大阪・奈良・京都を結ぶ「あをによし」の 特長と楽しみ方をご紹介します。
「和」を意識した三都を結ぶ新しい観光特急が登場
近鉄が運行する、大阪と吉野を結ぶ観光特急「青の交響曲(シンフォニー)」や、上質なくつろぎのもと伊勢志摩へといざなう観光特急「しまかぜ」も人気の観光列車の一つ。そんな近鉄から4月29日、新しい観光特急「あをによし」が運行開始します。
「あをによし」は大阪から奈良、そして京都の三都を結ぶ特急。今回初めて、近鉄の主要駅である大阪難波、近鉄奈良、京都を乗り換えなしで結ぶことになります(原則木曜日を除く毎日運行)。車両名の「あをによし」は、古都奈良の枕詞。奈良の都の美しさをイメージして名付けられました。「奈良の和」の美しさや尊さを意識し、車両の内外装には奈良時代の正倉院宝物に使用されている「天平文様」をモチーフにした柄や色使いが施されています。
車内はゆとりある上質な空間に
「あをによし」に乗車し、大阪から世界遺産や国宝が数多く点在する奈良、京都へ。車内に一歩足を踏み入れると、華やかな天平文様があしらわれたエレガントな雰囲気に、さっそく旅心がくすぐられます。座席は2名用のツインシートと3~4名用のサロンシートの2種類があり、特に通路を挟んで1列+1列の全席ツインシートの座席配列は、近鉄初のレイアウトです。
この配置は、途中の近鉄奈良駅で進行方向が前後入れ替わるため、乗り換えずに京都(または大阪)まで直通するお客さまが、座席の転換をしなくていいように考えられたもの。機能的かつ、ゆったりできる工夫がされています。
こだわりPOINT! 目指したのは、“電車らしくない”座席!
今回、「電車らしくない座席」を目指して開発が行われました。近鉄技術管理部の担当者が、家具メーカーのショールームをいくつも見て回り、さまざまなソファの中から大阪市に本社を持つ相合家具製作所のシートを選定。家具用のシートは車両の規格や寸法などの制約によりそのまま使用できないため、適合させるための試行錯誤を繰り返しました。座った瞬間のやわらかなクッション性に特にこだわり、快適な座り心地を実現しました。
車内限定スイーツでティータイムを
「あをによし」は、列車旅の楽しみでもある飲食のメニューも充実しています。正倉院の校倉造り(あぜくらづくり)を模したデザインの販売カウンターでは、サーバーから注ぐクラフトビールや奈良・京都の地酒、奈良産フルーツのジュースなど、バラエティーに富んだドリンクやスイーツが揃います。なかでも注目は、シェラトン都ホテルが「あをによし」の車体カラーをイメージして作ったバターサンド。軽い歯応えのサブレに濃厚なバタークリームをサンドし、コーヒーとの相性も抜群。ここでしか食べられない特別なスイーツなので、ぜひ座席でゆったりと味わってください。
軽食やおしゃべりを楽しんでいたら、約40分で奈良に到着。奈良からは約35分で京都に到着です。古都の名所へと向かう道中も、旅の大切な要素の一つ。いつもの特急料金に少し上乗せするだけで、これまでにないリッチな列車旅が堪能できます。くつろぎの大人旅にぴったりの「あをによし」、ぜひ一度お試しを。
※写真はすべてイメージです