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学生日本代表の6人中2人が早大生
世界大学トライアスロン選手権に臨む!

山本 奈央/スポーツ科学部4年
古谷 純平/政治経済学部3年

 世界各国の大学生の中から世界一のトライアスリートを決する大会、「世界大学トライアスロン選手権」(通称、ユニバーシアード)。早稲田大学より山本奈央さん・古谷純平さんが、大会出場の選考基準を満たし、日本代表メンバーに選出された。ユニバーシアードに臨む2人に、トライアスロンに懸ける想いを語ってもらった。

 水泳(スイム)・自転車ロードレース(バイク)・長距離走(ラン)の3種目を通したタイムを競うトライアスロンは、その過酷さゆえに鉄人レースとも呼ばれる。「なんでそんなにしんどいことをやってるの? ってよく言われます。たしかに3種目もあるから体力的にはきついです。ただ、勝ったときの喜びがハンパない! 陸上や競泳の大会で優勝した経験はありますが、トライアスロンで優勝したときの方が圧倒的にうれしい」と古谷さん。「スタートラインに立ったとき、陸上や競泳だと緊張するんですけど、トライアスロンだとワクワクします。私にとっては楽しいスポーツです!」と山本さん。

2009 日本選手権東京湾大会。最も苦しくなるラン中盤の山本さん

 7才の頃、初めて出場した大会で準優勝をしたことがきっかけで、トライアスロンを始めた山本さん。表彰台に立ったときの感動が忘れられず、学外のクラブチームに所属しながらトライアスロンを続けてきた。一方、中学・高校と陸上に打ち込んできた古谷さんは、高3の頃、父の勧めでトライアスロン認定記録会に参加するも、わずか0.1秒足りずに強化指定選手に選ばれなかった。そのときの悔しさが、トライアスロンを本格的に始めるきっかけとなる。2009年のアジア選手権で出会い、現在は同じ早大生として学業と練習に励む2人。お互いに選手としての印象を尋ねると、「古谷くんはどんなレース展開でもあきらめない選手。3種目で競い合うトライアスロンは、選手ごとに得意・不得意とする種目が異なるため逆転が起こりやすい。だから、最後まであきらめない選手が勝つのだと思います。古谷くんの強さはそこにあります」と山本さん。一方、古谷さんは、「普段はいつも笑っている奈央さんですが、スタートラインに立つと、途端に目つきが変わりガッツのあるレースを見せてくれます。誰よりも気持ちが強い選手です」と話してくれた。

 そんな2人は数々の輝かしい戦績を残してきただけでなく、トライアスロンを通して人としての成長も感じている。古谷さんは所属チームの監督から、人に感謝することの大切さを教わった。「大学生となった今、離れて暮らす両親や応援してくれる人のありがたみをとても感じています。自分一人の力ではここまでやってこられなかった。出会った皆さんに、日々感謝しています」。山本さんは、思い続けることの大切さを学んだ。「夢や目標って、上っ面の思いではたどり着けないんですよね。強い思いはやがて行動となり、困難や挫折にも負けず目指すゴールに近づくための力になるのだと思います」。

 最後に、2人の夢について聞かせてもらった。「小さい頃からオリンピックに出ることを夢見ていました。だけど、社会への船出が目前に迫っている今、就職の道を考えています。どんな人生を歩むにしても、トライアスロンで学んだことを生かして、誰かの役に立てる人間になりたい。それが僕の新しい夢です」と古谷さん。「私も周りが就職活動を始めたときは悩みました。そんな中で出場した大会で、やっぱり自分はトライアスロンが好きなんだと改めて思ってしまったんです。完全燃焼するまでトライアスロンで突っ走ろうと決めました」と山本さん。「ユニバーシアードに向け、今は全力を尽くすだけ」と話す2人は、人生という舞台のはるか彼方のゴールを目指し、懸命に走り続けている。

2010 世界選手権グランドファイナル。初の世界選手権でも“攻め”を貫く古谷さん

2011 世界選手権グランドファイナル。スイムの遅れから必死に前を追う古谷さん

▲2010 日本ジュニア選手権長良川大会。レース前、妹と会話を交わす山本さん

(提供:早稲田ウィークリー

山本 奈央(やまもと・なお)(右)/スポーツ科学部4年

愛知県出身。スポーツ科学部4年。愛知県立西尾高等学校卒業。特技は折り紙。悩みは日焼け。「トライアスロンでは、日焼け止めを塗らないと悲惨なことになります。でも、トライアスリートの中では白い方なんですよ(笑)」。
主な戦績:2011年 日本学生トライアスロン選手権 3位

古谷 純平(ふるや・じゅんぺい)(左)/政治経済学部3年

大阪府出身。政治経済学部3年。洛南高等学校卒業。息抜きはDVD鑑賞。お気に入りの映画は『ワイルド・スピード』。「『カネなんてものは所詮“はかない存在”だ。一番大切なのは“仲間の存在”だ』。劇中の主人公のセリフにグッときました(笑)」。
主な戦績:2011年 日本学生トライアスロン選手権 優勝