時事YouTuberのたかまつなな氏や和洋学園のOGが登壇し、生徒約150人が聞き入る中、MCの平井理央氏とともに対談やトークセッションを展開。当日の模様はオンラインでも配信されました。
私が過ごした青春 〜お嬢様学校から時事YouTuberへ〜
社会・政治問題に興味を持ったきっかけは
平井 たかまつさんはお笑い芸人やNHKを経て現在は時事YouTuberと、とてもユニークな経歴をお持ちですね。
たかまつ 私はずっと「若い人に社会問題や政治問題を伝えたい」と思って活動してきました。最初はお笑いを通して伝えようとしたのですが、紆余曲折あって今はYouTubeをメインに発信を続けています。
平井 社会・政治問題に興味を持ったきっかけを教えてください。
たかまつ 私は小学生の頃は勉強が苦手で成績も悪く、いつも劣等感を抱いていました。そんな中で、4年生のときにアルピニストの野口健さんが主催する環境学校に参加したんです。富士山の樹海でゴミ拾いをしたのですが、バスや医療機器が捨ててあって本当にびっくりして。こうしたゴミは捨てるのにお金がかかるから、それが嫌で不法投棄をする人がいるのだと聞きました。野口さんに「大人は見て見ぬふりだから君たちが伝えてくれ」と言われて、そこから社会・政治問題を伝えたいと思うようになりました。こうした問題は、まず「知る」ことが大事です。中学生、高校生の皆さんは今、学校で色々な勉強をしていると思います。それが「知る」につながっていくので、今の時間をぜひ大切にしてほしいですね。
笑下村塾 代表
たかまつ なな 氏
フェリス女学院高等学校、慶應義塾大学大学院卒。高校在学時にお嬢様芸人としてデビューし、数々のTV番組に出演。NHKディレクター職を経て、現在は若者へ政治意識の喚起や社会問題を発信する時事YouTuberとして活躍中。
女子校は自分らしさを全開にできる場所
平井 ご自身は中学・高校時代をフェリス女学院で過ごされました。学校生活はいかがでしたか?
たかまつ 女子校を選んでめっちゃよかったです(笑)。思春期って、男子の目を気にして本当の自分を隠してしまうこともあると思うんですが、女子校はそれがなくて、オタクも変わり者も自分らしさを全開にして胸を張って生きることができます。私は高校時代はお笑いや演劇にはまって、劇場に通い詰めていました。特に爆笑問題の太田光さんの考え方や、劇作家の野田秀樹さんの作品に衝撃を受けて、ずっと興味を持ち続けてきた社会・政治問題を、この人たちのように自分も舞台で伝えられたらと思うようになったんです。
平井 女子校だったからこそ、自分らしさを発揮できるようになっていけたのですね。
たかまつ それが当たり前の環境で思春期を過ごしたので、社会に出た後「社会って女性にこんなに厳しいんだ」と驚きました。大学入試で女子だけが点数を下げられたり、国会議員に女性が1割しかいなかったりと、差別じゃないかと感じることがたくさんあって。自分の実力とは関係ないところで、女性だというだけで活躍の場が狭くなるっておかしいですよね。差別を感じずに過ごせた女子校時代は本当に貴重だったんだな、そういう場所で過ごせてよかったなと、今あらためて実感しています。
平井 最後に、たかまつさんの今の目標を教えてください。
たかまつ 若い人に社会問題や政治問題を一緒に考えてもらう機会を大事にしていきたいです。以前視察したイギリスの小学校では、先生が子どもたちに社会を変える方法を教えていました。子どもたちは実際に自分たちで代表を選んで、署名活動などを通して不満を解決していました。これは選挙への参加意識を高めることにもつながります。私も、大人が子どもや若者を信頼して、その自主自立を大切にする社会をつくっていきたい。ぜひ皆さんと一緒に実現していけたらと思います。
フリーキャスター
平井 理央 氏
東京学芸大学教育学部附属高等学校、慶應義塾大学卒。2005年、フジテレビにアナウンサーとして入社。2012年に退社後、フリーキャスター、タレントとして活躍している。
卒業生が語る、女子校のいいところ
中高時代に育んだ力が社会人としての糧に
平井 水野さんと柳田さんの中高生時代について教えていただけますか。
水野 私は小学生のときに九段校のオープンキャンパスに行き、生徒の生き生きとした姿を見て「ここに行こう」と決めました。入学後は、異性の目を気にせずに済む環境の中で好きなことに思いっきり打ち込み、先生の勧めで生徒会長も経験できました。また、私は生き物が大好きで、中高を通して飼育に熱中していました。それが後の生物学科への進学や今の仕事につながったと思っています。
柳田 私は国府台校の出身で、入学時は周りが一面ネギ畑だったのがちょっとショックでした(笑)。でも、学校には個性的な女子がたくさんいて楽しかったですね。大好きな芸能人やプロ野球選手に熱中しながら生徒会長も務め、色々な個性やカルチャーに触れることができた学生生活でした
たかまつ 女子校は女の子がのびのびと過ごせますから、皆が自分らしさを持ち続けられますね。その意味では、多様性が生まれやすい環境だと思います。
平井 学校生活を通して得たものの中で、今も役立っていることは何でしょうか。
水野 一つのものを、皆で同じ志を持って作り上げる力です。ビジネスには一人の目より二人の目が必要で、リーダーシップを発揮するには他者と力を合わせる能力が欠かせません。加えて、女子校は異性がいないこともあって皆が平等だったので、こうした環境で培った「誰とでも平等に話せる力」も役に立っています。
柳田 私は中高で様々な女子に出会えたことで「女子を見抜く力」が鍛えられました。 また、中高時代には何でも一人でやろうとしていましたが、友だちが注意してくれたおかげで、間違いを認めて自分を変えていく勇気も必要だと気づきました。 今も、リーダーとして大事な資質は人の話を聞く耳を持つことだと思っています。
平井 最後に、皆さんに向けてメッセージをお願いします。
水野 九段校には愛校心ある生徒が集まっていて、皆が一丸となって目標達成に取り組む校風があります。九段校での生活は、皆さんにとってきっと、今後の人生で必要な自分の軸を確立できる機会になるでしょう。
柳田 個性豊かな生徒たちが集まる刺激的な環境の中で、人や社会に優しい女性に育っていただきたいですね。和洋学園には、社会に出たあと助けてくれるOGがたくさんいます。私も一先輩として皆さんの力になれたらと思います。
校長より学校紹介
和洋学園は明治30年、堀越千代によって和洋裁縫女学院として創立されました。九段校の教育の特徴は「伝統と先進の融合」です。伝統的な和の教育と最新設備を生かした21世紀型教育を両輪として、生徒の将来へとつながる学びを展開しています。
国府台校は日本の伝統文化の学びを大切にしています。同時に社会の変化にも対応し、近年は和洋女子大学との高大7年制共育を開始しました。「凛として生きる」という教育目標のもと、自らの信念を貫く精神力をもって行動する女性を育成してまいります。
後援:読売新聞東京本社
和洋女子大学大学院
和洋国府台女子中学校高等学校
千葉県市川市国府台2-3-1
東京都千代田区九段北1-12-12