大阪・八尾の在宅医療に尽力し、
最期のときまで患者や家族としっかり向き合う

しろばとクリニック


近鉄八尾駅から徒歩10分のところにある大阪府八尾市光町の医療法人光誠会「しろばとクリニック」は2010年4月、栗岡宏彰院長が開業。一般診療、検診のほか、在宅医療に力を入れ、「一人ひとりのかかりつけ医」として地域に密着した医療を行っている。2015年には在宅医療のさらなる充実をはかるため、末期がんや神経難病患者などが対象の「しろばと緩和ケアホーム」と、医療依存度が高い人のための「しろばとメディカルケアホーム」を法人内に開設。「救えない命、心だけは救う」を信条に、理想の在宅医療を追求している。



院長 栗岡 宏彰

院長

栗岡 宏彰


くりおか・ひろあき/日本内科学会認定総合内科専門医、日本救急医学会認定救急科専門医、日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医。


自宅同様の暮らしを続けながら、緩和ケアなどの医療、介護サービスが受けられる先駆的な施設

 元勤務医だった栗岡院長は同クリニック開業の経緯について「自分の関わった患者様をずっと診療し続けていきたいというのが一番の理由です。人生の最期まで責任を持って寄り添っていくことが使命と思い、八尾市を中心とした在宅医療に積極的に取り組んでいます」と語る。現在の患者数はおよそ100人。栗岡院長が在宅で看取る患者は、年間120人(2018年1月~12月)にのぼる。
 訪問診療、往診を行うなかで、栗岡院長は「住み慣れた自宅で最期を迎えたいと願う方は多い一方、実際にはそうした願いをなかなか叶えられていない現状に気づかされた」という。
「病院を退院した後、自宅で受け入れる体制が整っていないため、戻りたいけど戻れない方は多いです。無事戻れても、将来の不安を抱えたまま、精神的、経済的にギリギリの状況で介抱を余儀なくされているご家族も少なくありません。容態が急変したため家族が慌てて救急車を呼んで救急搬送され、病院で亡くなるといったケースもよくあります。患者様ご本人の要望に応えつつ、ご家族の負担を少しでも減らすため、どんなことができるかと考えたとき、医療と介護サービスを提供しながら、自宅で暮らしていたのと同じような生活ができる高齢者向け住宅、いわば病院と老人ホームの中間的な位置付けの施設が、新たな選択肢になるのではないか」そうして法人内に開設されたのが「しろばと緩和ケアホーム」(八尾市山賀町)と「しろばとメディカルケアホーム」(八尾市桜ヶ丘)だ。
 「しろばと緩和ケアホーム」(36室)は緩和ケアに特化した住宅型有料老人ホーム。末期がんやALS (筋萎縮性側索硬化症)といった神経難病などの患者が入居の対象。痛みを和らげ、 ADL(日常生活動作)の維持に努める緩和ケアを主に行っている。一方、「しろばとメディカルケアホーム」27室)はサービス付き高齢者向け住宅。こちらは特に医療依存度が高く入退院を繰り返す人が主な入居対象となっている。いずれも要介護度に関係なく入居でき、入居一時金も不要だ。
 両施設とも、昼間は看護師が常駐。1日数回、栗岡院長が巡回して入居者とコミュニケーションをはかっている。365日24時間の診療体制をとっており、緊急のときは医師がすぐに駆けつける。
「ふだんはこれらの施設で過ごしていただいて、最期の数日間だけ自宅に戻る、あるいは逆に、自宅で療養中の方の容態が悪化した場合、すぐこちらに来てもらい、落ち着いたらまた自宅に戻っていただく、といった利用も可能です。これならば主治医は変わりませんし、自宅療養との架け橋の役割を果たせればと思っています」
 病院ではないので、面会は24時間いつでも可能。食事時間、飲酒、ペットの飼育も自由だ。たとえばこれまで自宅で使っていた愛着のある家財道具を入居する部屋に持ち込み、好きなビデオを観て楽しむといった、自宅の延長のような雰囲気づくりもできる。
「医師や看護師、介護士など多職種が互いに連携しあうことで、入居から看取りまで、責任を持って支援する体制を整えています。すべてのご希望に沿えるわけではありませんが、できるだけ応えられるよう努めています」と栗岡院長。2019年1月で開設から4年が経つが、周辺の緩和ケア病院や介護施設からの紹介もあり、地域の人たちの満足を得られているという。


人生の最期まで自分らしく生きられる療養環境を整える

院長 栗岡 宏彰

在宅医療相談所も併設

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FAX 072-924-5071


 住み慣れた場所で安らかな最期を迎え、地域の在宅看取り率を高めていくにはどうすればいいのか。栗岡院長はこう語る。
「在宅医療は患者様やご家族の生活や心をしっかりと支えてこそ成り立つと思うのです。肝要なのは、患者様が人生の最期まで自分らしく生きられるよう、周囲が協力して、看取りができる療養環境を整えること。病気になったら普段どおりの生活がもうできないというのではなく、痛い、しんどい、だるい、食事できないといった苦しい症状があれば、医療や介護の力でできるだけ和らげ、慣れ親しんだ暮らしを維持できるよう最大限サポートすることだと思います。話し相手になってあげたり悩みを聞いてあげたりと、親身になって寄り添うことも大切です。不安が和らぎ、安心感や満足感が高まれば、食欲や生きる気力も湧いてきます」
 特に末期がん患者の場合、同院では「がん相談外来」を開設し、本人や家族の悩み相談にのっている。
「たとえばご主人が末期がんで余命3年の夫婦がいるとしたら、その3年間、抗がん剤や放射線治療をして入退院を繰り返す生活を送るのか、それとも今すぐ積極的な治療をやめる選択をして、ご夫人とゆっくり好きなことをして暮らすのか。そういったご相談にものり、その方の病状、生活環境、経済面などを総合的に考慮しながらアドバイスをご提供させていただくことも、私たちの役目だと思っています」


介護従事者の寄り添う力を高めるため、勉強会も実施

勉強会の様子
勉強会の様子。

 超高齢社会の到来で、在宅医療への需要は今後さらに増えていくことが予測されているが、栗岡院長は「これからの在宅医療の現場では、ヘルパーさんなど介護職の方の力添えがますます必要になる」と考えている。そのため同院では、同市内に勤める介護職の人たちための勉強会を2週間に1度、主催している。
「もちろん介護職の方が医療行為をすることはできませんが、病気に関する基礎的な知識があれば、医師や看護師がより的確な治療をするための助けになります。いつも患者様のすぐそばにいるヘルパーさんだからこそ、悩みや望み、何をしてあげるのがその方にとって幸せなのかもわかると思います」と栗岡院長。寄り添う力を高め、医療と介護の連携をより深めていくことが、在宅医療の質を高めると信じている。
「地域の基幹病院、開業医、介護事業者など多職種が密に連携して横の繋がりを強化していけば、患者様やご家族が心穏やかに在宅で療養できる環境が整います。私たちの在宅医療、そして2施設での取り組みが全国のモデルケースとなれば嬉しいです。患者様が亡くなるそのときまでしっかりとそばで寄り添って見守り、心だけは救ってさしあげたい」と栗岡院長。理想の在宅医療とは何かを真摯に追求し、患者とその家族のために尽力を続ける毎日だ。



しろばと緩和ケアホーム

医療法人 光誠会 しろばとクリニック

診療科目/内科・外科
〒581-0803 大阪府八尾市光町1-29
サンフォレスト104号
TEL.072-928-4877
http://www.shirobato.com/
しろばと緩和ケアホーム

住宅型有料老人ホーム
しろばと緩和ケアホーム

〒581-0812 大阪府八尾市山賀町3-19-5
TEL.072-970-5556
http://www.shirobato.com/kanwa/
しろばとメディカルケアホーム

サービス付き高齢者向け住宅
しろばとメディカルケアホーム

〒581-0869 大阪府八尾市桜ヶ丘1-3
TEL.072-929-9401
http://www.shirobato.com/medical/



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