　子宮頚がんと子宮体がんの検診も増えている。こちらのオプション検査は経腟エコーだ。卵巣がん、卵巣嚢腫、チョコレート嚢胞、子宮筋腫、子宮腺筋症などをチェック。子宮体がんの細胞診の前に粘膜の不整な厚さがないかをエコーで確認し必要な場合に細胞診を行うという。
　いずれの検診でも要精密検査と判定された場合は、連携先のがん研究会有明病院や昭和大学江東豊洲病院などに紹介が可能で画像データもCDで添付される。状況によって迅速な対応もしてくれる。
「今後の課題は個別化医療の充実です。例えばどのがんに罹りやすいかを判定する血液検査やアミノインデックスを活用すれば、当該のがんを中心に検診プログラムを組むことができます。一方、健康寿命を延ばすためにオプション検査では軽度認知症、酸化ストレス、糖化度、睡眠検査、腸内フローラ検査、食物アレルギー検査、ロコモティブ症候群などのスクリーニングを用意しています。データを元に心身と向き合えば、自分に必要な生活改善や予防医療を、納得の上で選択することができます」
　一人ひとりが自分らしく、より健康に生き、いつまでも元気に働くことができる。その支援こそが西山院長の願いだ。

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