乳がん検診・治療
乳がんの治療法は多様に進化
しているため克服が期待できる
定期的な検診を習慣に
乳がんは、罹患者数第1位※と女性が最もかかりやすいがんだが、早期に発見し適切な治療を行えば、他のがんに比べて生存できる可能性が高く完治が期待できる。近年は乳房再建も保険適用されたほか、化学療法、放射線治療、ホルモン治療など治療法も多くなっている。
※国立がん研究センターがん対策情報センター
定期検診と自己検診で早期発見・早期治療を
日本人の女性の乳がんの発症は40代後半から50代前半にかけてピークをむかえますが、年齢を問わず毎年1回の乳がん検診をお薦めいたします。特に遺伝性の乳がんは約10%ほどを占めており、血縁者に乳がんの罹患者がいる方は乳がんにかかりやすいため注意が必要です。
近年はマンモグラフィーとエコーの両方よる検診の有効性が注目されています。若い人は相対的に乳腺濃度が高いためにマンモグラフィーでは乳腺全体が白く写るためにがんが隠れてしまうことがあります。そのためエコーによる検査も併用した方が、がんの発見率が高いことが示されました。
日本における検診率は、欧米に比べてその低さが際立っています。欧米では乳がんの死亡率が下がっていますが、日本では反対に上がっています。これは日本の検診率の低さと関係しているのは言うまでもありません。乳がんは早期発見・早期治療で完治する病気になりつつあります。定期検診を受け、自己検診(セルフチェック)を習慣化する意識を持つことが大切です。
多様化する乳がん治療 同時再建で喪失感も軽減
乳がん手術は早期の場合、切除をできるだけ小さくする乳房部分切除術(温存)と乳房をすべて切除する乳房切除術(全摘)があります。2013年からは人工物を用いた乳房再建が保険適用になり、広範囲のがんで温存手術が適さない患者さんも乳房再建を前提にした全摘手術を選べるようになりました。また全摘手術と同時に人工乳房のシリコンを入れる乳房同時再建術も普及しつつあり希望する患者さんも増えています。
手術による治療と、分子標的薬などによる化学療法や放射線治療、またホルモン療法を組み合わせる治療など治療も日々進化し、より患者さんに負担の少ないものになってきました。治療法が幾通りかあるので、適切な治療を受けるためにも納得のいく説明をしてくれる信頼できる医師を選んで、主治医と相談し、最も適した治療を選択して欲しいと思います。
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