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循環経済への移行を加速
~2025年大阪・関西万博を契機として~
読売新聞大阪本社版朝刊
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生産から消費・廃棄への一方通行で進む経済の仕組みを見直し、廃棄物を再生させる循環経済への移行実現が、2025年の大阪・関西万博でも重要テーマの一つとされています。新しい循環経済モデルのビジネス化に取り組むサラヤの更家悠介社長に、日本政策投資銀行常務執行役員関西支店長の牧裕文がお話を伺いました。
- 牧
- 大量生産・大量消費・大量廃棄を前提とした経済モデルが限界を迎えるなか、持続可能な形で資源を有効利用していく循環経済への移行が世界的潮流となっています。
特に関西では、19年のG20大阪サミットで海洋プラスチックごみの追加汚染を50年までにゼロにする「大阪ブルーオーシャン・ビジョン」が共有されました。
関西経済同友会としても昨年、循環経済移行への提言をまとめ、更家社長にはビジネスモデル変革への取り組みなど骨格となる意見を出していただきました。
- 更家氏(以下、更家)
- 私たちは以前から、マレーシア・ボルネオ島の「緑の回廊」プロジェクトなど、環境保全をビジネスとしてフォーカスし、生物多様性の保全という価値観を消費者と共有する試みにチャレンジしてきました。
海の生態系にも影響を及ぼすと言われるマイクロプラスチック問題への対応は、喫緊の課題です。プラスチックを有用な資源と捉え、効率的にリサイクルできる技術革新が急がれます。
私たちも資本参加していますが、使用済みプラスチック再資源化の実用化に向けて業界を超えたプロジェクトが進んでいます。プラスチックに代わる新素材の研究も各社で進めており、みんなで新しいビジネスとして知恵を出し合っていくことが循環経済につながっていくと思います。
対馬で新しい循環経済モデルを開発
- 牧
- 昨年9月に長崎県対馬市や関西経済同友会などと、海洋プラスチックごみ問題解決に向けた「対馬モデル」の研究開発連携協定を結ばれました。島国が多いアジア太平洋の国々の課題解決にも貢献できる循環経済モデルとして注目されると思いますが、今後どのような展望を描かれていますか。
- 更家
- 対馬は陸側から接近できない海岸が多く、砂浜にスムーズに乗り入れできる船の開発や埋まったごみをかきだす重機の導入など、まずは、漂着するプラスチックごみの回収率を上げて海洋への流出を防いでいく。回収後は破砕して燃料化したり、また家庭や飲食店などから排出された一般廃棄物をバイオガス化し、船や自動車などに使用していけば、島外から輸送するガソリンの量を減らすことができ、化石燃料による発電などへの依存度を下げていくこともできます。
動脈・静脈産業が相互に乗り入れてレベルアップしていくことが必要です。こうした取り組みを集めてパッケージにし、全体として経済効率を上げ、収益化のモデルをつくっていく。
対馬モデルを日本の先進例として世界に輸出していけるレベルにもっていきたいと考えています。
海の豊かさを次世代につなぐ
- 牧
- 大阪・関西万博では対馬モデルも世界に発信するパビリオンに協力されますが、ドイツのパビリオンもリサイクルやリユースなど「サーキュラーエコノミー(循環経済)」をテーマにするという発表があり、相乗効果も期待されますね。
- 更家
- 私が理事長を務める特定非営利活動法人ゼリ・ジャパンが出展する「ブルーオーシャン・ドーム」では、海の命の不思議さや大切さを発信する映像表現や、プラスチック海洋汚染と海洋資源の持続的活用をテーマに、企業や自治体の取り組み・イノベーション技術などを紹介します。
またテーマウィークなどを設けて様々なステークホルダーを招待し、国際会議なども活用した立体的なイベントも企画する予定です。ぜひドイツとも共同セミナーなどでご一緒できる機会をつくりたい。
また万博を契機に、30年、40年、50年とそれぞれマイルストーン(中間目標)をつくって着実に取り組みを進め、海の豊かさを次世代につなげていくため、海に関わるあらゆるステークホルダーの交流と事業共創を通じ、持続的で実効性のある海の保全と繁栄を目指す一般社団法人「ブルーオーシャン・イニシアチブ」に幹事会員として参画し、企業や世界中の産官学とのパートナーシップにより、経済活動と環境保全の好循環の実現を目指しています。
- 牧
- 私たちの第5次中期経営計画のテーマも「つなぐ」です。産業・世代・地域をつなぎ、共に価値を創り上げていく。循環経済への移行には、イノベーションも必要で、中立的な立場を生かし、お客さまのお持ちの技術やアイディアを企業同士または産学官でつないでいく。リサイクルの技術革新や、対馬モデルのような新たな事業化に向けた取り組みを支援していきたいと考えています。