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コマツの挑戦が拓く カーボンニュートラルな未来

開発本部 技監 濵口さん(左) 開発本部 中川さん(右) コマツ大阪工場にて

 カーボンニュートラルに向けた取り組みのあり方が、企業価値そのものに直結する現在。どんな企業で働くかを選択する際にも、そこでの仕事を通じて社会と地球環境にどのように貢献できるかが、今後ますます重要なポイントになるだろう。日本屈指のグローバル企業である建設・鉱山機械大手のコマツは世界150カ国を60の生産拠点と211の代理店でカバーしており、その卓越した技術力で、カーボンニュートラルの実現に向けて先駆的かつ地道な挑戦を続けている。

研究・開発・生産の三部門が一体となった大阪工場では、 日々、高い品質と信頼性を誇る製品を生み出している

 2023年度を電動化建機の市場導入元年と位置付け、多様な次世代建機を開発・導入する中で、主力の20トン、13トンの油圧ショベルやミニショベルの電動化を進めている。また、安全で生産性の高い水素燃料電池を搭載した油圧ショベルのコンセプトマシンを開発し、2023年5月より実証実験を開始した。それら最先端の取り組みの中から、水素燃料電池を搭載した油圧ショベルの開発メンバーに話を聞いた。

水素燃料電池を搭載した建機で、クリーンでスマートな未来の現場をつくる

開発本部 技監 濵口さん

 2030年までに2010年比でCO₂の排出量を半減し、再生可能エネルギーの比率を50%に引き上げること。そしてチャレンジ目標として2050年までにCO₂排出を実質ゼロとすること。水素燃料電池を搭載した油圧ショベルは、カーボンニュートラル実現のためのコンセプトマシンとして、開発がスタートしました。油圧ショベルは建設機械の中でも汎用性が最も高く、都市土木をはじめさまざまな現場や用途で使用されています。このように幅広く使用されている製品の電動化がカーボンニュートラル実現に果たす役割は大きいと考えます。

水素燃料電池を搭載した油圧ショベルのコンセプトマシン
 

 水素燃料電池を搭載した油圧ショベルの開発は我々にとって今回が初めてのことで、そもそも建機は一般の乗用車と比べて重量があり、はるかに強大なパワーが求められるので、容易なミッションではありませんでした。実証実験ではマシンの性能がどこまで発揮できるかを重要視していましたが、結果、現在多く使われているディーゼル車と比較しても遜色ありませんでした。

 電動化建機との違いを質問されることがありますが、電気でモーターを動かすという意味では水素燃料電池搭載建機も電動化建機です。バッテリー搭載建機とは異なり、バッテリーの代わりに水素で電気を起こす燃料電池を搭載しているのです。バッテリーに比べて車両を軽くすることができますし、電気がない場所でも使える点も大きなメリットになるはずです。

 建機における水素利用のためには、水素ステーションおよび、建設現場へ水素を運ぶ水素供給車等の整備が課題ですが、近い将来の量産化を実現させるためにも、我々は今回の実証実験をもとにさらなる技術開発を進めています。

水素燃料電池を搭載した油圧ショベルの現場での稼働イメージ
水素燃料電池の搭載はダンプトラックでも開発が進む(イメージ)

挑戦を全力でサポートする風土と、社員の安全と健康を最優先する合言葉

 今回の水素燃料電池プロジェクトは、実はかなりの短納期で、我々としてはハードルの高いチャレンジでした。しかし、そういう時こそ発揮される“チーム力”が当社の強みで、ミッションを達成するために、開発部門のメンバーはもちろん、他部門や協力企業の皆さまなどあらゆるメンバーが一丸となって、「よし、頑張っていこう!」と協力し合うんです。今回のプロジェクトも、そのチーム力のおかげでほぼ目標通りのスケジュールで高いクオリティーを達成することができました。

初めてのチャレンジも自慢の“チーム力”で達成

 それから、当社には物事を判断する際の優先順位として「SLQDC=Safety(安全)、Low(コンプライアンス)、Quality(品質)、Delivery(納期)、Cost(コスト)」があります。その中でも特に、社員の安全と健康を守ること、そしてコンプライアンスの徹底が、何よりも優先されています。社員ひとりひとりが安全に働き、身体だけでなく心も健康で日々を過ごすことがすべての原点であるということを、まるで合言葉のように、本当に大切に考えているんです。それは会社の大きな資産だと私は思っています。

 毎年のように大きな台風が来たり、世界では大規模な干ばつや山火事が起こるなど、地球温暖化によって環境が大きく変動する中、カーボンニュートラルへの取り組みは最優先で取り組まなければならない課題のひとつです。私たちはこれからも挑戦を続けていきます。

入社5年目で挑戦した水素燃料電池プロジェクト そして、これからの自分を思い描く楽しみ

開発本部 中川さん

 水素燃料電池を搭載した油圧ショベルの開発を担当させてもらったのは、入社5年目のことでした。建機に水素燃料電池を搭載するという試みは社内で前例がなかったので、かなり未知の要素が多いプロジェクトに携われることにワクワクした記憶があります。新たな課題への対応力とスピード感が求められる中で、プロジェクトリーダーを含めメンバーに恵まれたおかげで、不安だったことも言葉にして共有することで解消され、皆で力を出し合いながらどんどん仕事が達成されていった印象です。

 今回のプロジェクトで難しかったのは、水素燃料電池の冷却装置に求められる性能がエンジン車に比べて高く、その性能をどう成立させるかということでした。学生時代は机上の理論で学ぶことが多かったのですが、自分が専攻してきた機械工学の4力学(材料、熱、流体、機械)の知見をもとに設計をし、実機で検証できることは非常に有意義な経験です。

 入社後、SDGsの領域に関する情報や知見を吸収し、今回、水素燃料電池のプロジェクトに携わった経験からも、改めて温暖化という地球規模の課題に取り組む重要性を認識しました。当社のカーボンニュートラルに向けた取り組みはこれからも続いていくので、それに関連する開発に携わっていきたいなと思っています。

 当社は海外にも開発拠点があり、活躍するフィールドはグローバルです。私自身、カーボンニュートラルへの意識が高いヨーロッパやアメリカの開発拠点でも経験を積んでみたいと考えています。そうやって仕事を通じ成長しながら、いつかは「この人と仕事がしたい」と思われるような人になりたいですし、ひいてはそれが会社の価値を高める一助となり、これから社会に出る人たちに「コマツで働いてみたい」と思ってもらえたら嬉しいです。

—— 挑戦を楽しむことが未来をつくる。コマツで働く二人の笑顔がそれを体現している。