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KENPO Action!「いま、未来のために意識改革を」 

急速に少子化と人手不足が進むわが国。女性たちがいきいきと働き、子どもたちが健やかに育つ社会をつくるために、いま何ができるのでしょうか。健康保険組合連合会(以下、「健保連」)が経済学者や医師などの有識者と先駆的な取り組みを行う健保組合を招き、シンポジウムを開催しました。

社会の活力維持のため今後も協力

来賓あいさつ

元女性活躍担当大臣
元東京オリンピック・パラリンピック担当大臣
丸川 珠代

女性の健康と子どもの未来についてさまざまな立場の方が共に考え、行動するための場を設けていただいたこと、元女性活躍担当大臣として感謝申し上げます。健保組合の活動は、加入者の健康と幸せを支えているだけでなく、国民皆保険制度・医療制度を守ることを通じて、社会の機能、活力を維持することに大きく貢献されています。私たちは今後も皆さまの取り組みをサポートしてまいります。

持続可能な社会の柱は 子どもと女性の健康増進

キーノート1「子育て支援は次世代への投資」

東京大学大学院
経済学研究科 教授
山口 慎太郎

2023年の合計特殊出生率は1.20と過去最低を記録し、前代未聞のスピードで少子化が進んでいます。GDPや労働力率の低下に歯止めをかけるためには、子どもを持ちたい夫婦を支える仕組みづくりや、女性活躍の推進が重要です。今後も医療・年金制度を維持するには若い世代が健やかに育つことが必要なため、子育て支援は全世代に有益な取り組みといえます。

子育て支援に関しては、統計で「各先進国の男性の家事・育児などの負担割合と出生率には正の相関がある」と判明しています※1。わが国では労働時間の長さゆえに男性の家事・育児負担がかなり低い傾向にあるため、企業が男性の育児休業取得等をサポートすることが非常に重要です。

働く女性の健康についての調査では、約半数の女性が「生理や更年期など女性特有の健康問題で仕事のパフォーマンスが低下する」と回答しました※2。企業としては、生理休暇などの制度面を整えつつ、女性のヘルスリテラシーを高める研修を実施するとよいでしょう。また、対応に当たる男性管理職へのサポートも積極的に行うべきです。

※1 OECD Gender Data Portal 2021, The World Bank Open Dataより講演者がグラフ作成
※2 日本医療政策機構「働く女性の健康増進に関する調査」(2018)

医療体制の維持のため 知ってほしい2つのこと

キーノート2「子どもの医療のかかり方(適正受診、薬の適正使用)」

国立国際医療研究センター
国際感染症センター 総合感染症科 医師
岩元 典子

医療費が増加し、医師不足が続く中で、将来にわたって適切な医療体制を維持するためには、皆さまに「医療のかかり方」についての正しい知識を身に付けていただくことが重要です。感染症専門の小児科医として、私から2つお願いがあります。

1つ目は、幼い子どもを持つ親の皆さまへ。子どもは頻繁に体調を崩すので、休日や夜間に緊急で受診すべきか、判断に悩むことがあると思います。そんなとき、熱などの症状があっても元気なときは緊急性が低い場合が多いです。逆に「普段とは顔色や呼吸が違う」と感じたときは、#8000の「こども医療電話相談」で、医師や看護師の判断を仰いでください。

2つ目に、多くの方に知っていただきたいのは「風邪に抗菌薬は効かない」ということです。実は、抗菌薬の総処方量が多い国ほど、薬剤が効かない菌の頻度が増えることが分かっています※3。医療機関にかかる際にはむやみに抗菌薬の処方を求めず、また、処方された場合はきちんと飲み切るようお願いします。

未来のために、力を合わせて医療制度を守っていきましょう。

※3 Albrich WC, Monnet DL and Harbarth S Emerg Infect Dis.; 2004; 10:514-7

健保組合の事例紹介

子どもの声かけで家族全員が健康に

ヤマトグループ健康保険組合 ヘルスケア推進担当グループ 保健師
肥後 尚子
働く親世代は自分の健康管理が後回しになりがちですが、子どもに促されて「喫煙をやめられた」「健康診断を受けた」という方が多数いらっしゃいます。そこで我々は子どもを中心とした家族の生活習慣改善に注目し、幼い子でも楽しみながら健康について学べる漫画冊子を作成・配布し、好評を得ました。その後、他の健保組合と共同で同様の取り組みを行った結果、実際に生活習慣の改善を考えた方が増加しました。

現場をけん引するウェルネスリーダー

丸井健康保険組合 保健事業担当課長
矢倉 摂
我々の健保組合では、女性の健康支援をサポーターの「ウェルネスリーダー」とともに、活動しています。当初は女性に限定していましたが、「女性の健康問題は全社員で検討すべき課題である」という認識から、2023年からは性別関係なく、手挙げによる希望者全員の参加へ変更しました。加えて、がんを始めとした検診の受診率向上に向けた取り組みや、女性の健康に関する役員・管理職向けのセミナー等、会社と一体となって取り組んでいます。

個人の行動とチームの力で 一人ひとりの健康を守る

対話形式セッション 山口慎太郎 × 岩元典子 × 秋山実 × 猪熊律子

健康保険組合連合会
理事
秋山 実

猪熊 まず、女性の健康について、医師として女性たちに知っておいてほしいこと、企業がサポートするべきポイントを教えてください。

岩元 仕事や育児で忙しくても、各種検診は必ず受診してほしいです。がんを始めとした重篤な疾患も、早期発見できれば予後は全く異なります。企業や健保組合にはその支援をしてほしいですね。

猪熊 次は育児支援と子どもの健康についてです。今年6月に「子ども・子育て支援金制度」の創設を含む法律が成立しました。「子育て増税だ」とか「子どもを持たない人も負担する必要があるの?」という声も聞かれました。

山口 多数の国際統計で「子育て支援は経済・社会のさまざまな面にプラスで、費用対効果も高い」という結果が出ています。また、日本の医療・年金等の社会保険は現役世代が引退世代を支える仕組みなので、若い世代が健やかに育つことは全世代にとって有益なのです。

猪熊 健保連では、女性と子どもの健康についての情報発信に注力していくにあたり、本シンポジウムを開催すると共に、オリジナルの啓発動画を作られたそうですね。

秋山 はい。この動画では「生理のトラブル」と「抗菌薬の適正使用」の2つのテーマに関して、働く女性のキャラクターが周囲と協力しながら前向きな行動を起こしていく物語が展開します。人気漫画家のマキヒロチさんにご協力いただき、簡潔で要点が分かりやすい動画に仕上がりました。今後も動画を追加する予定なので、ぜひ多くの方にご視聴いただきたいです。

読売新聞東京本社
編集委員
猪熊 律子

猪熊 健保連として今後各健保組合に期待することは?

秋山 女性の健康に関する理解は進んできていますが、子育て支援は始まったばかりの分野で、今後もっと充実させたいところです。どちらの分野についても、健保組合の皆さんには継続的に取り組んでいただきたいと思います。

猪熊 社会全体の課題として取り組まれることに期待したいですね。今日はありがとうございました。

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