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肺がんからあなたを守る ~正しい理解で適切な治療を~

広告 企画・制作 読売新聞社ビジネス局

肺がんは、がんの中で最も死亡数が多い、難しいがんの一つとされていますが、近年、治療法が大きく進歩して、より負担の少ない効果的な治療の選択肢が増えてきました。

日本赤十字社医療センターの中島淳院長、呼吸器内科の出雲雄大部長は「肺がんの治療成績は、21世紀に入ってから飛躍的に向上してきています。肺がんと診断されても、あきらめず、主治医とよく相談して、前向きに治療に立ち向かってほしいです」と呼びかけます。


Q1 肺がんにかかる人は増えていますか?
A. 肺がんにかかる人は、高齢化にともなって増えています。2000~04年には男性で年平均5万2302人、女性で2万1897人でしたが、2025~29年には男性で年平均8万6700人、女性で4万3200人、それぞれ約1.65倍、約1.97倍に増加すると予測されています。22年の死亡数は、すべてのがんで38万400人、そのうち肺がんは最も多い7万5100人となっています。
がん罹患数・死亡数予測
Q2 どのようなきっかけで見つかる人が多いですか?
中島 淳 先生

A.自覚症状があるとすれば、咳や血痰ですが、これらは肺がん特有の症状ではなく、ほかの病気でも起こります。他の多くのがんと同様、早期には自覚症状は現れないため、症状が現れたときには、すでに進行している場合が多くなります。早期に見つかった人は、人間ドックや他の病気でCT検査を受けて偶然見つかるケースが多いです。

Q3 早期発見するために必要な検査は?
A. 各自治体では40歳以上を対象に、問診、胸部X線検査を行っています。さらに50歳以上のヘビースモーカーで条件に当てはまる人は、喀痰検査を行います。胸部X線写真、CT撮影は肺がんの診断には重要ですが、とくにリスクの高い人(喫煙者、高齢者)は積極的に検査を受けたほうがいいでしょう。
Q4 肺がんの治療はどのように行いますか?
出雲 雄大 先生

A. 病期(ステージ)Ⅱ期までは手術による治療が中心で、再発予防のため術後に抗がん剤治療を行うこともあります。胸にあけた小さな穴から器具を挿入して行う胸腔鏡下手術やロボット手術など、患者さんにとって負担の少ない方法が主流です。合併症などで手術が難しい場合も、サイバーナイフによる放射線治療などの選択肢があります。

Q5 手術ができない場合、どんな選択肢がありますか?
A. Ⅲ期では、主に放射線治療を行い、抗がん剤を併用する場合もあります。Ⅳ期では、がんの遺伝子変異検査の結果、最適な薬剤を選ぶ個別化医療が進んでおり、副作用はより少なく、より効果的な治療法が増えています。呼吸器内科、外科をはじめ肺がんに関連する複数の診療科の医師が集まって、一人ひとりの患者に適した治療方針を考え、患者さんに提案しています。 
肺がんの治療フロー

日本赤十字社医療センター 院長
中島 淳 先生
1982年東京大学医学部卒。東京大学大学院医学系研究科呼吸器外科学教授、同大学医学部附属病院副院長などを経て、23年4月より現職。
日本外科学会認定外科専門医、日本呼吸器外科学会認定呼吸器外科専門医、日本呼吸器内視鏡学会認定気管支鏡専門医、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医。

日本赤十字社医療センター 呼吸器内科 部長
出雲 雄大 先生
2000年関西医科大学医学部卒。東京女子医科大学病院、国立がん研究センター中央病院などを経て17年9月から現職。
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医・代議員、日本呼吸器内視鏡学会認定気管支鏡専門医・評議員、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医・代議員、日本肺癌学会評議員。

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