早稲田大学の教育・研究・文化を発信 WASEDA ONLINE

RSS

読売新聞オンライン

ホーム > 教育 > ぴーぷる

教育

▼ぴーぷる

ミランダ・カー出演「黒烏龍茶」のCM ― あの力強い歌声の正体は、この娘(コ)です

略歴はこちらから

 シンガーソングライター Mayu(まゆ)/文化構想学部 4年

「ライブで感じられるお客さんとの熱交換は最高!」

 モデルのミランダ・カーが男の子にコロッケを作る「サントリー黒烏龍茶」のCMで、『古い日記』(和田アキ子)の替え歌を歌っているのは、早稲田大学文化構想学部の4年生でシンガー・ソングライターのMayuさんです。「どんな“娘(こ)”が歌っているの?」と、小柄な体からあふれ出るパンチ力のある声が一躍注目の的となりました。自らが作詞・作曲したオリジナル曲では、エレキギターを弾きながら躍動感ある声だけでなく、ハスキーで繊細な歌声も披露しているMayuさん。年末年始には演技初挑戦となる舞台を控えたMayuさんに、音楽に対する思いや学生生活について聞きました。

――音楽と出合ったなれそめを教えてください。

 幼いころからダンスを習っていたことで音楽に親しみがあり、早稲田実業学校(※以下、早実)中等部に進学して3年生になったころ、カラオケの代わりに自分でアコースティックギターを弾くようになりました。そのまま高等部に進み、1年生のときに軽音楽同好会に入って5人の“女の子バンド”を組みました。ギターとボーカルを担当して、ロックバンド「銀杏BOYZ」などのカバーをやっていました。新宿や赤坂、下北沢のライブハウスでライブも行っていました。

――早実出身だったのですね。

 もともとダンサーになりたかったので、大学受験の勉強をする時間がもったいないと思っていて、早稲田大学への内部推薦がある早実への進学を考えました。文化祭に行ったらダンスのクオリティーがすごく高くて「この学校に入りたい」と思うようになりました。家から学校まで遠かったのですが、電車の中でiPodで音楽を聴く時間が大好きでした。早実の一番の思い出は「100円どんぶり」といって、部活動が始まる15時ごろから食堂で食べられるどんぶりですね。その日のお昼に余った食材で作っていて、あれは最高のサービスだと思います。

――ギターや作曲はどのようにして学んだのですか?

 ギターは高校1年生から本格的に弾き始めました。軽音楽同好会とは別に、通っていた音楽専門学校で出会った音楽プロデューサーの方から個人レッスンを受けて、ギターだけでなく作曲方法も教えてもらいました。

――曲や詞はどのように作っているのですか?

 私はまず、曲から作ります。メロディーを一番大事にしていて、納得がいったメロディーを 中心にして、ギターやシンセサイザーなどで全体を作っていきます。自分が見た映像や体験、好きな映画のワンシーンで自分だったらこんな曲にしたいなと、感情移入して曲を作っていくことが多いですね。作曲のほうが得意なので、詞は曲ができてからなのですが、作詞の参考のためにノートを常に持ち歩いています。 大学のキャンパスを歩いていると、サークルの張り紙などに不思議な言葉を見掛けるので、気になったものは書き留めています。どういう発想で出て来た言葉な のだろう、とかを考えると楽しいですね。

――音楽大学に進学しようとは考えなかったのですか?

 真心ブラザーズさん、東京スカパラダイスオーケストラさん、土岐麻子さんなど、早稲田大学出身者には素晴らしいミュージシャンが多く、音大進学は全く考えませんでした。また、純粋に文化構想学部が面白そうで、授業を受けてみたかったんです。

――好きな授業は何ですか?

 香道という日本独特の香り文化を学ぶ「感性文化基礎論」、セクシュアル・マイノリティに関する学術的な議論を学ぶ「クイア・スタディーズ入門」、演出家でもある宮沢章夫教授の「サブカルチャー論2」、「民族音楽論」などが好きですね。特に民族音楽論では世界の民族音楽が形成されていく過程を学術的に学ぶことができます。例えばアフリカ音楽は、労働をはかどらせるためにリズムを大事にしているので、リズミカルな音楽を口ずさむ。一方、アメリカでは労働のつらさをリズムよりも詩で表すようになり、これがブルースにつながっていく。このような文化的背景を知る事ができたことが面白かったです。授業を受けたことで、アフリカ音楽のリズムで『RED CARPET』という曲を書きました。内容はアフリカには全く関係ないのですが、リズムは完全にアフリカ音楽にインスパイアされたものです。

――キャンパスではどのように過ごしているのですか?

 4年生ですけど毎日のように大学に来て、朝は学生会館の地下で発声練習をしています。家では夜になると声を出せませんし、スタジオをいつも借りられるわけではないので、学生会館の地下スペースの存在はすごく助かっています。また、本キャン(早稲田キャンパス)は華やかですが、私は文キャン(戸山キャンパス)のシンプルな雰囲気が好きなので、とても居心地がいいですね。

――年末年始には舞台に挑戦ですね。

 虹色オーケストラ Music Story 『透明のシンフォニー』は、フルオーケストラをバックに歌とお芝居が繰り広げられる舞台です。私は音大の声楽科に通うヒロイン「ヒビキ」を演じます。主演でもある2人の幼なじみから思いを寄せられる役どころで、今は所属事務所で演技レッスンにも参加しています。

――今後の抱負を教えてください。

 曲と声で「Mayu」と分かってもらえて、曲を聴いてくれた人が元気になるような存在になりたいです。お客さんの反応がダイレクトに伝わってきて、自分自身を解放している感覚を味わえるので、ライブをやっている瞬間が最高に好きです。特にワンマンライブでは、全員が私を見に来て下さっているので、お客さんの熱気が違います。来年の2月17日(金)に2回目のワンマンライブも決まりました。自分とお客さんが互いに熱交換して盛り上がれるようなライブにしますので、是非遊びに来て欲しいです。

(提供:早稲田ウィークリー

シンガーソングライター Mayu(まゆ)/文化構想学部 4年

【プロフィール】
 神奈川県出身。早稲田実業学校高等部卒業。2015年11月に初のアルバムとなる『POP!TICK!ROCK! more special!!』をリリースした。2017年2月17日に2度目となるワンマンライブを開催。虹色オーケストラ Music Story『透明のシンフォニー』は、さいたま市の大宮ソニックシティ大ホール(2016年12月29日)と大阪市のオリックス劇場(2017年1月7日)で公演。「サントリー黒烏龍茶」「ALSOK スーパー・サンバ・オリンピックver.」のCMで、それぞれ歌唱を担当した。自身のYoutubeチャンネルではミュージックビデオも公開している。
公式Webサイト(http://mayu-web.com/