中京グループ－先進眼科治療 : WEB併載企画受けたい医療2022 : 読売新聞オンライン

グループで高品質医療を偏在なく届け
患者の事情に対応し“最後の砦”を目指す

　ネットワークを通して高品質な医療を全国に届ける眼科の専門医集団・中京グループ（市川一夫グループ会長、日本白内障屈折矯正手術学会理事長）。その役割を主導する中京眼科（名古屋市）が医療提供を行い、高度医療をオーダーメイドで提供できる会員制の自由診療専門のフロアが新設された。

中京グループ　会長

市川　一夫

いちかわ・かずお／1978年愛知医科大学医学部医学科卒業。名古屋大学大学院医学研究科外科系眼科学修了。社会保険中京病院眼科医長、主任部長を経て94年に中京グループを設立。中京眼科視覚研究所所長、中京メディカル代表。日本白内障屈折矯正手術学会（JSCRS）理事長。

より高度な治療求め会員制フロアを開設

　中京グループはＪＣＨＯ中京病院の眼科を中核に、国内36ヵ所、海外４ヵ所の眼科施設と連携する眼科医療ネットワーク。約30名の眼科専門医と各施設の視能訓練士、看護師などが連携し、グループの医療施設からの依頼に応じて赴き手術を行うなど、グループの総合力を活かす体制を整えている。その中で外来診療の拠点となるのが中京眼科。ミッションは、①高度な眼科医療の提供　②研究機関として眼科医療の発展に寄与　③若手眼科医師の育成――などだ。
「高度な眼科医療の提供」とは、保険診療で平等な医療を提供しつつも、希望者にはさらに高度な医療を提供するというものだ。
「保険診療の平等性は尊いものです。しかし時間に余裕のない国内外のＶＩＰや政府要人、トップアスリートの方々が、必要なときに診察を受けられる場も求められています。そうした要望に応えるために、保険診療を超えた医療を提供できる体制も整える必要があります」と語る市川一夫中京グループ会長。
　グループはそのために、2021年、中京眼科の４階フロアにさらに高度な眼科医療を提供する会員制の自由診療専門フロア「THE EYE’S ATSUTAJINGU」を新設した。この会員制診療システムの運営は中京眼科とは別になるものの、医療クオリティの提供は同院が担う。厳格なプライバシー保守のために、エントランスやエレベーターは会員専用を用意。さらに自分専用のコンシェルジュの案内により、迎賓館並みのラグジュアリーな空間で寛ぎ、眼科検診から特殊外来診断、日帰り手術のサービス提供など、患者さんの症状や社会的背景などを勘案した、先進の眼科治療の提案ができるようになった。まさにオーダーメイド医療の実現に踏み出したと言える

無自覚な重大疾患も早期の眼検診で発見

「研究機関として眼科医療の発展に寄与」では、例えば中京グループは１年間に17000件を超える白内障手術を行っているが、その外来診療の拠点であり、研究機関としてデータを蓄えているのが中京眼科である。
「手術件数が多いと、まれに原因不明の不適応症例が出たりします。そうした症例解明のために、常に先進医療機器を導入し患者さんのデータを集めています」
　積極的な設備投資は、眼科医療の発展に繋がり、患者さんの利益にもなると考えている。
「若手眼科医師の育成」も、設備導入に積極的であるため、経験の浅い医師も先進機器を用いた施術機会が多く、医師としての貴重な経験を積むことができる。
「施設など医療資産は引き継げても“腕”を引き継ぐのは大変です。次の医者が育ってこそ医療の未来が作られます」と市川会長はグループの発展を願う。
　緑内障や加齢黄斑変性、糖尿病網膜症など自覚症状がないまま進行し、放置すれば失明にいたる眼の病気もある。
「これらの疾患を早期に発見するためにも定期的な眼の検査が必要です」と市川会長は語り、40歳を過ぎたら“眼のホームドクター”を持つことを奨めている。
　コロナ禍中にありながらも、眼科治療に対する要望に積極的に応える中京グループは、確実に眼疾患に悩む患者さんの“最後の砦”になりつつある。