腹腔鏡下手術に特化したチームで
婦人科系疾患に質の高い医療を提供
選択肢の提示が可能に。
低侵襲手術として注目を集める腹腔鏡下手術。産婦人科病院として36年の歴史をもつ北海道札幌市の札幌白石産科婦人科病院では、2014年に病院を全面的にリニューアル。2015年には腹腔鏡下手術に特化した部門を立ち上げた。同年より院長に就任した明石祐史氏にお話を伺った。
院長
明石 祐史
あかし・ゆうし/2000年獨協医科大学卒業。2008年札幌医科大学大学院卒業。同大産婦人科学講座助教などを経て、2015年より現職。医学博士。札幌医科大学非常勤講師。日本産科婦人科内視鏡学会評議員、技術認定審査員。
身体へのダメージが少ない腹腔鏡下手術
女性特有の子宮筋腫や子宮内膜症といった疾患の治療に普及しつつある腹腔鏡下手術。そのメリットについて、明石院長は次のように語る。
「まず傷口が小さいことです。最近は器具の細径化が進み、カメラや器具を挿入するトロッカー(筒状の器具)は5~12ミリですが最近は細径化が進み、部分的に切開創は約2.4ミリになり、傷痕もおでき程度と美容上優れています。したがって、痛みが少なく回復も早い。入院も短期で、社会復帰が早い。医師にとっては、カメラで拡大された画像を見ながらの手術なので、細部にまで目が届き、出血が少なく完成度の高い手術ができます」
とはいえ、豊富な経験に基づく高い技術がなければ、完成度の高い手術は望めない。明石院長は前任地の札幌医科大学で数多くの腹腔鏡下手術に携わり、後進の育成にも努めてきた。今回、札幌白石産科婦人科病院に特化した部門を作るにあたっては、質の高い腹腔鏡下手術を行いたいと、札幌医科大学時代からの医師や医療スタッフを集めて、専門性の高いチーム医療を実現した。
「手術は受ける方にとって安全性と完成度が重要です。専門性を高めるために、私と長年チームを組む腹腔鏡下手術に長けた杉尾明香婦人科部長が必ず手術に加わる体制にしています」と明石院長。
オーダーメイドの治療で予後のケアにも力を入れる
質の高い手術とともに同院の特徴となっているのが、多様な治療法が選べることだ。例えば、子宮内膜症の一種にチョコレート嚢胞という病気がある。本来、子宮内で増殖するはずの子宮内膜が卵巣内部で増殖したもので、激しい痛みを伴ったり、不妊症の原因となったりすることがある。
「痛みがあり根治を希望する場合の全摘や深部子宮内膜症摘出も腹腔鏡で可能です。一方で、妊娠・出産を望む方には嚢胞のみを摘出します。ただし、嚢胞と正常卵巣の境目の見極めが難しいため、術後、卵巣機能が低下してしまうことがあるのです。当院では、コンバインド法といって、正常な卵胞が多く存在する部分はあえて嚢胞を摘出せず、焼却するにとどめ、卵巣機能の低下を防ぐ術式を採用することもできます。この術式は、同時に再発率の上昇というデメリットもあるので、患者さんと治療の目的をしっかりと話し合、
一人ひとりに合った適切な治療法が提供できるように努めています。また、手術だけでなく、術前から術後まで継続して患者さんをフォローしていくことが大切だと考えています」と明石院長。
オーダーメイドの腹腔鏡下手術で、一人でも多くの患者さんに健康な毎日をとりもどしてほしい。それが明石院長の願いだという。
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