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▼こんな授業! どんなゼミ?

政治学演習α

山口 俊大/政治経済学部4年

新しい授業の「形」を模索する大浜ゼミ。筆者は一番手前

 「政治経済学部なのに法律?」―大浜啓吉教授「政治学演習α」のテーマ『行政法と公共政策』から、こう思う人は多いはずだ。だが、どんな政策も法律として成立しなければ意味が無いことを考えれば、この疑問もすぐに晴れるだろう。国会で成立する法律の実に9割が行政法であることから見ても、このゼミの「守備範囲」は広い。

 授業では、3年次は判例を用いたケースメソッドを行う。2~3名のグループワークとしてテーマが与えられ、所与の問題について自分なりに考察する。これを発表し、大浜先生から指導・コメントを頂く、という形になっている。扱う判例は「まちづくり」、「医療」、「教育」、「環境問題」とさまざま。実例から行政法の基礎を学びつつ、4年次の卒論のテーマになりうる素材に多く触れることができる。研究内容の守備範囲の広さからか、各界に多くの人材を輩出してきたのも大浜ゼミの特徴だ。国家公務員Ⅰ種の合格者は48名、法曹の世界でも20名ものOB・OGがいる。群を抜くこの実績は先輩方の努力はもちろん、大浜先生の真摯な指導の証とも言えるだろう。

法科大学院向けのテキストを使い、レベルの高い講義を目指している

 そんな伝統あるゼミでありながら、伝統にとらわれすぎない点も特徴の一つだ。大浜先生の海外研究による中断をはさんだため、我々4年生は募集再開後の1期生となる。授業の進め方からコンパに至るまで、試行錯誤しながら新しい授業の形を模索している。大浜先生が学生の自主性を重視していただける点も大きい。

 「法律」という端的なイメージだけでは無く、逆に行政法を武器としてさまざまな社会問題に新たなアプローチで挑むことができる。ゼミとしても、伝統に身を任せるのではなく新たな歴史を作る足跡を担う経験は貴重なものになるはずだ。好奇心旺盛な学生の皆さんにぜひお勧めしたい。

(提供:早稲田ウィークリー