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▼こんな授業! どんなゼミ?

「コーポレート・ガバナンス」から見える経営の哲学

松野 祐典/商学部4年

 私は中村信男先生のゼミで会社法を勉強している。扱う範囲は法律の視点から企業の在り方や、現行の会社法制度の問題点等多岐に渡る。商学部の中で法律を扱うゼミは中村先生のゼミ以外にはないため、非常に珍しい存在である。法律の視点から「経営学」や「経済学」といったこれまで学んできた見方とは異なる切り口で学ぶことは新鮮だ。また、企業の経済活動の枠組みとなる法律について学習することは、非常に意義のあることだと考えている。

 加えてこの「新時代のコーポレート・ガバナンスと企業価値の創造・向上」を受講することにしたのは、企業活動の最前線で活躍されている方の考えを直接聞くことができるからである。授業やゼミなどで企業を調べる際には新聞記事や文献、HP等を利用することになるが、文字を通してでは分かりづらい部分も多々ある。その点、この授業では実際の経営者の方を講義にお招きし、顔を見ながら話を伺うことができる。また疑問があれば質疑応答の時間で、直接質問することもできる。そのため常に企業経営の新しい発見を得ることができるのだ。

 また経営者の方々はそれぞれ、経験に基づくさまざまな哲学観を持たれている。そのためこの授業は社会人としての旅立ちを控える大学生としては、経営者の方々が人生を通じて獲得された密度の濃い教訓、ポイント、ヒントを得る貴重な機会となり得るのである。毎回、講演者の方から最後に学生に向けて伝えられるメッセージは、短い言葉ではあるが、非常に説得力がある。

 私は現在、就職活動の真っ最中である。会社説明会ではその企業の人事の方を通した会社のイメージに触れることが多いが、この授業で実際のトップの方の考え方を聞くことで、より具体的に企業イメージ、風土を描くことができる。また、それまで全く興味のなかった業種にも興味を持つきっかけにもなる。事実、私自身がそうであったほどだ。就職活動を控える全ての学生に有益な授業と言える。

(提供:早稲田ウィークリー