世界の三大医療国家の日本
わたしたちは世界に誇る
日本の医療を提供しています。


一般社団法人 Medical Excellence JAPAN理事長 近藤 達也

一般社団法人
Medical Excellence JAPAN
理事長

近藤 達也


1968年東京大学医学部卒。同大学脳神経外科教室入局。西独マックス・プランク研究所留学、国立国際医療センター病院長、PMDA理事長等を経て2019年より現職。


外国の患者さんを受け入れ適切な医療を提供する

 訪日外国人旅行者は年間3000万人を超え、日本の医療を受けるために訪日する医療渡航受診者も増えています。
 これは、日本の医療が世界的に高く評価されている1つの証ですが、その期待に応え、信頼を得るためには、信頼と実績のある適切な医療機関に結びつける必要があります。
 ジャパン インターナショナル ホスピタルズ(JIH)は、日本の病院で治療や健康診断などを希望する医療渡航受診者の受け入れに意欲を持ち、体制を整備している病院として、一般社団法人メディカル エクセレンス ジャパン(MEJ)が推奨する病院です。現在、JIHは全国に48施設あり(表)、その情報はMEJと日本政府が協調して 海外に発信しています。日本の医療を受けたい人が、JIHの情報サイト(ジャパンホスピタル サーチ=JAPAN Hospital Search)を検索すると、認証された医療渡航支援企業を通じて希望する病院 を受診できるという仕組みです。
 JIHとして推奨されるためには、書面による調査と、調査員による訪問調査を受けたのち、評価委員会の総合判定で認証されなければなりません。推奨期間は3年間なので、一度JIHのリストに載っても、3年ごとに行われるチェックで問題があれば、推奨リストから外されることがあります。
 このようなチェック体制は、JIHのレベルをきちんと保つために不可欠なものであり、それもMEJが責任を持って行っています。

ジャパン インターナショナル ホスピタルズ

日本の医療は制度も含め世界に誇れる

 既に日本は、米国、欧州と並び世界の三大医療国であります。1億2千万人の国民が国民皆保険の下で、保険で承認を受けた最先端の医薬品・医療機器・再生医療製品などを公平に保険医の下で診断された加療を受けることができる世界唯一の国といってよいでしょう。米国は勿論医療の最先端を行く国家でありますが、それはある程度限られた裕福な人までにとどまっています。欧州の場合、保険が行き渡っていますが、医療体制に限界があり、必ずしも日本ほど医療がスピード感をもって提供されてはいません。一方で日本は、医療サービスなどの地域格差などをなくし、全国どこでも等しく高度な医療を公的保険で受けることができるように取り組んできました。JIHに推奨される病院が北海道から沖縄まであることはその現れです。


品質、有効性、安全性を確保する日本の医療制度

 医療において重要なのは、品質、有効性、安全性が確保されていることです。この3つが揃っているからこそ、日本の医療は国際的に高く評価されているのです。
 日本では、医薬品医療機器総合機構(PMDA)という機関で審査を行い、品質、有効性、安全性が認められた製品だけが、公的医療保険の対象になっています。このような仕組みが厳格に運用されていることは、日本の医療が信頼される大きな要因です。
 PMDAの審査は、この10年で大きく変わりました。最大の変化は、新薬や新しい医療機器などの承認審査の迅速化です。
 以前は、海外で使われている治療薬が日本で承認されるまでに時間がかかる、いわゆるドラッグ・ラグが問題点として指摘されていました。しかし、日本の新薬審査の承認のスピードは、厚生労働省やPMDAの努力により世界で1、2位を争うほどであり、ドラッグ・ラグ、デバイス・ラグは殆ど解消されています。
 再生医療製品については、「早期承認制度・先駆け審査指定制度」という世界で最初の認可カテゴリーを作り創設し、世界をリードしています。
 単にスピードアップするのではなく、安全性等を追跡調査する仕組みや、万が一副作用による健康被害が生じたときには、医療費等を給付する医薬品副作用被害救済制度も整っています。
 これらの制度には、医療の安全対策に長い年月をかけて取り組んできた蓄積が生かされています。


国際化が、日本の医療をさらにレベルアップさせる

医療機関の第三者認証

JIHは医療渡航受診者の受入れに積極的且つ受入れ体制が整っている病院です。渡航受診者が病状に応じて、適切な医療サービスを提供するJIH推奨病院を選択できるよう、海外に向けて情報発信しています。

 新薬の発明発見でも、日本は高いレベルにあります。世界で最も売れている医薬品上位100のうち13が日本で発明発見されたもので、この数は米国に次ぐ世界第2位です。製品化というところは課題ですが、医療機器では内視鏡を開発、普及させた実績があり、十分にオリジナリティーで勝負できると考えています。
 新しい医薬品や医療機器、医療技術を開発でき、かつ、品質・有効性・安全性をきちんと評価できるのは、米国と欧州の一部の国、そして日本だけです。
 日本人が当たり前に受けている医療は、世界的に見ても高度かつ質も非常に高いのです。そんな日本の病院の中でも、医療渡航受診者の受け入れに積極的に取り組んでいるのが、JIHということです。
 今は48施設ですが、JIHとして活躍できる病院は各地にたくさんあるはずなので、JIHの認証審査に積極的にチャレンジする病院が増えることを、私たちは期待しています。
 認証を目指すことでその病院の医療レベルはさらに向上し、外国からの患者さん受け入れで収益が増えれば、新しい医療機器の導入などが可能になります。それは、地域住民にとってもプラスとなるでしょう。


生命を大切にする考え方を日本の主導で世界に広める

 日本は、長い間、世界、特に欧米を見習うことに重点を置いた医療の発展を続けてきましたが、いよいよ今まで誰も体験してこなかった新しい世界を切り開いていかなければならない立場になってきています。医療関係者は新たな叡智を生み出していく自信に育まれ、結果として予想を上回るほどの効果ある健康手段を開発していく成果に大きな期待がもたれています。この医療を世界の人々に提供することは日本の責務と言えるでしょう。MEJは、長年にわたる多くの関係者により積み上げられてきたこの環境を母体にして世界の中で健康医療大国の名に恥じないよう、世界に向けて、「レギュラトリー サイエンス」に基づく、「患者さんのための合理的な医療(“Rational Medicine” Initiative)」という言葉で発信していきます。
 世界から信頼を得ることで日本の医療はますます発展し、国民の健康のみならず世界貢献につながる――そう信じてJIHの事業に取り組んでいます。


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