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高齢者施設入居までのスケジュール

シニアライフ・コンサルタント
武谷 美奈子 さん
学習院大学卒業。福祉住環境コーディネーター、宅地建物取引士。これまでに2万件以上の高齢者住宅の入居相談を受ける。著書に共著で『これで失敗しない!有料老人ホーム賢い選び方』(日経BP社)

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今年もあと3ヶ月を切りました。年内に高齢者施設に入居したい場合は、準備を始めるタイムリミットと言えるかもしれません。まずは何から取り組めば良いでしょうか。順番に説明していきます。

①家族会議

高齢者施設への入居の検討を始める場合にまず取り組むべきことは、入居したい施設の条件の優先順位を、家族全員の一致で決めることです。最初が肝心です。

高齢者施設は、費用・立地・医療体制・サービス内容・人員配置など、それぞれ特徴があります。また希望する条件は各々の身体状況や環境などで変わってくるでしょう。

理想をあげたらキリがなく、また、多くの特徴ある施設を実際に見ると迷いが生じるものです。希望条件の全てをかなえる施設は無いと考え、どこかで妥協しなくてはなりません。その時に立ち返るべき譲れない条件は何かを家族で確認しておきましょう。優先順位がはっきりしていれば、判断に時間を要しません。また家族と本人の希望条件が一致していることは、施設探しがスムースに運ぶ鍵となります。

②情報収集

条件の整理・優先順位づけができたら、次に行うのは情報収集です。情報収集のコツは、情報源を偏ることなく広く持つことです。まずはケアマネジャーや経験者の知り合いなど周囲に相談してみましょう。

新聞やインターネットを活用すれば瞬時にかなりの情報を入手できます。新聞では、特集紙面などで高齢者施設についての信頼できる情報を入手でき、インターネットでは条件を入力して検索できる高齢者施設のポータルサイトが増え、また各々の高齢者施設のホームページも充実しています。

また、高齢者施設の紹介センターを利用するのも1つの方法です。最初の面談で状況を伝えれば、条件にあった施設が紹介され、見学予約の手配もしてもらえます。忙しい中で効率的に探したい場合には、とても重宝するサービスです。ただし、任せきりにするのではなく、自身も情報収集を怠らないようにしましょう。紹介内容に偏りや疑問が生じた場合は、セカンドオピニオンを求めるべく別の紹介センターを利用してみるのも良いでしょう。

③施設見学

次に行うのは施設見学です。見学は1つではなく複数の施設を比較検討しましょう。百聞は一見にしかずという通り、見ると聞くでは情報量に圧倒的な差があります。

できれば1人ではなく何人かで見学すると、自分では気づかなかった視点での見解を得ることができます。また、1回ではなく時間帯を変えて再度見学することで、その施設のさまざまな表情を見ることができます。

1回の限られた時間の見学を充実させるためには、チェックすべき点を予習しておくことが大切です。インターネットで検索すると高齢者施設の見学チェックシートがダウンロードできるサイトがありますので、ぜひ活用してみてください。

④体験入居

入りたい施設が見つかったら、本契約の前に体験入居をしましょう。食事や入浴、運動、レクリエーションなどを他の入居者と一緒に行い、入居した場合のリアルなイメージを掴むことができます。また、どんな入居者がいるか、友達はできそうか、夜間のサービスや緊急体制はどうか、スタッフの働きぶりなど、見学ではわからなかったことが確認できます。

また、体験入居する際には健康診断書が必要になります。早めに準備をしておきましょう。

なお、体験入居は本人しかできません。ご家族は本人の意見をしっかり聞いて判断しましょう。認知症の人は不穏状態が続くことも考えられます。その場合は施設のスタッフと密にコミュニケーションを取り、安心して預けられるかどうかを判断しましょう。

⑤入居契約

体験入居で納得が行けば、いよいよ入居契約です。契約に際しては入居契約書・管理規定・重要事項説明書等、多くの書類に目を通す必要があります。契約に臨む前に余裕を持って書類を受け取り、しっかり理解しておくことが大切です。

後々トラブルになりやすいのは、退去要件(契約解除)と費用です。認知症症状の進行、医療ケアが必要になる、長期入院など、身体状況が変化した時に施設側から契約解除ができる要件が明記してあります。費用については、入居金の返還金制度、月額費用の内訳、別途費用項目など、十分に確認しておきましょう。当然ですが契約は自己責任で、何かあった時に知らなかったでは済みません。わからないことがあれば施設の入居相談員に納得のいくまで説明を求めましょう。

また契約時には保証人を立てる必要があります。保証人の役割は入院手続き、治療方針の判断、費用支払いが滞った時の債務履行をする連帯保証、入居者が亡くなった時の身柄の引き受けなどです。保証人の検討も早めにしておきましょう。

⑥本入居

契約が終わればいよいよ入居です。お部屋の間取りに合わせて必要であれば家具などを揃え、居心地の良い空間を作るようにしましょう。

十分に検討したつもりでも、想定外のことが起こるかもしれません。高齢者施設には90日間のクーリング・オフ期間がありますので、施設を見極める最後の期間として考えるとよいでしょう。

また、入居後の生活の質は、家族がどれだけ施設とコミュニケーションが取れているかで変わってきます。入居者本人の嗜好や性格などの情報をスタッフに伝えることも家族の役割と考えましょう。

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