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美術館をもっと身近な存在に 国立美術館が寄附を募る理由とは?

国立新美術館 「安齊重男の"私・写・録(パーソナル フォト アーカイブス)" 1970-2006」展示風景

皆さんは「美術館への寄附」という言葉に、どんなイメージを持ちますか?
例えばヨーロッパでは、市民が美術館を守るために寄附をするのは、身近なこととして知られています。しかし日本では寄附文化が根付いていないためか、少しハードルが高いと感じることも。

実際に日本の美術館の寄附形態はどうなっているのか調べたところ、窓口や取り組みは館によって様々でした。その中で目を引いたのが、国立美術館の「オンライン寄附サイト」。サイトをのぞいてみると、その名称からイメージしていた雰囲気とは少し違うような……? どのような活動をされているのか、実際に寄附担当の方にお話しを伺ってみました。

そもそも「国立美術館」ってなに?

国立美術館の「オンライン寄附サイト」は、独立行政法人国立美術館によって運営されています。では、そもそも「国立美術館」とは何でしょうか?

独立行政法人国立美術館は2001年4月に発足した、国立の美術館の運営・管理を行うための組織です。現在は東京国立近代美術館、国立工芸館、京都国立近代美術館、国立映画アーカイブ、国立西洋美術館、国立国際美術館、国立新美術館、がその対象となっています。こうして見ると、近現代の日本美術や、中世末期から20世紀半ばまでの西洋美術、工芸、映画など、多様なアートに触れられる個性豊かな館がそろっていますね。

左上から時計回りに、国立新美術館、国立西洋美術館、東京国立近代美術館、国立映画アーカイブ、国立国際美術館、国立工芸館、京都国立近代美術館

しかし各館の名前は知られていても、国立美術館という1つのまとまりや、具体的な事業内容はなかなか知られていないのだとか。国立美術館の「オンライン寄附サイト」は寄附の受入窓口であるだけでなく、そういった美術館の様々な事業について紹介する窓口でもあります。

「国立美術館というあまり知られていない組織から寄附をお願いされても、戸惑いますよね。ですからまずは美術館の活動を知ってもらい、好きになってもらうことを目指したサイトを作りました。応援したいという気持ちの先に寄附があったら良いなと思うんです」と寄附担当の方。

美術館というと展覧会を開催する場所という印象が強いですが、他にもいろいろな役割があるようです。さらに詳しくみてみましょう。

美術館の役割とは?

美術館の役割は多岐にわたります。美術館のすべての事業の基礎となる調査・研究をはじめ、作品を安全に守り伝え、快適な施設にするための整備、資料の収集など、さまざまな事業があるのだそう。

修復事業もそのひとつです。修復というと、作品を後世に伝えるために傷んだ箇所を直す仕事と思われがちですが、むしろ傷まないように事前にケアをすることが大切なのだとか。また、経年によって変化してしまった作品の制作当初の姿を取り戻し、作者の表現を鑑賞者に伝えやすくするのも、修復事業が力を入れている点だと言います。

岸田劉生《田村直臣七十歳記念之像》修復の様子(修復家 土師広) 修復作業によって制作当時に近い表現がよみがえった

東京国立近代美術館では、2023年3月17日より「修復」を切り口に同館の収蔵作品を紹介したコレクションによる小企画「修復の秘密」が開催されるとのこと。動画で取り上げた岸田劉生の作品も展示される予定です。普段あまり知ることのできない、修復の仕事や美術館の作品との向き合い方について触れられる好機となりそうですね。

ほかにも美術館では、未来を担う子どもたちに「見ることの面白さ」を伝えるための教育普及活動にも積極的に取り組んでいます。「見ることについて興味を持つ」「みんなで見て、見つけたことを話し合う」という力は、美術館の中に限らずこの先もあらゆるシーンで役立つもの。知識を増やし教養を高めるだけでなく、これからの時代に必要な共感力やコミュニケーション能力を伸ばすことができるのは、まさに美術館ならではといえるでしょう。

国立国際美術館の「ちっちゃなこどもびじゅつあー ~絵本もいっしょに~」の様子

もちろん子どもだけでなく、大人が体験できるものもあります。近年ではオンラインでのワークショップやガイドツアー、乳幼児と保護者の美術館デビューイベント、障がいの有無にかかわらず誰もが楽しめる企画など、豊富なプログラムが用意されています。

【各美術館の子ども向け教育普及プログラム】

美術館と深く関わる国立美術館の「オンライン寄附サイト」

オンライン寄附サイトTOP 操作はとても簡単で、税制優遇も受けられる

こうした様々な事業を継続的に支えることができるのが、寄附という応援の仕方です。
国立美術館の「オンライン寄附サイト」では、国民の財産であるナショナルコレクションを未来に伝えたい、子どもたちに豊かな体験をしてほしいなど、寄附する側の想いをダイレクトに伝えられるよう「事業を選んで支援」ができるようになっています。

また、よく行く美術館や、思い入れのある美術館を応援したいという気持ちに応えられるよう、「美術館を選んで支援」という選択も用意されています。もちろん国立美術館全体へ寄附することもできるので、迷ったときはここを選ぶのも良いですね。

加えて「1口1,000円」という寄附金額も魅力的。寄附というとそれなりの金額が最低ラインというイメージがありましたが、これなら気軽に応援ができそうです。

オリジナルグッズの特典にも注目

国立美術館オリジナルグッズ カラーリングが美しい水筒は、持ち運び便利な370mlサイズで保冷保温対応がうれしい

寄附は1口からできますが、10口(10,000円)以上の寄附には「国立美術館オリジナルグッズ」が進呈されます。このラインナップ、よく美術館へ行く方ならもうお分かりですね? そう、2023年1月にリニューアルしたこれらのグッズは「美術館へ行こう」というテーマのもとに作られたもの。付箋セット、サコッシュ、ポーチ、水筒は、美術館巡りの頼れる相棒となりそうです。

そのほか5口(5,000円)以上の寄附をした方には、5口ごとに1枚、国立美術館で開催される展覧会の招待券が送られます。寄附先以外の美術館の招待券を希望することも可能で、実際に「寄附特典の招待券を使って普段は見ないジャンルの展覧会へ行ったところ、その面白さに目覚めることができた」という声も届いたとか。こうしたきっかけが生まれるのも、個性豊かな館が集まってできた国立美術館ならではなのかもしれません。

寄附をすることで見えてくるもの

「寄附を通じて、美術館をより身近に感じてほしい」

これは寄附担当の方が繰り返し話されていた言葉です。寄附は美術館への直接的な支援になります。しかし、それだけでしょうか?

応援した事業の成果が出るとうれしい、応援した館が話題になると誇らしい──こんなふうに寄附をする側にも、今までとは違った角度から美術館を見つめる視線が生まれてくるような気がします。そしてそういったまなざしが、やがて美術館を守っていきたいという気持ちに繋がっていくのではないでしょうか。

左:優しいイラストで描かれたリーフレットには、寄附を通じて美術館をもっと身近に感じてほしいという想いが込められている
右:国立美術館寄附担当の皆さん

同サイトでは、寄附の際に「国立美術館へのメッセージ」を添えられるようになっています。「子どもたちに美術の楽しさを伝えてほしい」、「アートは多様性そのもので、心をやわらかくしてくれる。これからも応援している」、「コロナ禍で美術館に行けなくなり残念に思うと同時に、美術館が大切なところであると再認識した」など、温かい声が多いのだそう。

中にはリピーターとなり、親しみを込めたメッセージを届けてくれる方もいると言います。
「こういった声が届くと励みになるし、美術館を好きでいてくれることがとてもうれしい」と寄附担当の方は語ります。また、寄附窓口では応援をしてくれた方に対し、1人ずつパーソナルな返信をしているのだとか。

「寄附に対するお礼のメールは自動返信にしたくないと思って。応援してくださった方のことを考えながら、人と人との繋がりを大切にしています。とてもアナログなやり方ですが、そういうところが私たちらしさなのかもしれません」

美術館へよく訪れる方も、これから初めて訪れてみようと思っている方も、寄附を通じて深く美術館と関わってみてはいかがでしょうか。きっと新しい鑑賞体験が、あなたを待っているはずです。