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初出場で準優勝に輝く!
漢(おとこ)たちのロボコン闘争記

菅原 英剛/理工学部3年
田中 智也/理工学部3年
山口 直輝/理工学部3年

 準決勝戦目前、3つのサークルによる合同プロジェクトチームロボコンのメンバーは顔を見合わせていた。「これに勝ったら決勝戦だよな?」さぞ緊張したことと思いきや、菅原さんは頭をかきながら「準決勝まできちゃったけど、これでいいの?と正直半信半疑な感じでした」と話す。というのも今大会は、例年上位を争う強豪チームが次々と敗退。初出場のチームロボコンが準決勝戦にまで勝ち進んだのだ。「お金や時間をかけたことがわかる機体がずらーっと並んでいる会場で、自分たちの機体は逆に目立っていました」とメンバーは苦笑する。初出場ゆえにベースとなる機構もなく、手探り状態の作業が続き何度もあきらめそうになった。限られた製作時間と資金も調整しなければならない。結果、無駄なものを削ぎ落とした機体になった。シンプルではあったけれど「まだまだレベルアップできると思っていたし、自分たちの持っているものすべてを積み込んだベストの機体で臨みたかった」と菅原さん。「『反省点』は、改善すればむしろ『勝利へのキーワード』になりますから」という山口さんの言葉に全員が大きくうなずく。出場することで、次につないでいくデータ収集をできたのもよかった、と回路担当の山口さんは話す。

 広報担当の田中さんは大会終了後も、さまざまな作業に追われ忙しい。「でもロボコンに関わることで、人と人をつなぐさまざまなシーンに出会えました。大きな収穫です」と微笑む。3年生は今年度でサークルを引退するので、来年の大会には参加しない。「来年こそ早稲田魂を盛りまくった完璧な機体で優勝して、世界大会出場だよな!」突然、先輩に呼び出され、取材に立ち会うことになった2年生の米田圭佑さんの背や肩を、そう言いながら叩くメンバー。11月に開催する理工展ではロボコンに出場した機体のデモンストレーションも見られる。夏に開催された小 中学生のための科学まつりである「ユニラブ」でも、こども達の目をくぎづけにしたこのロボット。戦略を使い分け、緻密な動きを見せる姿は一見の価値あり。

NHK大学ロボコン

 NHK・NHKエンタープライズが主催するロボットコンテストのひとつ。1991年から続けられており、国内ロボット競技の中ではトップレベルの大会。「自動」と「手動」のロボットを操り、ルールにのっとりポイントを競いつつ、課題もクリアしていく。ロボットの安全性の他、チームの協調性も試される。現在はアジア・太平洋ロボットコンテスト(ABUロボコン)への日本代表選出もかねる重要な大会でもある。

(提供:早稲田ウィークリー

田中 智也(たなか・ともや)/理工学部3年

1987年埼玉県川越市生まれ。私立城北埼玉高等学校卒業。理工学部3年。ものづくり企業探訪学生団体HONMONO所属。NHK大学ロボコン2008において渉外広報業務を担当。

菅原 英剛(すがわら・ひでたか)/理工学部3年

1987年神奈川県横浜市生まれ。私立栄光学園卒業。理工学部3年。早稲田宇宙航空研究会WASAメカトロプロジェクト所属。NHK大学ロボコン2008において機体の加工・組み立てを担当。

山口 直輝(やまぐち・なおき)/理工学部3年

1987年千葉県柏市生まれ。芝浦工業大学柏高等学校卒業。理工学部3年。WMMC早稲田マイクロマウスクラブ所属。NHK大学ロボコン2008において回路製作・制御を担当。