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白黒写真カラー化に高校生感動! フォトショップが情報科授業を熱くする

歴史の世界は色鮮やかだった——。

東奥義塾高校(青森県弘前市)の1年生223人が、情報Ⅰの授業の一環として、150年の長い伝統を持つ学校に残る古い白黒写真をカラー化した。アドビの画像・写真編集ソフト「フォトショップ(Adobe Photoshop)」に搭載された人工知能(AI)を利用することで、かつての生徒や教員たちの表情や服装、趣のある校舎、ふるさとの風景までもがリアルに再現された。

生徒たちがデジタル技術への関心を高める機会になるとともに、写真はウェブで公開され、地元を愛する人たちの貴重な財産になった。

子どもたちの可能性を広げるICT教育について、授業を担当した東奥義塾高校情報科主任の井上嘉名芽教諭とアドビのフォトショップを担当する岩本崇マーケティングマネージャーが話し合った。

生徒たちがフォトショップを使ってカラー化した写真について話す
東奥義塾高校の井上嘉名芽教諭(左)とアドビの岩本崇マーケティングマネージャー

情報デザインや色、歴史の学習…「一石何鳥にも」

——カラー化をすることになった経緯は。

井上嘉名芽教諭(以下、井上) 私はもともと生物を教えていまして、情報の教員としては5年目です。以来、今どきの生徒たちが興味を持つ教材を探していて、自分自身も学生時代はよく使っていたのですが、フォトショップで何か授業をできないかと思ったのです。そこで、Adobe Education Leader(AEL)の存在を知り、昨年に仲間に入れてもらいました。

岩本崇マーケティングマネージャー(以下、岩本) AELは、子どもたちのクリエイティビティを伸ばす教育の普及を目指し、アドビのツールを実践的に活用する先生方を支援しています。新製品の情報をお知らせするほか、オンラインで月に1回集まり、活用事例を共有するなどして、先生方に交流を深めていただいています。私たちにとっては、現場の生の声を聞いて、社内にフィードバックして、サービスの改善に生かすことができるというメリットがあります。

井上 AELのミーティングで、フォトショップに白黒写真をカラー化するニューラルフィルター機能が追加されたという話を聞いたのです。東奥義塾高校は今年創立150周年ですが、120周年のときに白黒写真を数多く使った記念誌を出していたことを思い出しました。これをカラー化すれば、生徒たちはフォトショップの最新機能に触れられるし、記念にもなり、歴史を感じられ、そのうえ、情報の授業で扱う情報デザインや色についても学べる。一石何鳥にもなるじゃないか、とアイデアが頭の中に降りてきました。今年度からは、フォトショップなど多数のアプリが利用できるクリエイティブクラウド(Adobe Creative Cloud)を導入しました。

岩本 アドビ製品はプロ向けというイメージが先行しがちです。しかし、学校関係では、価格面も含めて、導入しやすい条件を設けていますので、多くの方にお使いいただいています。

操作はワンタッチで完了。AIの力に教室内にどよめき

——実際にカラー化の作業はどうだったでしょうか。

井上 ボタン一つでカラーになるので、驚くほど簡単でした。ただ、人数の多い集合写真をカラー化しようとすると、ムラが出てしまいました。アドビの方に相談したところ、岩本さんを紹介されました。

岩本 部分ごとに分けて、作業すれば断然良くなるのです。

井上 また、大勢の生徒たちが作業するとなると、フォトショップを使えるパソコンが1台しかないのが悩みどころでした。そこは考えまして、1台のパソコンを生徒たちが互いに教え合いながら、順番で操作することにしました。

生徒たちの作業の様子

岩本 フォトショップを初めて使う生徒さんがほとんどのようでしたので、簡単な操作でできるということ、そして最新のAIの性能がどういうものかをまずは知っていただいたのが、よかったと思います。

——生徒たちの反応は。

井上 劇的に色が変わった瞬間は、「わーっ」とどよめきが出ましたね。「昔も今と同じように色があったのだ」という素朴な感想が印象的でした。はっきりと当時の様子がイメージできたようでした。

150年前の東奥義塾高校の創立に関わった鎌田文治郎が慶応義塾に入塾した頃

スキー部の活動(=1932年撮影)

井上 開校して間もないころの英語教師で、青森県にリンゴを伝えた宣教師ジョン・イングを囲んだ写真があります。地元ではすごく有名で、私たちも誇りにしている1枚ですが、これまで分からなかった服や髪の色が再現され、年配の教職員は感激していました。

開校後間もない頃に活躍した英語教師のジョン・イング(中央)ら教職員、生徒たち(=1876年撮影)

  「すぐ色がつけられる機能に驚きました」(阿部佑莉愛さん)
  「うまく色がついたので良かった」(山田那々良さん)
  「昔も自分たちと同じように生活したり、勉強したりしていたんだなと感じました」(阿部真莉愛さん)

井上 日常でスマートフォンを使いこなす生徒たちにとっては、画像加工のアプリ自体は身近な存在です。ただ、例えば、デザイン関連の仕事に将来就くのであれば、フォトショップをマスターしておくことは必須でしょう。興味を抱いた生徒は自分でどんどん調べますし、学校でクリエイティブクラウドのユーザー指定ライセンスを導入したので、自宅のパソコンやタブレットでも使えます。教員としては、生徒たちがフォトショップを初めて体験する機会を提供できたことは喜びでした。

岩本 高校生というのは、自分は何が好きで何が得意か、どんな仕事をしようかというイメージが徐々に出てくるころですよね。アドビのツールに出会うことが、将来の可能性に気付くことにつながるというのは、本当にうれしい話です。

フォトショップはこの秋のアップデートで、写真にシワがある時もうまく補正できるようになりました。

井上 来年度以降、ぜひ授業でも取り入れます。

野球部の生徒(=1907年頃撮影)。
最新機能では、シワなどにより色が欠落した部分も大きく補正できるようになった(右下)

——カラー化した写真はアドビエクスプレス(Adobe Express)でまとめたサイト(こちら)で誰でも見られます。

井上 誰かに見せると思うと、しっかりやらなければという気持ちになります。ですから、カラー化は公開を前提で作業していました。エクスプレスは、加工したり、キャプションをつけたりするのもとても楽です。海外での修学旅行時でも活用して、1800枚以上の写真をアップしました。保護者の方には「旅行中の子どもたちの様子が分かる」と言われ、大変好評でした。

岩本 エクスプレスには、テンプレートがたくさんありますので、デザインが必ずしも得意ではないという方でも、写真や画像の見栄えを高められます。ブラウザ上で使えますし、情報を配信するプラットフォームとして活用されることが増えています。

アドビのツール増加中。生徒がいろんなものに触れる機会を

——情報教育の現場ではどのような課題がありますか。

井上 生徒たちはデジタルネイティブであり、高い能力をもっています。ただ、教員が提示しなければ、知らないまま過ぎてしまう可能性があります。とにかく、いろんなものにどんどん触れる機会を作ることが非常に大切でしょう。

岩本 性能の良いパソコンが十分に整備されていない学校もありますので、改善されていくことを期待します。私たちとしては、パソコンでもブラウザ上で、あるいはスマホやタブレットで、アドビ製品を同じように使えるようにするというのは、一つの方向性であると考えています。

井上 環境も大事ですが、そこで諦めてはいけません。教員の工夫によって、大きく変えることができるのです。例えば、私は一斉授業はやめる代わりに、課題を与えて、個別にサポートする形をとっています。パソコンが少なくても、生徒たちは交代で使えます。教員は多忙なこともあり、新しい一歩が踏み出せない方はいます。私も自分の体験をお伝えすることで、少しでもこうした実践が広がっていくことに役立ちたいです。

岩本 次世代を担う生徒さんたちにバトンを渡していくために、先生方と知恵を出し合い、一緒に良い環境づくりをしていきたいです。