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2022 KOKUYO FAIR 「働くのミライ」を考える 〜オフィスは、行くべき場所から“行きたい場所へ”〜

 2022 KOKUYO FAIRの基調講演が、11月4日(木)に行われた。今年のコンセプトは、「be Unique. 働くのミライ」。
 新型コロナをきっかけに、企業には多くのことが求められるようになった。ワーカーとビジョンが共有できているか、SDGsをはじめとした社会課題への貢献ができているかなど。そんな時代に企業が、ワーカーや社会から選ばれ続け、持続的に成長するために、みんなが行きたい場所を作りたい。今年の2022 KOKUYO FAIRには、そんな思いが込められている。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、先行きが不透明、将来の予測が困難な状態が続くと言われている今、企業は働き方・生き方をどのように変化させ、どのような事業展開をしていくべきか。独立研究家の山口周氏と、コクヨ株式会社代表取締役社長の黒田英邦氏、同社ワークスタイルイノベーション部主幹研究員の齋藤敦子氏による基調講演をお届けする。

コロナで変化したオフィスの在り方

齋藤 新型コロナウイルスの影響で企業は働き方・生き方の変化を強いられています。働き方の変化について改めてどのように見ていますか。

独立研究家 山口 周 氏

山口 働き方を決めるのは会社の中では主に総務・人事系の方です。この総務・人事系の方に共通する特徴は、先行事例主義があると思います。ニューノーマルと最近よく言われますが、週5日働くのがオールドノーマルで、じゃあニューノーマルって週に1日ですか2日ですか、多分そういうことでは無いと思います。会社とか業務に応じて、あるいはプロジェクトの繁忙期であれば毎日来る、ルーチンワークだったら別に来なくてもいい。こういう働き方が当たり前、その当たり前を疑っていくことがすごく必要になると思います。
 週に5日集まるのが仕事ってことに対して、本当にそうだろうかと。集まった方がいい仕事と、集まらなくてもできる仕事があるはず。その最適なミックスを考えていくのが、まさに人事・総務の人たちにとって大きな仕事になってくると思います。それから専業・兼業も、会社の規定としてどうか。専業が前提という考え方がどうなのか。では何が会社に求められるかって言ったら、エンゲージメントを高められるように会社の魅力を作る。オフィスに来てもらいたいなら、環境が非常に重要になってくる。そういう努力をしないで、会社に行くのが当たり前の考え方をすると、タレントを集める、才能のある人を集める、求心力を持った会社を作るのが難しくなると思います。
 こういう世の中になると、どんどん変化していくことが当たり前。これから先、家やオフィス以外のサードプレイス的な場所を、会社が提供していけるかが大きなテーマになってくると思います。

黒田 そうですよね。もともとこういった流れは世の中に必要とされていましたが、コロナがきっかけで一気に加速したと思います。今回の変化は、人々の生き方、会社のあり方に繋がるような変化なので、働く方々が自分達はどうしたいかを決められないと、この変化を乗り切れないと思います。
 最近新しい人事制度で社内副業を始めました。若い人たちが未来に向けてキャリアを考えていく上で、Google さんが言う20%ルールみたいなものを社内で経験できるようにしました。効果としては、受け入れている部署の人たちが前向きになる。マンネリ化している仕事も新しい気づきが生まれる。元の部署に戻って自分の仕事に活かす人もいれば、そのまま新しいキャリアにチャレンジしようと手を挙げる人もいる。コクヨはこういう会社になりたいと思い取り組みました。こういう制度も新しい働き方として実感しています。

リモートワークのリスクとは

齋藤 働き方が変わったことで良い面もあると思いますが、今の働き方のリスクについてもお話を伺いたいです。

山口 二つ大事なポイントがあって、一つ目は、思いがけない教育の機会が、相当失われていると思います。リモートワークの社会になると人材育成って遅れます。人が成長する時って大部分は仕事を通じた上司からの薫陶です。例えば打ち合わせから帰ってくる時に、「お前さっきのプレゼンだけどさー」って言われる。あるいはカフェに行った時に先輩に、「ちょっと良いすか、今ちょっと悩んでいて、」みたいな。非予定調和的ですが、この非予定調和を如何に作るかが教育にとって大事です。しかしリモートワークにするとほとんど起きません。若い人にとってはクリティカルな問題なります。
 二つ目は、イノベーションは直属のラインとは関係ない人達が繋がった時に、アイデアの結婚によって起きると思います。GoogleさんやAppleさんのオフィスも、関係ない部署の人が交わるような導線設計になっている。これもリモートワークになると相当失われる。リモートワークだけだとうまくいかない。オフィスを使ってどう埋め合わせていくかが課題だと思います。

黒田 会社はどんどんコミュニティ化していると思います。会社としての目的をみんなで実現するために集まっている。若い子達がSDGsとかにすごく興味があるのもそうです。どの会社に自分が属していて、会社の目的をチームとしてどうしていくか、そういう面から言うとコミュニティのような形になってくる。オペレーションの仕事はテレワークで回りますが、プロジェクトベースの取り組みになると、すごくスピードが遅い。みんなで集まれば1ヶ月ぐらいで終わる仕事が、1ヶ月経っても現状把握のシートが上がってこない。プロジェクトベースで課題解決や、新しいイノベーションを起こすことに関しては、新しい仕事の仕方が必要だと思います。それが無くて「うまくいってないから全員出社」、みたいになるのが最大のリスクかなと思います。

山口 本当にそこは経営努力だと思います。そもそも社員が出社したいと思えるようなオフィスですか?、そういう場所になっていますか?、そういう人間関係が作れていますか?、コーチング出来るリーダーがいますか?と。そうじゃないのに毎日来いと言われたら、それは地獄になります。オフィスが行きたい場所になっているかどうかで全く変わります。

コクヨの新しい企業理念「be Unique.」

齋藤 ここからは未来視点でお伺いしていきたいと思います。まずコクヨが今年2月に、企業理念を刷新した経緯を少しお話いただけますか。

コクヨ株式会社 代表取締役
社長 黒田 英邦 氏

黒田 コクヨは今年2月に長期ビジョンを発表しました。創業117年目です。企業理念をアップデートしようと今回変えました。「be Unique.」という企業理念には、いろんな意味がありますが、できるだけ短い英語にして、グローバルな人達にもこの言葉を共有したいという思いがあります。それから人によって受け止め方が違うのではないか。シーンや場面によって自分なりの「be Unique.」は何かを考え続けていけるような。そんなものを作りたいということで「be Unique.」としました。
 この「be」の主語は、世の中、社会で、「will be Unique.」です。つまり世の中はこれからどんどん多様になっていく、もっとユニークな社会になっていくだろうと、そこにコクヨの役目があると思いました。働く、学ぶのユニークを支えていくことで、僕らはもう一度長く世の中に貢献していく会社になろうと、そう思い今回「be Unique.」という理念にさせていただきました。

齋藤 山口さんから見てこの「be Unique.」を発信したコクヨはどううつってますでしょうか。

山口 私は一年前からノーノーマルと言っているのですが、ノーノーマルってまさにユニークってことです。ノーマルに寄せて行くというモーメントとは逆のモーメンタムを提案しているわけです。オフィスがあって管理者の机があって、そういう形じゃなくても良い。これはもうノーノーマルであり「be Unique.」。自分達はこういう会社でありたいと、ゼロベースで会社が考えることで多様化して行く。これはある意味で非常にタフだと思います。タフな時代でもあると。自由を与えるとみんな怖がって逃げちゃう。自由ってある意味責任も伴う。自分で選ぶことはタフさを求めることだと思います。でもその与えられた自由の中で、働くことの価値を最大化し、オフィスのあり方、働き方、社会との連鎖をどう上手く作っていくのか、その過程で「be Unique.」はすごく大事なキーワードになってくると思います。

黒田 かなりタフなテーマだと思っています。平等で均一、画一的であるのが日本のこれまでの教育で、大きな会社ほどその方が効率的です。そういう価値観を変える作業を自分たちでやっている気がしています。でもある意味実験だと思います。昔からオフィスをご提案する際に、自分たちで実験するのが風土として根付いています。「お客さんより先に失敗しちゃえ」とか、「恥ずかしいとこ全部出そう」みたいな。そういう風土・文化を醸成させていきながら、この「be Unique.」を地で行く会社になりたいと思っています。

山口 コクヨさんのオフィス、毎年変化してますよね。試行錯誤、英語で言うとトライアンドエラー。人間の思考力には限界があるので色々試さざるを得ない。自分たちにとって一番良いやり方を、早く見つけられる会社とそうでない会社で、何が違うかと言えば単に試すかどうかだと思います。試行錯誤を何度も繰り返していくことが、古いノーマルが解体されていく時代において重要です。そこの部分をコクヨさんが付加価値として提供している。100万社でやるよりも、コクヨさんが最初に1社やって、「それうちやりました、うまくいきませんでした」と言うのは、失敗のコストを経済価値に変えて社会にリターンしている点で、ストラテジーとしてすごく筋がいいと思います。

未来志向の働き方を考える

コクヨ株式会社
齋藤 敦子 氏

齋藤 そういう不確実な時代の中で、私たち社員一人一人はどのような心構えを持つべきでしょうか。

山口 仕事を通じて幸せになりたいなら、感受性が大事だと思います。どういう環境で働けば一番バリューが出るか、どういう仲間と一緒だと仕事がやりやすいか、どういう生活リズムだとモチベーションが上がるかを自分で反芻して、個人も「be Unique.」に慣れなくちゃいけない。自分にとって一番良い働き方はどんな働き方なのか、逆に会社に提案していく、わがままの言える時代だと思います。色々なテクノロジーがそれを可能にしています。どんどん会社にわがままを言って、会社がそのわがままに答えるために、いろんな改革をすることができるとすごくいいと思っています。

黒田 会社ではみんなに、未来のことを考えながら、今をどうしたいかを考える時間を取ろうという話をしています。今やらなきゃいけない仕事は絶対大切な事です。けれどもそこだけに自分の頭が100%費やされると、どうなりたいのか、どうしたいのかという意見を持てなくなる。2030年ってどんな仕事になっているだろう、どんなお客さんになっているだろう、自分たちは社会や地球環境に対して、どう役に立ちたいのだろうと。未来のことを考える時間を取ろうとよく言っています。

齋藤 そういった場を今回のフェアでも提供していこうということですね。最後にお二人からコメントをよろしいでしょうか。

山口 コクヨさんのオフィスを見て、もう1回オフィスに通って働きたいと思いました。すごくインスピレーション頂きました。「be Unique.」ってすごくいい言葉で、あなたはかけがえのないものという意味もある。今の日本は仕事で心を病んだり、体調を崩したりする人たちが増えています。仕事を通じてむしろ健康になる、会社に行くとどんどん健康になって元気になる。そういう社会がすぐそこまで来ていると感じて、凄くワクワクしました。

黒田 コクヨは常に未来視点で、新しい働き方、ワークスタイル、ライフスタイルを実証実験する会社です。今回のフェアも、品川THE CAMPUSというオフィスでそれをご紹介させていただいています。ご都合つく方はぜひ品川のオフィスにお越しください。

■「2022 KOKUYO FAIR」の見どころ

~来場して楽しむ~

1年間の実践・検証を経て、アップデートしたライブオフィス 
 コクヨの働き方の実験場「THE CAMPUS」の「品川ライブオフィス」では2020年12月より約1年間実証実験を行った結果を公開。「経験拡張」をキーワードに、IoTを使用した行動分析や部門長のワークショップなどを通じて、従来のオフィスの延長線上ではなく、多様な人が集い、仕事を超えた経験を拡張し、新たなイノベーションが生まれる場となることを目指しています。

ニューノーマルオフィスに必要な新しい機能を支える新製品
 コロナ禍による働き方の変化により、オフィスに求められる機能は複雑化しています。「web 会議での音環境はどうするのか?」「ハイブリッドワークでのチームの創造力を高めるには?」「在宅勤務での生産性を上げるには?」といった課題に応える新製品をご覧ください。

~オンラインで楽しむ~

オンラインセミナー 11月4日(木)~12月3日(金)
【基調講演】働くのミライ
独立研究者 著作家 パブリックスピーカー :山口 周 氏
コクヨ株式会社 代表取締役社長:黒田 英邦 氏

【クロストーク】最新事例で読み解く、企業成長を加速させる「オフィス」KADOKAWA × リクルート× コクヨ
株式会社KADOKAWA グループ戦略総務 総務企画部 ファシリティ担当部長:荒木 俊一 氏
株式会社リクルート 総務・働き方改革ワークプレイス統括部:西田 華乃 氏
コクヨ株式会社 ワークスタイル研究所所長 WORKSIGHT編集長:山下 正太郎 氏

【クロストーク】数字で見る、コクヨ新オフィス「THE CAMPUS」~リニューアルから一年の実験と効果~
タレント:関根 麻里 氏
コクヨ株式会社 ワークスタイルイノベーション部部長:鈴木 賢一 氏

※オープニングイベントの内容をアーカイブにて配信いたします。
※10月13日、14日に行った「働くのミライ会議」ウェビナー(8セッション)もフェア特設サイトで公開いたします。

オンラインオフィスツアー 11月4日(木)~12月3日(金)
 働くの実験場「THE CAMPUS」。コクヨ社員が実際に働きながら様々な実証実験を行っているライブオフィスをオンラインで巡ります。