島根大学医学部附属病院

地域医療と先進医療が調和する大学病院

病院長 椎名 浩昭

病院長

椎名 浩昭


 当院は、これまで特定機能病院として高度急性期医療、がん診療の推進、再生医療の充実を図って参りました。特にがん診療においては、都道府県がん診療連携拠点病院として先端がん治療センターを設置し、手術、化学療法を含めた薬物療法、放射線治療の質を向上させ、緩和ケアにも丁寧に取り組んでいます。
 2018年に厚生労働省より「がんゲノム医療連携病院」に指定され、「がんゲノム医療センター」を設置してゲノム医療にも取り組んでいます。また、希少がん、小児がん対策、がん患者さんの就労支援を含む包括的ながん診療を推進しています。
 がん診療の中核をなす手術療法においては、2012年に泌尿器科でロボット支援手術を導入しました。2018年にはロボット支援手術推進センターを立ち上げ、泌尿器科に加え呼吸器外科、消化器外科、婦人科もロボット支援手術を導入しています。本センターの設置により、各診療科のノウハウを共有し、相互のチェック体制や協力体制が強化されました。
 2021年には、救急医療と集中治療に対して安全で安心な救急医療を提供するため、各部門を統括する役割を担う「救急・集中治療調整管理センター(Emergency and Critical Care Operations Center: ECCOC)」を新設し、当院で行う高度医療の支援体制を構築しております。
 これからも、より安全で確実な手術を目指し、地域の患者さんに安心してロボット支援手術を受けて頂けるよう、病院として取り組んで参ります。


「ロボット支援手術推進センター」を中心とした円滑な運用 (ダビンチ手術実績1000件 2012年11月~2022年10月)

ロボット支援手術推進センター長 和田 耕一郎 ロボット支援手術は、手術用ロボットを術者が操縦し、狭い空間でも細かい操作を的確かつより安全に行うことができる先進の技術です。島根大学医学部附属病院では、患者さんへの負担が少ない低侵襲手術として2012年にダビンチSを導入し、2017年にダビンチXiに更新しました。
 当院に設置しているロボット支援手術推進センターでは、呼吸器外科、消化器外科、婦人科、泌尿器科、麻酔科、看護部、ME(臨床工学技士)センターが協力してロボット支援手術の運用にあたり、主に悪性腫瘍(がん)に対する手術を積極的に実施しています。
 導入から現在まで着実に手術件数を重ね、2022年10月にダビンチXiの2台目を導入し、ロボット手術実施件数の累計は、1000件を超えました。
 新たに設置した「救急・集中治療調整管理センター」で組織的に救急管理部門を統括し、万全なチーム医療体制を敷いた上で、2台のダビンチXiの運用をシステマティックにコントロールしています。
 今後も、当院だからこそできる安全・安心な低侵襲手術を多くの患者さんに提供できるように取り組んでまいります。



呼吸器外科 山根 正修(肺・縦隔領域) 呼吸器外科のロボット支援手術は主に肺がんを対象として2021年9月に島根県で初めて導入いたしました。これまでに40名以上の患者さんに実施し、良好な成績を得ています。引き続き身体に優しい、先進の医療をご提供して参ります。



消化器外科 平原 典幸(食道・胃領域) 消化器外科では食道がん、胃がん、直腸がん手術をロボットを用いて実施しています。手術適応は切除可能な症例全例です。ロボットを用いることで術後合併症の発生率の低下、予後の改善が期待されます。



消化器外科 山本 徹(直腸領域) 消化器外科大腸領域では、直腸がんに対するロボット支援手術を行っています。直腸は骨盤という非常に狭い部分の手術です。また、繊細な手術操作が必要とされますので、ロボットの利点が生かされる手術です。現在までのところ約40件の手術を実施しており、良好な成績を得ています。今後は、結腸癌へもロボット手術を拡大するべく準備を進めています。



産科婦人科 京  哲(婦人科領域) 婦人科では、子宮筋腫などの良性疾患に対する子宮全摘と、子宮がん(子宮体がん)に対する根治手術を、ロボットを用いて実施しています。これまでに約80件の手術を実施致しました。従来の腹腔鏡手術に比べて明らかに出血量が少なく、術後の回復も早いため、今後さらに積極的に実施していく予定です。



泌尿器科 小川 貢平(腎・膀胱・前立腺領域) 泌尿器科では泌尿器科領域のがんに対して前立腺全摘除術、膀胱全摘除術、腎部分切除術をロボットで実施しています。これまでに約600件以上の手術を実施し、患者さんへの負担も軽く、手術成績も良好です。ロボットを使用した腎盂形成術や仙骨膣固定術も順次開始していく予定です。


常に安全な手術の提供を目標に業務を行っています常に安全な手術の提供を目標に業務を行っています

救急・集中治療調整管理センター(ECCOC:イーコック)の新設

救急・集中治療調整管理センター長 渡部広明 今日の救急医療は様々な救急病態に対応するとともに、各領域の専門性の高い医療提供が求められています。救急関連の各部門は高度に連携して初期対応にあたり、集中治療部やハイケアユニット管理部などの重症管理部門へシームレスにつなげることが重要になります。さらに院内の急変対応を担当するRapid Response System(RRS)との連携も欠かせません。
 当附属病院では、このように多様化する救急医療と集中治療に対して、安全で安心な救急医療を提供するため、各部門を統括する役割を担う「救急・集中治療調整管理センター」(Emergency and Critical Care Operations Center:ECCOC)を新設しました。

救急・集中治療調整管理センター 組織図

役割:①各部門間の円滑な業務調整②救急医療における安全で安心な医療の提供③総合専門部会の開催による業務の効率化




島根大学医学部附属病院

〒693-8501
島根県出雲市塩冶町89-1
TEL.0853-23-2111(代)
https://www.med.shimane-u.ac.jp/hospital/

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