早期発見・早期治療がカギ
乳がん

 今回のテーマは「乳がん」です。決して人ごとにはできないこの病気に関する基礎知識や、早期発見のためにできる対策などについて、乳腺の専門医である島田菜穂子氏に聞きました。

認定NPO法人
乳房健康研究会
副理事長
島田 菜穂子氏

日本人女性に最も多いがん

 乳がんは臓器の一つである乳房にできる悪性の腫瘍です。日本人女性が最も患いやすいがんで、11人に1人が生涯で乳がんになります。年間死亡者数も年々増加しており、いまでは1万3千人以上。これは交通事故死よりも遥かに多い数字です。罹患のピークは40代後半から50代前半ですが、20、30代、あるいは年齢を重ねてから発症するケースも多々あるので油断はできません。

 リスクが高いといわれているのは、家族が乳がんになったことがある人。ただし、社会的に女性のライフスタイルが変化したことによるホルモンバランスへの影響などで、家族で初めて罹患するという人も非常に多くなっています。

*国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」より

セルフチェックと病院での検診を

 初期段階では自覚できる症状が表れにくく、進行するほど治療が難しくなる乳がんは、早期に発見することが何よりも重要。胸に触ってしこりがないかを確認する「セルフチェック」を習慣にし、遅くとも40歳からは1、2年に一度、乳がん検診を受けることをおすすめします。乳房を板で挟んで撮影する「マンモグラフィ検診」に不安を感じる人は、日本乳がん検診精度管理中央機構から技術や知識を認定された医師・技師がいる病院を訪れるとよいでしょう。病院のリストは同機構のWebサイトなどで公開されています。

 乳がんは、女性やその家族の人生を大きく左右する病気です。3月26日には、乳がんに対する意識を高めるイベント「ピンクリボンウオーク®2017」が開催されるので、ぜひ足を運んでみてください。

「ピンクリボンウオーク®2017」に関する詳しい情報はこちら

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