大阪産業大学
2025年4月、工学教育1世紀の歴史を進化させた理系学部開設
トップインタビュー
文理問わず、来たれ 「試行錯誤」を楽しむ新学部
大阪産業大学 小川 和彦 学長
記念すべき60周年に3つの新しい学部を設置
本学は、1928年に創立された大阪鉄道学校が母体で、2028年には学園創立100周年を迎えます。4年制大学の設置は1965年。大阪東部のものづくりの中心地域にキャンパスを置く、文系、理系、スポーツ系を含む総合大学です。大学創立60周年にあたる来年2025年4月、3つの理系学部を新設します。1世紀にわたる工学教育の歴史を進化させた、その新たな学部のテーマは、「シコーサクゴを楽しもう」。試行錯誤とは、闇雲にただ試すということではありません。大学で得た知識や技能をもとに、どのような結果になるのか予測を立て、問題解決にふさわしい方法を試すこと。例えば試した結果が予測と違っても、7割達成したなら、そこには喜びも生まれます。試行錯誤が楽しみになるはずです。
新学部は一般的には理系と捉えられますが、今や学問が文系・理系に分けられない時代です。AIやデータサイエンスは文系でも必須ですし、エンジニアは、事故が起こったときの責任の所在など倫理や法律の問題や、経済・社会情勢を意識する必要があります。文系・理系の垣根を払った新学部に多くの学生に挑戦してほしいと思っています。
「偉大なる平凡人」こそ企業が求める人材
本学の建学の精神「偉大なる平凡人たれ」という言葉は、名声や利益を追い求めるのではなく、たとえ目立たないことであっても誠実に対応し、社会に貢献する人物を養成することを表しています。この独自の学風は、現在も確かに息づいており、本学の学生は誠実に努力し、誰とでも気軽に話せる学生が多いのです。そんな学生たちは、さまざまな分野の企業から、大きな評価をいただいています。これは、学長の私の自慢です。
【情報デザイン学部】
人々の心を豊かにする未来社会のデザイン
情報システムは現代社会の基盤です。本学部では数理・データサイエンスを基礎として、情報を「つくる」デザインと「つかう」デザインの両分野を対象としています。情報を「つくる」デザインでは、情報システムの設計・構築ができる人材、一方、情報を「つかう」デザインでは、情報メディアの制作・編集ができる人材を目指します。その上で理系と文系の両者が集い、「人に優しい」情報システムを構築するために重要な感性と創造力、情報に関わる幅広い視野と実践力を培うことが目標です。
フィールド教育科目では、社会における情報産業の全体像を捉え、現場での問題を発見できる能力と解決できる能力を培います。専門科目では、システム系だけでなくメディア系科目を設置。敢えてコースを分けずに、学生が入学後、自分の能力特性と志向性に合わせて、システムとメディアの履修科目数を自由に選択・調整できるよう工夫しています。
「つくる」デザインと「つかう」デザインの両面から創造力と実践力を培い、情報システムの担い手となってもらいたいと考えています。一緒に、未来社会をデザインしていきましょう。
【建築・環境デザイン学部】
入学してからふさわしい職業を考えよう
「建築」や「環境デザイン」と聞いて、“キラキラ”したイメージを持たれるかと思いますが、具体的にはどのような仕事をするのでしょうか。一言でいえば「街をデザインする」仕事です。その中には建築もあるし、橋や道路、水の供給や排水、防災、自然環境・住環境のデザイン、インテリアなどなど、たくさんの仕事があります。自分は何をしたいのか。今はまだ見えていないことが、好きになるかもしれませんよね。
本学部では、建築や環境などに関する6つのコースを設けています。1年次に各コースの学びに触れ、将来の職種のイメージをしっかり理解し、自分の志向を見極めた上で、2年次にコースを選択できます。各コースの特色を活かした資格取得を目指すこともできます。全コースで一・二級建築士の受験資格が取得できますし、この学問系統では珍しい測量士補資格や理科教員免許の取得も可能になる予定です。
ものづくりがしたい、就職に手堅い建設・都市インフラの仕事に就きたい、教員になりたいなど、夢は広がります。本学部は、デザイナーとしての基礎力を駆使して、いかなる分野においても活躍できる「幅広い職業人」を養成していきます。
【システム工学部】
“就職に強い本学工学部”の伝統を継承
自動車、鉄道、家電製品などの「ハードウェア」は、今ではプログラミングなどの「ソフトウェア」なしでは動きません。今までなかった便利さを実現する新しい「しくみ」を創造するためには、これまでの工学とは違った視点が必要です。新しいシステム工学部では、まず、すべてのコースで、ソフトウェアとハードウェアとの融合を可能にする「システム工学」を学びます。さらに、コース毎に、機械工学や電気電子工学を基礎とした、核となるハードウェアの専門知識を実験・実習を通して修得します。
「自分は文系で数学・物理が苦手だ」と尻込みする必要はありません。工学に必要なポイントを押さえた「数学入門」「物理入門」の授業を用意しています。一方で、エンジニアにも必須の「文章の読解力や表現力」に苦手意識のある理系の学生も心配は無用です。技術文書の読解力や文章表現力を身に付けられる、本学オリジナルの工学系に特化した「日本語教育」で即戦力を養います。
“100%に近い就職率、就職先は選び放題”の本学工学部の伝統は、そのまま継承。卒業後は、近未来の産業社会で即戦力になるエンジニアとして活躍してください。
※2025年4月開設