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台湾のスマートヘルスケア企業が集結 台湾エキスポ

広告 企画・制作 読売新聞社ビジネス局

台湾のスマートヘルスケア企業が集結 台湾エキスポ

 台湾のビジネスやテクノロジー、文化など、多彩な産業を紹介する「台湾エキスポJAPAN」(主催:台湾経済部国際貿易署 台湾貿易センター)が東京・新宿で開催され、11月11日(土)に3日間の日程を終えた。これまで、マレーシア、インドネシア共和国、インド、アメリカ合衆国などの11都市で開催されてきた台湾エキスポが、日本で開催されたのは今回が初めて。デジタルトランスフォーメーション(DX)とグリーントランスフォーメーション(GX)の技術を扱う企業を中心とした、計135社が来日した。会場では、シェア電動自転車など最新の製品やサービスの体験のほか、伝統的な人形劇やスペシャルトークショー、台湾の蘭やグルメも楽しむことができ、連日多くの人でにぎわった。スマートヘルスケアパビリオンでは、台湾を代表するスマートヘルスケア関連のスタートアップ企業10社と、先進的な取り組みを行う医療機関1社の計11社が出展。各企業の担当者が来日し、来場者への説明や商談を行った。


台湾貿易センター副秘書長 邱揮立 氏

 台湾エキスポを主催する台湾貿易センター副秘書長の邱揮立氏は、「台湾も日本も、少子高齢化にともなう多くの課題に直面している。台湾の電子産業における強みは、スマートヘルスケアの分野においても活かされていて、台湾エキスポではDXの技術を駆使し、医療現場の課題解決に役立つ11の製品を紹介する。来場した企業担当者や医療関係者からは、大変良い反応が届いている」と明かした。ある企業は、台湾エキスポを機に日本の大手商社との協力協定の締結が実現したという。日本の医療現場や在宅医療の現場、あるいは健康器具の売り場で、より多くの台湾の製品を目にする日は近そうだ。


医療現場、健康管理を支える11の革新的ソリューション

BEATINFO ECGセンサー

異常心拍、睡眠障害などをAIで検知 / Singular Wings Medical Co., Ltd.

 胸元に装着する小型センサー(BEATINFO ECGセンサー)が、心拍、呼吸、体温を継続的にモニタリング。これらバイタルサインと慢性疾患の管理に優れたAIが異常な信号を検出すると、アプリを通じて迅速に注意を喚起する。睡眠時無呼吸症候群など睡眠時の異常の検知も行う。

Super Genius AITek COO 王嘉蓮 氏

スマホカメラでバイタル計測が可能に /Super Genius AITek

 スマートフォンのカメラに顔を表示するだけで、顔の血管から呼吸、心拍、血圧、血中酸素を検出できるシステム。検出された情報は医師と共有され、診断の効率化や遠隔医療の支援を可能にする。

Somnics, Inc. CEO 陳仲竹 氏 

口腔内を陰圧し睡眠時無呼吸症候群を改善 / Somnics, Inc.

 Somnics社が開発したiNAP(R)は、シリコン製の管が空気を吸引し口腔内が陰圧状態になると、舌とあごが前に向かって吸引され、気道が開く。その結果、鼻で自然に呼吸ができるようになり、睡眠時無呼吸症候群が解消される。電池式でポケットサイズなので持ち運びに便利。従来のようなマスクも不要。臨床試験では高い成功率を示し、アメリカ合衆国、ヨーロッパなど各国で177の特許を取得している。
 

Alpha Intelligence Manifolds, Inc 陳帛承 氏(写真左)

撮影済み画像から骨疾患、心疾患をAI診断 / Alpha Intelligence Manifolds, Inc.

 変形性関節症や骨粗しょう症などの慢性骨疾患と慢性心疾患の自動精密診断および予後観察が可能なAI診断システムを提供。撮影済みのレントゲン画像や心臓超音波検査の画像を使用するので、医師や患者の負担が軽減される。
 

V5med Inc. 李俊霖 氏

4㎜の肺結節もAIで検出可能に / V5med Inc.

 AIを活用した高度なコンピューター支援診断(CAD)システムで、4~30㎜の肺の結節を自動で検出する。4~6㎜の小さな結節やすりガラス状陰影(GGO)においても、高い確率での検出を実現。担当者の李俊霖氏は「医師による見落としを防ぎ、作業の効率化にもつながり、医師の精神的負担の軽減かつ労働時間の短縮に貢献できる。台湾のほかに、既にインドネシア共和国、タイ王国、ベトナム社会主義共和国で導入されている」と話す。
 

Lee Woman’s Hospital 倪雪瑛 氏

受精卵のAI解析で選別の精度を向上 / Lee Woman’s Hospital

 受精卵(胚)の映像をAIで解析するシステムを開発し、胚と遺伝子解析の高度化を実現。凍結融解技術の向上により、長期保存した胚の生存率を高めることにも成功。台湾国民健康署の報告によれば、世界36か国以上で3万人を超える子どもの誕生に貢献している。
 

BROADSIMS Inc. 徐婉瑄 氏 

1台でバイタル情報を集約 / BROADSIMS Inc.

 タッチパネル式モニター付き機器で、心電図、酸素飽和度、血圧などを測定。体温計、体重計、超音波測定器、血糖値測定器などと連携することも可能で、あらゆるバイタル情報を集約できる。取得した情報はAPI連携により医療機関と共有できるほか、搭載されたカメラを通じてオンライン診察も可能。
使用が想定されるシーンについて、「在宅医療、へき地医療、さらには救急医療の現場でも役立つ。これ1台あれば、場所を問わず医師、看護師の作業を効率的にサポートできる」と担当の徐婉瑄氏は話す。
 

QT Medical, Inc. 黄盈茗 氏(写真右) 

ポータブル心電計でどこでも検査 / QT Medical, Inc.

 重さ67g、軽量かつコンパクトなワイヤレス12誘導心電計。遠隔医療や救急医療の現場で、あるいは介護施設や自宅、航空機など、場所を選ばず心電図検査が可能に。アプリを通じてAI解析の結果も確認できる。



MIKOTEK INFORMATION INC. 楊皓宇 氏 

点滴完了間近を知らせる監視装置 / MIKOTEK INFORMATION INC.

 MikoDrip点滴監視システムは、輸液バッグや尿バッグの重量を監視し、一定の重量に達すると無線でスマートフォンやパソコン、デジタルホワイトボードに情報を送信。交換時期が来たことを知らせる。「点滴がいつ終わるのかを装置が知らせてくれるので、看護師が確認する手間が省ける。医療現場での人手不足問題の解決に役立てたい」と楊皓宇氏は話す。
 

Humetrics Inc. 林文彦 氏

ベッドでの活動状態を通知 / Humetrics Inc.

 利用者がベッドから離れたときや、ベッドにいる時間が長すぎると、アプリに通知が届き家族や医療者に注意を喚起する。睡眠についての情報も共有できる。利用方法は、マットレスの下に敷くだけと簡単。既に日本でも導入されていて、「都内の介護施設で利用いただいている。通知が来るので助かっていると、良い反響をもらっている」と林文彦氏。さらなる普及を目指す。

DAXIN Biotechnology Co.,Ltd. 紀曽議 氏(写真右) 

自動で排せつ処理するスマートおむつ / DAXIN Biotechnology Co., Ltd.

 排せつ処理を自動で行う成人用ウェアラブルデバイス。シリコン製パンツに組み込まれたセンサーが感知すると、排せつ物を自動で吸引。ホースを通じて送り込まれた適温の水が洗浄し、送風により乾燥する。人間工学に基づいた設計で、寝返りを打っても利用できる。担当の紀曽議氏は、「通常、おむつ替えは1日4~5回。この装置を使えば、1日に1回容器にたまった排せつ物を処理するだけでいい。また、排せつの情報はオンラインストレージにアップロードされ、リアルタイムで把握できる」と、その利便性を説明する。
 

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