脳卒中の治療と予防で全国有数の実績
急性期から慢性期までチームによる高度医療を提供

脳卒中の死亡率を下げ、後遺症を最小限に抑えるために必要なのは、迅速で的確な急性期治療にほかならない。横浜新都市脳神経外科病院は、24時間365日対応する体制が整う脳卒中急性期治療の中核病院だ。脳卒中ケアユニット(SCU)18床を有し、多職種の専門チームが豊富な知識とスキルで治療にあたる。血管内治療と外科治療のメリットを生かしたハイブリッド治療、脳卒中の予防的治療など、実績は全国有数だ。


病院長 森本 将史

病院長

森本 将史


もりもと・まさふみ/1993年京都大学医学部卒業。2002年京都大学大学院医学研究科修了。同年Center for TransgeneTechnology and Gene Therapy(ベルギー)留学。国立循環器病センター脳神経外科、福井赤十字病院脳神経外科副部長、北原脳神経外科病院副院長を経て2010年横浜新都市脳神経外科病院脳神経外科部長。2011年より現職。脳血管障害を専門とする。医学博士。日本脳神経外科学会脳神経外科専門医。日本脳卒中学会評議員。


脳卒中の専門チームが365日救急対応

 脳卒中の治療は時間との闘いである。そして、質の高い治療を迅速に行うためには、チーム医療が欠かせない。
 横浜新都市脳神経外科病院は、森本将史院長をチームリーダーに、6人の日本脳神経外科学会認定脳神経外科認定医、7人の日本脳神経血管内治療学会認定脳血管内治療専門医、脳卒中の認定看護師(日本看護協会認定脳卒中リハビリテーション看護認定看護師)や放射線技師、薬剤師などの多職種が、脳卒中ケアユニット(SCU)の専属スタッフとして協働・連携し、24時間365日、万全の体制で治療にあたっている。
 森本院長は、「救急隊からの受け入れ要請は断りません。年間3882件(2019年1~12月)の救急搬送があり、その内632件が脳卒中です」と説明する。救急搬送後の迅速な対応は、数字にはっきりと現れている。
「例えば急性期脳梗塞の場合、一般的に、病院到着から治療開始までの時間が60分だとハイレベルといわれていますが、当院は40分です。処置や検査のタイムロスをなくすために、血栓回収に携わる部署の代表者が集まるアキュートストローク委員会で毎月全例をチェックし、チーム全体にフィードバックするなど努力を重ねてきました。ここまで迅速化できたのは、その成果です」
 検査機器も充実し、MRIは最新の3テスラ1台、1.5テスラ2台を備えている。精度の高い検査がいつでも実施可能なことも、タイムロスを削減できている要因だ。

フローダイバーターステント治療 脳卒中の専門チームが365日救急対応

“フローダイバーターステント治療
脳卒中の専門チームが365日救急対応

急性期の血栓回収は年間97例の実績を誇る

 同院には、脳卒中の急性期に集中治療を行う専用ユニットで、厚生労働省の基準を満たしたSCUが18床整備されている。年々増加する脳卒中患者のために、漸次増床させてきたという。
「SCUを18床有する施設は全国でも稀です。個々の患者さんに応じた治療と、超早期リハビリを集中的に行うSCUは、一般病床に比べ明らかに死亡率が低く、日常生活動作(ADL)の改善も良好であることが実証されています」
 治療においては、メスを用いて開頭する「直達手術」と、カテーテルによる「血管内治療」を、同一スタッフで行えることが最大の特長だ。
「熟練した専門医による開頭手術と血管内治療、双方のメリットを生かした『ハイブリッド治療』によって、病状に最も適した治療法の選択が可能になり、より安全性の高い治療を目指せます」
 脳梗塞の血管内治療として注目されている「急性期血行再建術」にも、積極的に取り組む。この治療法では、脳血管造影(アンギオ)装置で血管を映し出しながら、脚の付け根の動脈などからカテーテルを挿入し、脳動脈に詰まった血栓を回収する。従来、効果が見込めるのは発症から6時間以内とされていたが、2017年に発表された、状況次第で発症から24時間以内まで有効という論文を踏まえ、治療対象を拡大させた。
「その結果、より多くの患者さんの予後を改善できるようになりました。2019年の急性期血行再建術は97件で、全国でも有数の実績です」
 周辺に大規模病院が多くある中、これだけ実績を積めるのは、同院が脳卒中の救急医療に真摯に向き合っている証といえる。
「救急隊の要請に対して、スタッフたちは誠実かつ迅速に対応しています。そのことが、救急隊や地域の方々からの信頼につながっていると自負しています」

SCU(脳卒中ケアユニット)
SCU(脳卒中ケアユニット)
回復期リハビリテーション病棟
回復期リハビリテーション病棟

“SCU(脳卒中ケアユニット)
SCU(脳卒中ケアユニット)
回復期リハビリテーション病棟
回復期リハビリテーション病棟

脳卒中の予防的治療にも選択肢を揃え注力

 近年進歩が目覚ましい脳卒中の予防的治療も、同院が力を注ぐ取り組みの1つである。
 くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤は、直径が概ね5ミリ以上で徐々に大きくなるものが予防的治療の対象になる。同院は、カテーテルで動脈瘤内に極細のプラチナコイルを詰める「血管内コイル塞栓術」と、開頭手術で動脈瘤の根元を挟む「開頭クリッピング術」に加え、最新の「フローダイバーターステント治療」が行える施設だ。
「フローダイバーターステント治療は、直径10ミリ以上の脳動脈瘤が対象です。非常に細かい網目の金属メッシュのステントを、脳動脈瘤の入り口を覆うように血管内に留置する治療です。脳動脈内への血液流入を減らすことで、動脈瘤内の血液が固まり(血栓化)、脳動脈瘤そのものが縮小していきます」
 高度なカテーテル治療技術を要するフローダイバーターステント治療は、全国80施設でのみ実施可能な治療である(2019年12月末現在)。
 2019年に行った脳動脈瘤の治療160件のうち、7割は予防的手術だったという。
 ほかに、脳梗塞の原因となる「頸動脈狭窄症」の予防的手術も提供している。
「心臓から脳へ血液を送り込む内頸動脈の内側にコレステロールの塊(プラーク)が溜まると、頸動脈が狭くなって血流が滞り、プラークが脳動脈に飛んでしまうと脳梗塞が起こります。そこで、狭窄した部位をステントで広げる経皮的頸動脈ステント留置術や、メスで頸動脈を切り開いてプラークを取り除く動脈血栓内膜摘出術で予防するのです」
 こうした予防、急性期治療に加え、同院は術後の手厚いリハビリや慢性期の治療、さらには救急隊を対象にした勉強会、市民公開講座など脳卒中の啓発活動にも積極的だ。
「地域のためにチーム力を磨き、質の高い脳卒中治療を一貫して提供し続けます」
 創立時より変わらないこの姿勢が、地域に大きな安心を提供している。



横浜新都市脳神経外科病院

IMS(イムス)グループ
医療法人社団 明芳会

横浜新都市脳神経外科病院

神奈川県横浜市青葉区荏田町433
TEL.045-911-2011
https://www.yokohama-shintoshi.jp/
許可病床数
317床
受付時間
8:00~11:30、13:00~16:00
(土曜午後休診)
休診日
日曜、祝日
診療科目
脳神経外科、整形外科、内科、循環器内科、リハビリテーション科
脳神経外科の救急搬送件数



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