中高年以降のトラブルに備えよう
女性の心と体
今回のテーマは「中高年以降の女性の心と体」です。年齢を重ねることで生じやすくなる心身の不調やその対策について、日本女性心身医学会理事長の本庄英雄氏に聞きました。
健康寿命を縮める運動器の障害
閉経(52歳頃)前後10年間の「更年期」を迎えると、女性の心と体には様々なトラブルが起こりがちになります(図参照)。その主な原因は、女性ホルモンであるエストロゲンと黄体ホルモンの急激な減少、そして対人関係を中心とする心理的なストレスにさらされることです。
骨や関節をはじめとする運動器の障害は、日常生活に制限がない期間を指す「健康寿命」を縮める大きな理由の一つ。定期的に健康診断を受診し、規則正しい生活を心がけることで予防しましょう。食事面では、カロリーを摂りすぎないように〝腹七分目〟を意識し、栄養バランスを考えて1日30品目以上の食品を食べるのがおすすめです。
人生終盤まで続く「うつ」の回避へ
精神的な問題に関していうと、更年期から80歳くらいまでは孤独感や社会的疎外感にさいなまれることが多く、中にはうつ病を患ってしまう人も。「ダンス」「お茶・お花」などのグループ活動に参加したり、友だちや仲間をつくっておしゃべりをしたりするだけでも効果があるので、ぜひ実践してみてください。子育てが終わって取り残されたような気持ちになる「空の巣症候群」に陥る人もいますが、子どもの自立を「束縛からの解放」と前向きに捉えるとよいかもしれません。
症状が多岐にわたる女性特有の疾患は、自分では判断がつきにくいもの。ホルモン補充療法(HRT)などの有効な治療法も存在しますから、不安がある場合は婦人科でアドバイスを受けましょう。
広 告 企画・制作 読売新聞社広告局