松山笠置記念心臓血管病院

子どもから大人まで幅広い世代の漏斗胸を治療
小切開によるナス法の手術は1100例を超える

(※2000年7月~2022年9月末まで)

胸郭が変形する疾患の1つである漏斗胸は、心臓や肺などの臓器が圧迫されることで不整脈や消化不良を引き起こす疾患だ。
45年以上、漏斗胸治療に携わってきた笠置康病院長に治療について聞いた。



病院長 笠置 康

病院長

笠置 康


かさぎ・やすし/東京女子医科大学大学院卒業。1991年松山笠置記念心臓血管病院長就任。2016年社会医療法人笠置記念胸部外科理事長就任。


切開創が小さく身体への負担の少ない手術

 愛媛県松山市にある松山笠置記念心臓血管病院は、1889年開院以来、133年もの長い間、地域に密着した医療を提供してきた。笠置康病院長は胸郭変形疾患の治療に45年以上取り組んでおり、なかでも注力しているのが「漏斗胸」の治療だ。
「漏斗胸は、前胸部が陥凹する病気です。心臓や肺が圧迫されることにより不整脈の発生、呼吸器疾患誘発、胃や肝臓が圧迫されることで消化不良を起こす場合もあります。患者さんの特徴としては、猫背になって姿勢が悪い事と痩せている事です。漏斗胸の一番の症状は、前胸部が凹んで目立つ。食が細く食べても太れず痩せている。運動すると息が上がりやすい、風邪をひきやすいなどの症状があります」
 この漏斗胸を治療する代表的な手術法がナス法と言われている。ナス法は米国のDr.Nussが考案した心圧迫改善を目的にした身体に負担の少ない手術だ。
「日本では、1999年にこの手術が保険適応になり、当院では2000年7月にナス法による手術を開始しました。手術は筋層下に漏斗胸矯正の体内固定用プレートを2本、必要に応じては3本挿入し、胸の陥凹を持ち上げます。他の術式に比べ切開創が小さく(2.3㎝~3.0㎝)、胸壁を挙上することができます。」
 同院ではナス法1期的手術を1112例(2000年7月~2022年9月)。2003年から開始した体内固定プレートを抜去する手術であるナス法2期的手術は863例(2003年1月~2022年9月)と多くの実績を残している。


上:漏斗胸18歳男性グレードⅡ術前 下:手術は肋骨にプレートを固定し前胸部陥凹を矯正

上:漏斗胸18歳男性グレードⅡ術前
下:手術は肋骨にプレートを固定し前胸部陥凹を矯正


子どもから大人まで 幅広い年齢に対応した手術

 漏斗胸は、生下時より判明することもあれば、成長過程で胸の陥凹を発見するケースもある。同院では老若男女、幅広い年齢の患者の治療を行っている。
「近年は患者さん自らが『漏斗胸』を検索し、当院のHPを見つけて治療法を調べて来院されます。北は北海道から南は沖縄まで全国各地の患者さんから問い合わせが数多く寄せられます。治療に訪れる患者さんの年齢もさまざまです。子どもの場合、胸郭の骨が柔らかく、大人に比べて処置しやすいのですが、骨が硬い大人の場合、術者の腕力が必要です。成人の漏斗胸治療の場合は前胸壁を持ち上げる時に小児より更に強い力が必要です。当院ではエンジンジャッキ(クレーン)を用いて患者さんにかかる負担と再発の問題を解決し、大人の漏斗胸手術にも対応できるようになりました。」
 心臓外科医として漏斗胸手術に携わる笠置病院長は45年を超えるキャリアを生かし、今もなお治療効果と安全性の高い治療を追求している。
 同院は二次救急医療機関としても地域になくてはならない救急医療を支える病院として地域への貢献も果たしている。




社会医療法人 笠置記念胸部外科
松山笠置記念心臓血管病院

愛媛県松山市末広町18-2
TEL:089-941-2288
https://www.kasagi-hosp.jp/
診療科目/胸部心臓血管外科
休診日/水曜・日曜(祝日は診療)

社会医療法人 笠置記念胸部外科
松山笠置記念心臓血管病院

愛媛県松山市末広町18-2
TEL:089-941-2288
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診療科目/胸部心臓血管外科
休診日/水曜・日曜(祝日は診療)



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