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移住で見つけた熊本の魅力~新たな地域活性化への挑戦

阿蘇などの雄大な山々や菊池渓谷、天草諸島など多彩な自然に育まれた熊本県。豊かな水と美味しい食材、温泉にも恵まれた熊本で暮らし始めた「やまがBASE株式会社」CEO中原功寛(かつもと)さん、「株式会社SMO南小国」未来づくり事業部部長の安部千尋さんに仕事や生活について対談していただきました。

左・中原功寛さん、右・安部千尋さん

南小国の町おこしを目指して 安部

―熊本に移住する前は?

安部 大学卒業後、東京都の港区役所で働いた後、東日本大震災で被災した福島県のコミュニティーを支援する取り組みやNPO支援などの仕事をしていました。

中原 出身は山鹿(やまが)です。高校卒業後、米国の大学に留学して、卒業後はベンチャー企業の立ち上げに携わりました。その後、農林中央金庫に入行し、MBA取得のため再び米留学。帰国後、ベンチャー企業に復帰したのですが、新型コロナをきっかけに熊本に戻って来ました。

―熊本に移住したきっかけは?

安部 南小国町(みなみおぐにまち)が東京での町おこしイベントに出展していたのが出会いです。夫が大分市出身なので帰省した時に伺って親交が深まり、東京で黒川温泉などを紹介するイベントも自主企画しました。オンライン会議をしながらイベントをつくり上げていくのが面白かった。良い仕事ができそうだと思って、コロナ禍前の19年に移住しました。もともと熊本県に縁があった訳ではないので、いわゆるIターンですね。

南小国町への移住について語る安部千尋さん

中原 私はUターンです。コロナ流行時、都内のマンションに住んでいて、緊急事態宣言で子どもたちは学校に行けず、外出もできなかった。家賃も高いし、コロナ禍前から父に実家の畑をどうするかと相談を受けていたことからも、家族と相談し「一度熊本に帰ろうか」と戻ってきました。

母校をコワーキング・宿泊施設に 中原

―お二人が取り組んでいる事業内容を教えてください

中原 母校である山鹿市の旧千田小学校の廃校舎を活用して、コワーキングスペースや宿泊機能を有する施設「YAMAGA BASE」に再生させ、4月のオープンに向けて取り組んでいます。ほかにも、山鹿市内の複数企業と一緒になって、農業や観光業といった季節的な人材需要のある業種や、季節に関わらず慢性的な人材不足の課題を持つ事業者に人材を派遣することができる、特定地域づくり事業協同組合「やまがBASE事業協同組合」を設立しました。私自身も別会社を通じ農業に携わる中で人材不足の課題を痛感したことがきっかけです。昨年3月に県内二例目の特定地域づくり事業協同組合として認定され、同年6月より本格的に事業をスタートしました。組合では今年の3月までに3名を採用しましたが、皆さん山鹿市外からの移住者です。

廃校舎を活用した施設「YAMAGA BASE」について語る中原功寛さん

安部 私が所属するSMO南小国は、物産館と観光協会が機能融合して18年に設立されました。町が99%の株式を持ち、事業内容は地域商社、観光振興、情報発信、人材育成の4つです。私は人材育成の担当として、町の課題である慢性的な人手不足を克服するため、多様な方が活躍できる「地域の人事部」事業を試みています。具体的には、起業や新規事業に取り組む人の支援や、都市部の人のオンラインでの兼業プログラム、移住希望者向けの宿泊体験を開催しています。人が地域のためにいるのではなく、人が集まってこその地域なので、住んでいる人や「いいな」と思って来てくれた人が生き生きできる環境づくりに気をつけています。

―今後やってみたい事業はありますか

中原 現在、YAMAGA BASEのオープン準備が佳境を迎えていて、3月末のオープニングイベントの準備やクラウドファンディングにも挑戦中です。ただオープンしてからがようやくスタートだと思いますので、YAMAGA BASEを利用してくださる皆さんが、この場所から新しいことに挑戦したり、新しい仲間に出会ったりすることができる環境を提供していければと思います。少子高齢化、それに伴う産業の衰退という負のスパイラルを正のスパイラルに転換できるきっかけを、ここ山鹿で作れればなお嬉しいですね。

体育館も使用可能と語る中原功寛さん※画像をクリックするとやまがBASEオフィシャルアカウントがひらきます

安部 私たちも「南小国に行ってみたい」という方に向けた地域を深く知れるフィールドワークなどを用意しています。インスタグラムで発信しているのでぜひ最新情報を見ていただきたいです。みなさんと、ワクワクすることができたらなと思います。

SMO南小国のオフィスを紹介する安部千尋さん※画像をクリックするとSMO南小国のサイトにリンクします

都会の非日常が熊本の日常にあふれている 中原

―熊本ならではのものと感じることは?

中原 温泉は東京にいると非日常。その非日常がここでは日常です。他にも、東京でフットサルする時は、商業施設の屋上にあるコートを借りるだけでも1時間2万円を皆で出し合っていましたが、ここでは、スポーツするスペースも十分にあります。都会の非日常が身近にあふれているのは田舎ならではと感じます。仕事の面では、コミュニティーがいい意味で狭いです。共通の知人がいたり、皆さんすごく繋がっている。おかげで話が早いなという場面もたくさんあります。

安部 そうですね。顔が見える関係性や距離の近さは感じます。南小国町は観光地でもあるので、移住者が目立つ感じもないです。顔が見えるので、自分がした仕事がどう展開していくか、良かったこと悪かったことがわかるのがとても面白いですし、やりがいがあります。

―それぞれの地域の魅力を教えてください

安部 阿蘇や南小国町はすごく美しい所ですし、地域を維持しようとして、50年100年先を考えて生活を営んでいる方が老若男女問わずいます。悲壮感がなく、新しいことをワクワクしながら実践する方もいるし、淡々とやってらっしゃる方もいる。そこがすごく魅力的です。

中原 湧出量も多く泉質も日本屈指と言われる山鹿温泉や平山温泉、水がきれいな矢谷渓谷や岳間渓谷といった豊かな自然、菊池川流域に栄える農業など沢山の魅力があります。また、チブサン古墳をはじめとする装飾古墳、参勤交代が行われた豊前街道、明治の芝居小屋八千代座など歴史も非常に豊かです。山鹿灯籠や渋団扇など何百年もその伝統を守る職人もいらっしゃれば、菊鹿ワインや山鹿シルクなど新しい挑戦を通じ世界と勝負するような企業もある。癒しと挑戦、伝統と革新といった一見対立する概念が共存しているのが山鹿市のユニークなところであり、魅力だなと改めて感じます。

祭りやあいさつで子どもを歓迎 安部

―実際に移住してみて、仕事や生活はどう変わりましたか?

中原 子どもが小6と小3。引っ越してすぐは農業も手伝ってくれていましたが、最近は2人ともテニスに夢中です。家族とも話し「駄目ならまた引っ越せばいい」と言って移住してきて3年が経ちました。俳句が趣味の義父も一緒に移住し、東京の句会にはオンラインで参加しながら、熊本でも俳句仲間と出かけ忙しそうにしています。

安部 私も同じく子どもは2人で、小3と0歳児です。移住前、夫は大学からずっと東京にいて、仕事もリモートでしていました。子どもは小学校入学前、引っ越すならこのタイミングと思い、家も見つかり、とんとん拍子に進みました。地域の行事で十五夜さん、獅子舞やお祭りがあり、子どもが地域に歓迎されていると感じます。とてもありがたいですね。

理想とのギャップが無いように自分で判断を 中原

―地方移住のメリットやデメリットについて、どのように考えますか?

中原 自然豊かな所で子育てしたい人もいれば、交通が便利なところを重視したいと思う人もいます。近所づきあいが好きな人もいれば、そうでない方もいます。メリットもデメリットも本当に人それぞれだと思います。

安部 そうですね。私は自然が大好きというわけでもなく、仕事がしたくて来たのですが、南小国が素敵だという思いがあったからこそ移住したいと思いました。「ここに住みたい」と強く思ったらデメリットも乗り越えられます。

―移住を検討されている方に対するアドバイスをお願いします

安部 まずはいいなと思ったところに行ってみるといいと思います。実際に住んでいる方に話を聞いてみるのもおすすめですね。自分の優先順位が見つかると、決断ができます。

中原 人に言われて移住すると、理想とのギャップがあったりするので、自分で判断することが大切です。移住は大きな決断なので自分の目で確かめることも重要だと思います。

熊本県移住定住アドバイザー 立花恵香さんに聞きました

熊本県移住定住アドバイザー 立花恵香さん

仕事や自然、生活環境など、優先順位を決めて移住検討を

 熊本県では、東京・大阪・福岡・熊本の4か所に相談窓口を設けて、「移住が気になる!」、「熊本県について知りたい!」という皆さんからの御相談を受け付けています。移住後の仕事についても、是非お気軽にご相談ください。
 また、熊本県移住定住ポータルサイト「KUMAMOTO LIFE」では、市町村の魅力や住まい・子育てなどをはじめとした支援制度を紹介しています。また、県や市町村が開催する移住相談会などのイベント情報も更新中です。
 仕事、自然、のびのび暮らせる生活環境など、移住にあたって何を重視するかは、皆さんそれぞれに考えがあると思います。優先順位や自分の中で譲れないことを決めて、移住を通じて実現したいことを探してみてください。

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熊本県移住定住ポータルサイト KUMAMOTO LIFE
熊本県UIJターン就職支援センター