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知っておきたい、絆創膏(ばんそうこう)の選び方―UVカットで傷にも優しく

 うっかりできてしまった切り傷や擦り傷。家庭での応急処置に欠かせない絆創膏ばんそうこうですが、この10年近くで傷の治し方の常識が変わり、痛みを抑え、早くきれいに治せる素材を使った商品が市場のトレンドになっています。これから肌の露出が増える時期、傷跡を残さないのはもちろん、治療中も目立たせずに、オシャレを存分に楽しみたいもの。どんな点に気をつけて選べばいいか、絆創膏メーカー「東洋化学」(滋賀県日野町)の担当者に聞きました。

目次
◆伸びる「ハイドロコロイド」絆創膏-消毒、かさぶたNGの新常識!?
◆カギは「モイストヒーリング」-なぜ、早くきれいに治るの?
◆紫外線にも気をつけたい-業界初、99%UVカットの絆創膏
◆最薄0.15mmへの挑戦-メイクのりもばっちり
◆【東洋化学、どんな会社?】-ウレタン不織布の絆創膏を初めて開発

伸びる「ハイドロコロイド」絆創膏-消毒、かさぶたNGの新常識!?

秦 謙二さん

 「私たちが子どもの頃は、けがをしたら消毒して、かさぶたにして治すのが当たり前でしたが、今ではどちらもしないほうがいいとされています」

 そう話すのは、1959年に創業し、68年から絆創膏の製品開発に取り組み続けている「東洋化学」(滋賀県日野町)営業部課長の秦謙二さんです。

 感染症の危険性がない日常的なけがの場合、傷口を乾かさずに湿った状態を保つことで自然治癒力を高める「モイストヒーリング(湿潤療法)」が注目されるようになってきました。

 絆創膏といえば、傷口の保護を目的に、中央部分がガーゼになった塩化ビニール素材の商品が一般的でしたが、この治療法に対応した「ハイドロコロイド素材」の商品(※1)が続々と販売され、今では市場のおよそ5分の1を占めるまでになっているそうです。 秦さんは「きれいに早く治したければ、まずはハイドロコロイドという素材に注目して選んでみてください」とおすすめします。

※1 これら製品は従来の救急絆創膏とは異なり、家庭用創傷パッドと呼ばれる医療機器になります。使用方法が救急絆創膏と違いますので、各製品の添付文書をよく読んでご使用ください

カギは「モイストヒーリング」-なぜ、早くきれいに治るの?

窪田 大亮さん

 モイストヒーリング(湿潤療法)について、技術部課長の窪田大亮さんに詳しく聞きました。「傷を再生する細胞は、乾いた状態だと生きられない」というのが、知っておくべきポイントだそうです。

 体は傷ができると、皮膚表面の細胞(上皮細胞)を再生させ、傷口を修復しようとしますが、乾燥した状態ではせっかく再生した細胞が死滅してしまいます。そのため、傷口から体液をしみ出させ、湿潤状態をつくりだそうとします。体液には修復を促進する細胞(線維芽細胞)の活動を活発にする成分も含まれ、重要な役割を果たします。

 これまでは、この貴重な体液をガーゼで吸い取って乾燥させ、細胞を死滅させてかさぶたをつくっていました。これだと、傷の治りが遅くなるだけでなく、かさぶたができた分だけへこんだ状態で再生されるために跡が残りやすくなります。消毒液も、修復に必要な細胞までも一緒に破壊していました。

モイストヒーリングで、痛みをやわらげ、早くきれいに治す
傷口に集まる体液の「傷を治す成分」をゲル状で保持することにより、痛みを緩和し、皮膚本来の自然治癒力を高め傷を早くきれいに治します。

 モイストヒーリングの特質を最大限生かすため、東洋化学が開発した全面ハイドロコロイド素材の絆創膏「キズクイック」は、ゴム系の粘着剤の中に水分を吸収・保持する粉末を練りこんだ粘着フィルムになっており、体液をキープし、乾燥を防いでかさぶたをつくらせません。このため、乾燥によって神経が刺激されて生じる痛みや、かさぶたができるときに感じるかゆみなどの治療過程での不快感を軽減することができます。

 「異物や細菌を水で洗い流し、後は貼るだけ。傷口への負担が少なく、スムーズで跡が残りにくい。密着性や防水性にも優れているので、はがした時に白くふやけたり、かぶれたりする不安も少なくて済みます」(窪田さん)

紫外線にも気をつけたい-業界初、99%UVカットの絆創膏

 さらに、日差しが強まるこれからの季節、「傷跡を残したくなければ、紫外線には特に気をつけてほしい」と、窪田さんは注意を促します。

 皮膚表面が破れた状態の傷口はバリア機能が衰えていて、紫外線があたると色素沈着を起こし、跡が残りやすくなります。治り始めは表面だけがふさがった状態で、内部は完治していないので、治ったように見えてからもしばらくは紫外線にあてないようにすることが大切です。

 顔や指などは衣服でカバーすることが難しいため、東洋化学では「キズクイック」のフィルムに工夫を施し、シミやそばかすの原因となる「紫外線B波(UVB)」を業界初の99%までカットする「キズクイックfit」を開発。女性の購入客からは「これを貼っていれば、日中も安心して外出できる」という声が寄せられているそうです。

 シミやしわ、くすみ改善のためにレーザー治療をする人も増えていますが、レーザーを照射した直後の肌も軽い傷ができている状態と変わりません。紫外線や摩擦で悪化する可能性があり、治療後の使用もおすすめです。 (※2)

※2 使用に関しては、医師とご相談ください

最薄0.15mmへの挑戦-メイクのりもばっちり

貼っていても目立ちにくい「キズクイックfit」

 東洋化学では、絆創膏の使用部位の8割が指まわりというデータ(※3)から、動かしやすさを追求し、従来品の限界を超える薄さに挑戦。5年間で150回の試作を重ね、「キズクイック」で0.3mm、「キズクイックfit」で0.15mmまで厚みを抑えました。

 さらに、けがを知られることが恥ずかしいという女性客の悩みにこたえ、いずれの商品も透明な肌色フィルムの表面に、特殊なエンボス(細かい凹凸)加工をつけて光を反射させ、肌と一体化して目立ちにくい構造に。パウダーファンデーションもなじみやすく、顔に貼る場合は上からメークすれば、遠目ではほぼ分からないそうです。

 窪田さんは「ゼロベースから研究を積み上げ、試行錯誤を繰り返して開発を進めました。ぜひ多くの方に効果を実感していただけるとうれしいですね」と話していました。

※3 モニプラ「絆創膏に関するアンケート」で「絆創膏を貼る部分はどこが多いですか」の質問に対して「指先」「指関節」と回答した人の割合(2011年6月、n=1124 )

【東洋化学、どんな会社?】 ウレタン不織布の絆創膏を初めて開発

岡 哲平さん

 「東洋化学」は2024年6月24日、会社設立から50周年を迎えます。ウレタン不織布の絆創膏を1986年、国内で初めて開発した会社として、技術力には定評があり、業界内では知られた存在です。

 2000年頃までは、製薬・医療業界のメーカーから商品製造を請け負うOEM、ドラッグストアのプライベートブランド(PB)商品の製造が中心でしたが、自社工場で「ハイドロコロイド絆創膏」を一貫生産する技術力の強みを生かそうと、05年以降、自社開発品の販売を強化する体制にシフト。PB商品にも自社開発品を供給するようになりました。

 07年には、開発力のさらなる向上を目指して技術開発部を新設。生活者のニーズや困りごとをきめ細かにくみ取り、それを解決する商品を市場に投入する「マーケットイン」の視点で、開発を進めています。

 取締役企画開発部長の岡哲平さんは「開発こそが企業の発展のエンジンという創業者の思いを受け継ぎ、1㎜の差にもこだわり、熱意を注ぎ込んできました。今後も健康で快適な生活を支えられるよう、100周年に向けて愚直にものづくりを極めていきたいです」と展望を語ってくれました。