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▼こんな授業! どんなゼミ?

Political and Economic Situations in Southern African Countries

こんな授業はじめて! ~南部アフリカ諸国の駐日大使が毎週来る!~

山口 琴弓/国際教養学部4年

 片岡貞治准教授のPolitical and Economic Situations in Southern African Countriesの授業では、毎週南部アフリカ諸国の駐日大使が教室へやってきて授業を行う。

 アフリカと聞くと、栄養失調の子供や難民キャンプを想像する人は少なくないであろう。ロンドンに1年間留学した際に、アフリカ出身の友人から、現地の写真を見せてもらいながら、リアルなアフリカの話を聞く機会が何度もあった。そこで、自分が今まで抱いてきたアフリカのイメージが、いかに限られた情報だけで無意識に作られているかを知った。もっと広い視野でアフリカを知りたいという思いから、この授業を受講したのである。

 この授業の面白さは主に2つある。1つ目の面白さは、各国のアフリカの大使から植民地時代の話や日本の援助の話、国の発展政策やHIVへの取り組みなどを直接聞くことができることだ。特に、ボツワナの大使の授業が印象的であった。アフリカの国々では民主化への移行が非常に困難であったが、ボツワナではコミュニティが昔から機能していたため、各コミュニティを基礎として非常にスムーズに民主化が広がり、進んだという。また、GDP成長率が2005年の8.4%から2006年、2007年には連続して、成長率が4.2%前後に下がってしまった。ダイヤモンドの市場価格が一国のGDPに影響し、成長率が半減してしまうという現実に驚かされた。

 2つ目の面白さは活発に意見が飛び交う質疑応答の時間である。授業には日本人学生以外にも韓国、セネガル、アメリカ、メキシコ、ケニアなどさまざまな国の学生が集まっている。それゆえ、多種多様な視点から大使へ質問がされるため、質問の内容自体が多彩で面白い。

 個人的には普段聞きなれない、アフリカの人が話す英語を聞き取って、理解するという点にも面白みを感じている。大統領をはじめとしたアフリカの各国代表に強いコネクションのある片岡教授だからこそ、展開できる授業であろう。

(提供:早稲田ウィークリー